そこに競馬があるから

日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。

船橋競馬場　その１６　～予想紙と予想屋と少しだけ騎手の話ー～

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船橋競馬場のスタート争い

＊船橋競馬場レポートの続編です。
初めからお読みになる方は船橋競馬場レポートその１からどうぞ。

　どうも。荷桁です。世の中いろいろありますが、ひとまず粛々と船橋競馬場レポートを進めてまいりたいと思います。

　今回はタイトルにありますとおり、船橋競馬場の予想についてつらつらと書いていきたいと思います。とは言いながらも、船橋競馬の具体的な予想については予想を専門にしているサイトがゴマンとあるかと思いますので、このブログでは一ファンが船橋競馬場に行った際に触れることができる予想のためのツール、すなわち予想紙や予想屋さんの話をしていければと思います。

　南関東は都心に近く、まだそこそこの動員力があるため、予想紙の種類も予想屋さんの数もそれなりにあります。それぞれがどうという話まではできませんが、それらのご紹介を中心に進めて、最後に荷桁が注目している船橋の騎手なんかの話もしておこうと思います。それではまいりましょう。船橋競馬場の予想紙、予想屋、そして少しだけジョッキーの話...

　さて。それでは船橋競馬場の予想についてだ。

　むちゃんこ基本的なことで申し訳ないが、船橋競馬場は大井競馬場、川崎競馬場、浦和競馬場とともに南関東公営競馬を構成している競馬場である。皆さんご存知のとおり、この四競馬場の間では馬や騎手の交流が盛んにおこなわれているため、船橋競馬場所属の騎手や馬だけでなく、他地区の騎手や馬もキチンと知っておく必要がある。

　他地区からの遠征馬の勝負気配、また船橋所属馬だが前開催で遠征している馬の連闘、騎手の乗り替わりなど、厩舎ごとにもいろいろな勝負パターンがあるので、長年南関東競馬に触れていてこのあたりの知見がある方が有利なことに越したことはないが、そうでもないという方はとりあえずきちんと競馬新聞を読んで近走成績や調教なんかを見て予想をしていくのが一番無難であろう。

　船橋競馬場には当然のことながら南関東の専門紙がひととおり揃っている。

　皆さんご存知の競馬ブック・勝馬・ケイシュウNEWS・日刊競馬の４紙だ。それぞれの競馬新聞は載っている情報は大きく差がないので、ご自分にとっての見易さなどを重視して選んでいただければOKだ。

　そして予想紙に加えて、船橋競馬場には予想屋さんが営業しているので、さっぱり見当がつかないときや、自分の予想をさらに補強したい場合は活用してみるのも手である。

　船橋競馬場の予想屋さんはスタンド１階の一画に出店している。基本的にここ以外では営業していないので、この並びにある予想屋さんの中からあなたにとって信頼できる一軒を見つけ出していただければOKだ。

　船橋競馬場の予想屋と言えば、まず名前が挙がるのはこちらの「ミスター船橋」であろうか。船橋オートレース場、船橋競馬場の違う２競技で予想屋を営業していたという珍しいタイプの予想屋さんである。船橋競馬場の予想屋陣の中でも口上がおもしろいことで有名で、ついている客も多い。ネット上にインタビューもあったりするので予習代わりに読んでみるのもなかなかええもんでっせ。

　南関東４場すべてで営業している「狙い撃ち」もファンにはおなじみの存在。2006年に独立したという比較的若い予想屋さんだが、４場すべてに顔を出している強みを活かして、人気を博している。ネットでも予想が買える方なので気になった方はいろいろ検索してみてくだされ。インターネット等では予想は配信しておらず、本場に行ったときにしか予想は買えないぞ。

　続いては「マーサ」。この方も南関東４場すべてで営業している予想屋さんである。現場派だけあって当日の気候や気配を重視するタイプなので、本場開催時に訪問して予想を購入するには頼もしい存在である。ワーワーと演説をするタイプではなく、アドバイスをしてくれる系なのでそういうタイプの予想屋さんの方がいいという方は是非マーサへ。

　続いてはご紹介するのは「テイク」。本場では浦和と船橋で営業しているこちらも比較的若い予想屋さんだ。強気な穴目の予想スタイルで有名。この方もインターネットで予想が買えるため、気になった方はチェックしてみてくだされ。

　こちらの大多喜社も南関東のオールドファンなら見たことあるという方が多いのではないだろうか。かつては４場すべてにいらっしゃったが、現在はどうなんだろう。インターネット等で予想を販売している訳でもなく、やや高齢なのでとっつきづらいところもあるがこの方も本場ならではの方なので興味がある方は勇気を出して行ってみてくだされ。

　ほか、営業中の写真はないが「ザ・トップ」、「ナビゲーション」など南関東ではお馴染みの予想屋さんたちが船橋でも台を持っている。

　昨今の本場動員を取り巻く環境はいいとは言えず、予想屋さんたちにとっても厳しい時代ではあるため、営業の状況にも変化があるかもしれないが、パドックを見て予想屋さんの口上を聞いて締め切りギリギリに馬券を買うという一連の流れはやはり本場開催ならではなので、是非予想屋さんとのコミュニケーションも楽しんでみてくだされ。

　ちなみに船橋競馬場の予想屋さんの料金体系はこんな感じである。通しで買うのがだいぶお得なので一日どっぷりいる場合は通しをご検討くだされ。

　ちなみに予想屋さんの脇にあるこの表は的中表示という。モノとしてはその日の予想屋さんの買い目公開＋的中具合が一目で分かるようにという趣旨のものなのだが、分かりやすく表記しようとしてかえって分かりづらくなっているというトホホな代物である。

　こんな感じで、公式のルールでは軸と紐が３着以内に来ている場合△で囲われるというのが基本だ。これだけ見ると単純なのだが、一部先ほどのように、単勝的中を□で囲ったり、馬連が的中した場合は□で囲われたり、軸が３着に来て、ワイドが当たった場合は△で囲われたりするが２着だと単の方は△で囲われなかったりと運用の面では予想屋さんの裁量もあるのか、かなり複雑になってしまっていて、ファンにとっては「んで、結局儲かってんの？」という肝心なところがすごくよく見ないと分からないという形になってしまっているのだ。

　まあ、点数や券種などいろんな流派があるから公平に表示しようとしているのは分かるのだが、もう少しいい方法はないものかねえと思います。ちなみに単に書いている馬と連複の軸馬を変えるというトリッキーな予想屋さんもいるので、これはこれで見ているとなかなか楽しいですよ。

　昨今では予想屋さんの予想は本場だけでなく、インターネットやコンビニのマルチプリントなんかでも購入することが可能だ。なかなか本場には行けないが予想屋さんの視点を感じてみたい！という方はこういうのを活用するのも手であろう。

　さて。予想屋さんの話で随分長くなってしまったのだが、最後に予想する際の重要なファクターとなる騎手の話もしておこう。

　繰り返し申し上げているとおり、船橋競馬場は南関東競馬に属しているため、騎手の交流も盛んだ。2019年度の船橋競馬場リーディング上位には大井所属の矢野貴之騎手や、御神本訓史騎手などが食い込んでいる。また乗鞍が少なくとも、遠征してきている騎手は勝率や連対率がよかったりもするケースも往々にしてある。しっかりと遠征騎手の勝負気配も見つつ、船橋競馬場内での騎手の序列、厩舎ごとの勝負騎手などもなんとなくイメージしておくことが大事になってくるだろう。

　執筆時点で船橋競馬場を代表する騎手と言えばこちらの森泰斗騎手となるだろう。ここ10年ほどで一気に南関東のトップ騎手になった感があるため何となく若い印象があるが、実は足利競馬場デビュー、宇都宮競馬場を経て船橋所属になったという渋い経歴。2019年は南関東全体でもぶっちぎりのリーディングとなった。船橋でも連対率４割前後と逆らいづらい存在だ。

　ベテラン勢ではおなじみ左海誠二騎手も忘れてはならない。地味に中央の重賞を３勝もしている、船橋の騎手会長である。船橋リーディングは10位前後が定位置だが安定感があり２着、３着などのいわゆる”紐”には外せない存在だ。

　ほかにも注目なのは本田正重騎手と本橋孝太騎手の同年代騎手コンビ。共に88年生まれで船橋所属と言う2人は現在船橋リーディングで上位争いをするライバルでもある。先にブレイクしたのは本橋騎手だが、近年の勢いは本田正重騎手のほうがやや上手か。本橋騎手がプレティオラスで2012年東京ダービーを制したが、本田騎手は2017年にヒガシウィルウィンでジャパンダートダービーを優勝するなど注目度の高いレースでの活躍も目立ってきている。どちらが船橋のトップになるのか。今後が楽しみな2人である。

　最後に荷桁イチオシの騎手をご紹介しておこう。庄司大輔騎手だ。

　かつては出川龍一厩舎に所属していて石崎隆之騎手の弟弟子として知られていたが、出川師の勇退によりフリーに。騎乗数は少ないながらも職人気質な騎乗でコアな南関東ファンからの支持が厚いタイプ。あまりに人気がないときはバッサリいってもあまり問題ないが、人気馬や中穴くらいのときは堅実な騎乗でしっかり馬券圏内をうかがってくるので狙ってみると味があるぞ。船橋以外でもたまに穴を開けるので注目だ。昨年はイマイチな成績だったが、2020年は年明けから通算200勝の勝利を決めるなど好調な雰囲気。ご存知なかったという方は今後は是非庄司騎手に注目してみてくれたまへ。

　さて。そんな訳で船橋競馬場の予想紙、予想屋さんの話をして、最後に少しだけ騎手の話をいたしました。

　次回からしばらくは船橋競馬場のグルメの話をしていければと思いますので引き続きよろしくお願いいたします・・・。