日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。
そこに競馬があるから > 廃競馬場 > シンガポール競馬 おまけ編2 ~旧ブキティマ競馬場 The Grandstandを歩く 前編~

旧ブキティマ競馬場スタンドであるThe Grandstand
*クランジ競馬場レポートのおまけです。
初めからお読みになる方はクランジレポートその1からどうぞ。
どうも。荷桁です。
あれ?「またシンガポール競馬のおまけ編なの?ウザっ!!」て顔してますね。ええ、ええ、その気持ちは分かります。ただ、まあせっかくなんで、これだけはやらせてくださいよ。
今回よりご紹介するのはタイトルにもありますとおり、クランジ競馬場に移転する前にシンガポールにあった競馬場、ブキティマ競馬場でございます。
これまでのレポートでも詳しくやっているので、あまり詳しくは書きませんが、ブキティマ競馬場は1933年から1999年まで戦争での中断を挟みつつも開催を続けていた、20世紀シンガポール競馬の中心的な競馬場となります。そのブキティマ競馬場は皆さんご存知のとおり、1999年のクランジ競馬場オープンとともに閉鎖となったのですが、実はその跡地にはその後、閉鎖時のスタンドをそのまま転用した「ザ・グランドスタンド」という商業施設がオープンしておりまして、2023年12月31日にクローズするまで、わりとそのままの建物を残しつつ営業をしていたのであります。
荷桁は幾度となくシンガポールを訪問する中で、実はこの「ザ・グランドスタンド」にも、しれっと訪問していたことがあるため、ここでシンガポール競馬場のおまけ編として、競馬場を愛してやまない皆様にもご紹介してしまおうと、まあそういう素敵な企画でございます。実はなんやかやこのブログではやっていなかった、いわゆる「廃競馬場」レポートの一環となりますね。
ここはちょっと珍しいケースではありますが、世界には、閉鎖された競馬場跡地が、そのスタンドがこんな風に使われるケースもあるんだなということで、お楽しみいただければ幸いでございます。
それではまいりましょう。シンガポール競馬おまけ編その2、旧ブキティマ競馬場、そして「ザ・グランドスタンド」散歩でございます...

さて。そんなわけで、旧ブキティマ競馬場、またの名を「ザ・グランドスタンド」に向かうことにしよう。ちなみに、先ほども申し上げたが、すでにザ・グランドスタンドは閉鎖になっており、周囲は再開発エリアとなっているので、今からのレポートはまだザ・グランドスタンドが営業していた2023年2月当時の光景ということでご了承いただきたい。
ちなみにザ・グランドスタンドが閉鎖した後、周辺は「Turf City」として再開発される予定とのことである。
こうやって書くと、多くの方は「そうか、もうこのスタンドはいずれ取り壊され、シンガポールに行っても見られなくなるんだな・・・」と残念に思われると思うが、どうぞご安心くだされ、実は各種報道によると、ザ・グランドスタンドで使われていた旧ブキティマ競馬場のスタンドは周辺の再開発後も保存がされる予定とのことである。ブキティマ競馬場跡地周辺は住宅と地下鉄新線の新駅ができる予定があるそうなんだが、競馬場スタンドは歴史的建造物として価値があると見做され、そういった新しいものができた後も残されるそうなので、再開発が落ち着いたらおそらくまた見に行けるようになるはずだ。っつーわけなので、全世界の競馬場オタクたちよ、どうか安心したまへ。
さて。では気を取り直して、レポート再開だ。
いましがた地下鉄の新駅ができると言ったが、それはまだ先の話。2023年当時にはこのMRTダウンタウン線(Downtown Line)のシックスアベニュー駅が旧ブキティマ競馬場の最寄り駅だったので、ここから徘徊をスタートすることにしよう。

さて、シックスアベニュー駅を出たら、B出口を出てそのまま西へ進む。B出口からザ・グランドスタンドまでは徒歩10分ほどなので、まあ暑いシンガポールにおいてもそんなに難儀する距離ではないぞ。

しばらく行くと、旧競馬場らしく、Turf Club Roadという通りが現れる。
この道を道なりに北方面に進むともうすぐ旧ブキティマ競馬場周辺ということになる。


少し進むと、早くもザ・グランドスタンドの看板が現れてくる。周辺もなんとなく「かつては厩舎エリアだったっぽいな」という趣がある感じで、もう競馬場はすぐそこという雰囲気が漂う。


さらに進むと、ザ・グランドスタンドが見えてきた。いや、なんか思ってた以上に競馬場のスタンド感アリアリやな。

はい。っつーわけで、旧ブキティマ競馬場、ザ・グランドスタンドにご到着である。うおお。やっぱり実際目の前にすると廃競馬場とは言え、テンション上がるな。


一応、スタンド脇に入口もあったのだが、いきなり入るよりもまずは外観を見たいなということで、右手の外側(走路側)の方から進んでみることに。

カフェのテラス席のようになっているところを抜けていく。繰り返しになるが、思ってる以上にスタンドをそのまま使っているな・・・。テナントが出ていった後もわざわざ残すくらいだから、あんまり変に外観をいじるなみたいな条件があるのかしら。

少し段差を上がるともう、そこは競馬場という感じ。

おお~。競馬がやってないのはわかっているのだが、これだけ完全な形でスタンドが残っていると、これは競馬場に来た感がハンパないな。うん。これは競馬場オタク的にはだいぶテンション上がるねえ。

旧ブキティマ競馬場はSouth Grand StandとNorth Grand Standに分かれている。写真手前の駅から来るときに見えたほうが1933年に建てられたSouth Grand Standで、奥が1981年に作られたNorth Grand Standである。当然のことながら歴史的に価値があるのは1933年に建てられたSouth Grand Stand。一見近代的なスタンドに見えるが、1933年から改築や修繕を重ねながらも、完全な建て替えはされていないということで、確かに、それは歴史的建造物として評価されて然るべきである。
日本だと旧根岸競馬場に現存する一等馬見所は1929年に竣工なので、この建物をなんやかや手を入れて使い続けてきたようなイメージになる。現役の競馬場だとどうしても建て替えをしないとやっていけなくなるので、歴史的な競馬場のスタンドはむしろ廃競馬場にこそ残りやすいという訳ですな。

そんなわけで、まずは歴史的建造物である South Grand Standの外観を見ていこう。
South Grand Standは外から見る限り、半地下の1階、2階席、上段観覧席の3層に見えるが、先ほどの写真のように横から見ると少なくとも4階建てはあるようだ。まあ階をまたがって観覧席が広がっている競馬場だとよくある感じである。


ぱっと見た感じ、上の方の観覧席は特に何にも使われていない感じである。建物内もわりと生々しい感じの物置きとして使われている雰囲気だ。

一方で2階は元々がテラスっぽい構造になっていたのか、レストランのテラス席として使われているような感じであった。

しかしまあ、歴史的建造物とはいえ、全体的なすすけ具合というか、外観だけ見ると、あまり大事に保存していこうという感じはあまりない。まあ、ショッピングモールなので、外観より中身の快適性が大事というのは十分にわかるのだが。再開発されたら、案外このへんも解消したりするのかもしれないな。

ここで旧走路の方に目を遣ると、よくわからないレンガ造りの遺構が。一体何があったんだろう。


ちなみに、走路はこんな感じでサッカー場と駐車場として使われている。再開発後もこのへんのスポーツ施設は残す方向で計画が進んでいるようなのでスタンドとともに旧走路も後世まである程度分かる形で残そうとしているのかな。
参考:https://blog.sgtrains.com/2024/05/crl-turf-city-q3-2024/

さて、それではひとしきり見たところで North Grand Stand の方に進んでいこう。

おお North Grand Standはさすがに1981年の建築だけあって、屋根もせり出していていかにも近代競馬のスタンドという感じだ。1981年もなんやかんやいうて45年前なのでこれはこれで価値ある感じなんだろうね。

North Grand StandとSouth Grand Standの間には何やら唐突な感じのコンクリートの塊のような建物がある。これはスタンドの反対側にもあるので、まあ、なんか機能的な何かというよりは、こんな感じの建築デザインを採用したということなんだろう。

っつーわけで、あらためてNorth Grand Standである。うむ。これはすげーちゃんとした競馬場のスタンドという感じ。なんとなく、私が愛してやまない、姫路競馬場のスタンドを彷彿とさせる高さと屋根のせり出し具合である。
っつー上の方の階で、だいぶ豪快にガーデニングやってるっぽいけど、あれ大丈夫なんか?もはやジャングルじゃねえか。

うーむ。それにしても、この屋根のせり出し具合はまさに姫路競馬場だ。いい。いいぞ。

あまりにフォルムがいいので、反対側からもパシャリ。先ほど言ったように右側にもさっきと同じようなコンクリの塔みたいな部分あるのがお分かりいただけるだろうか。

North Grand Standは半地下から2~3階部分までが低層部分になっている様子。すぐ壁になっているのだが、ちょっとあまりに観覧席が狭くて不自然な感じがするので、もともと奥の方まであった観覧席をつぶして壁で仕切ってしまったのかもしれないな。

一方で上の方は、いわゆる典型的な観覧席という感じで、それがわりとそのまま残っているような雰囲気だ。
最上部だけよく分からない格子状の枠があるなぞのボックスのようなものが設置されているが、古い写真を見ると、もともとあったような感じではないので、後付けでつけられたものだろう。何に使われているものかはよく分からない。


低層部の観覧席のあたりは今でも入っていくことが可能。鉄柵がいろいろあって、見た目ほど観覧スペースがない感じ。まあ、前の方だけ残されているんだとすると、まあこんなもんかという感じであはるが。

とまあ、そんなわけで、旧ブキティマ競馬場、ザ・グランドスタンドを見ているうちに、ずいぶんとレポートも長くなってしまったので、いったん区切って、次回後編で ザ・グランドスタンドの建物内を中心に見ていくことにいたしましょう。
シンガポール競馬おまけ編、次回でいったん最後となります・・・。
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