日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。
そこに競馬があるから > 名古屋競馬場 > 名古屋競馬場 その42 ~名古屋競馬場グルメをしのぶ 酒津屋~
名古屋競馬場の酒津屋
*名古屋競馬場レポートのつづきです。
初めからお読みになる方は名古屋競馬場レポートその1からどうぞ。
どうも。荷桁です。今回もどんこ競馬場(旧名古屋競馬場)の話をつづけてまいります。
前回のレポートにてどんこ競馬場のグルメについての思い出話をしましたが、今回からは個別のお店の詳細を見ていければと思います。その一発目として、まずご紹介するのは「酒津屋」さんであります。
酒津屋は名古屋ではちょっと名の知れた居酒屋で名古屋市内にちょいちょいお店がある。最近は東京の新橋にもお店を出しているようだ。もともとは1896年に名古屋市で創業した老舗の酒店「サカツコーポレーション」が直営する居酒屋チェーン的なお店なのだが、あまりチェーン店感を感じさせない大衆酒場・定食店として地元の酒飲みには人気のお店だ。そのうちの一店舗が、どんこ競馬場の特観席内にあり、特観席に入るとこの酒津屋のメニューを楽しむことができたのである。
どんこ競馬場はわりとしっかりしたメシを出す店が多かったのだが、酒津屋はその筆頭格。スタートを飾るのには持ってこい、ということで、まずは酒津屋の様子を振り返っていければと思いますので、お付き合いいただければ幸いです...
さて。っつーわけで特観席内食堂「酒津屋」である。
酒津屋があるのは特観席の最も奥のところ。特観席入場者以外は店内に立ち入ることすらできない構造だったが、以前のレポートでも申し上げた通り、どんこ競馬場は特観席の利用者がそれなりに多かったり、特観席に入ると酒津屋で使える食事券がついてきたりしたこともあって、利用者はそれなりにいた記憶がある。
店の構造は店内飲食ができるテーブルのゾーンに加え、特観席の自席でお酒やつまみを楽しみたいという人らに向けたカウンターとがあるハイブリッドなお店であった。もっともこうしたハイブリッド構造はレース場の食堂ではあるあるなのでそんなに特筆すべきものでもないのだが。まあでも、こうした特観席にあるちゃんとした食堂みたいなお店では珍しいかもしれないな。
この外向けのカウンターのほうは、ビールとつまみを買い求める人でレースの合間はけっこう賑わう傾向にあった。
ビールサーバからすぐに注がれるビールに加えて、おでんや揚げ物などのおつまみがサッと買えることもあって、どんこの特観席の快適性に一役買っていた感がある。
店内では居酒屋メニューもありつつ、定食など、ちゃんとした食事モノの方がメインという感じであった。上のメニューボードは2013年に撮影。競馬場の食堂らしく上に馬の頭が乗っているが、これは酒津屋の他の店でも見たこともあり、なんかこの店のカルチャー的なものと理解している。
こちらは2020年に撮影したメニュー。メニューは麺類、カレー、定食、丼もの、おつまみといい感じだ。栄地下の酒津屋はエビカツというメニューが人気なのだが、そういえば、ここにはなかったな。
2022年、移転直前に撮影した写真でも、そんなにメニューや値段も変わらずという感じであった。
テイクアウトカウンターの方のメニューも一応見ておこう。
基本的にはボードにあったものの中からゲソからや枝豆などのおつまみ系と、酒、さらにはコーヒーやお菓子系がテイクアウトできるようになっていた。
酒は生ビール、瓶ビール、レモンハイ、日本酒(白雪パルカップ)というラインナップ。店内にはハイボールもあったので、たぶん頼めば持ち帰りもできたはずだ。日本酒は名古屋ではおなじみの鬼ころしや國盛ではなく兵庫の小西酒造なんだな。これは酒屋の方の都合なのかもね。
よくよく見るとカレーの持ち帰りもやってるな。コロナ以降、自席で食事ができるように始めたのかな。
酒津屋のカウンターにはおでん鍋が置かれ、その下にはアイスクリームが売られているという不思議な状況だった。ビールも酒屋らしく、どぼんと冷水に浸かって売られていて、注文すると紙コップに入れてもらえる仕様になっていた。
ビールの上には帆タラであろうか、やっすいつまみや乾きものも置かれていた。ドーナッツやどら焼きもあって、なんか昔実家の近所にあったよく分からん食料品店の品揃えのような雰囲気を漂わせているな。団塊の世代より上の世代で甘いものが好きなオッサンのが特に好みそうなものという感じ。
表にはボードがあったが、店内に入ってすぐ左にはショーケースもあった。さすがは資本が入っているお店だけあって、食玩の完成度も高く、揚げ物系はかなり期待を持たせるような見た目になっている。ガッツリいきたい勢にはそそりますな。
さて。では酒津屋の店内に向かっていこう。入口では先ほどの馬がお出迎えだ。
酒津屋は食券制になっており、入ってすぐ右側のレジで注文をすることになる。
酒津屋では競馬場の売店には珍しくちゃんとレシートが出る。こうしたところも資本が入っている感じ。レシートには酒津屋「名古屋競馬場店」とあるので、あの酒津屋の支店というのがここでも分かる。
このレシートが食券として機能するのでちゃんともらっておこう。
酒津屋の店内は意外と広く、テーブル席が主体だ。
一応テレビも店内にはいくつかあるので、だいたいどの席からでもモニター観戦が可能である。
調理エリアの入口にある酒津屋ののれんはオリジナルのようで「酒津屋」の文字は同じ書体で他のお店ののれんでもみることができる。左のSというマークは他のお店や、本体のサカツコーポレーションでも見ないのだが、昔のロゴだったりしたのかしら。
ちなみに、酒津屋の壁には一風変わった張り紙があった。
実はこうした張り紙は他の酒津屋各店舗にも貼られているので気になった方は観察してみてくだされ。いろいろ従業員教育にも力を入れていたようですな。お呼びはベルスターでと言っておきながら、絵では思いっきり「オ~イ」と呼んでいるのは正直、どうしてほしいのか良く分からないな・・・。
ちなみにおもてなしと言っていいのかあれだが、かつての酒津屋では席でタバコが吸えて、こんな感じの懐かしい灰皿があった。この写真を撮ったのが2016年だが、さすがに、移転の前は店内喫煙はNGだっただろうな。
栄の酒津屋も前に行ったときはタバコが普通に吸えたが今はどうなってるんのかな(ちなみに荷桁は非喫煙者です)。
さて。店内の様子もひととおり見たので、いざ実食である。まずはハイボールで乾杯。
ここのハイボールはホワイトホースだったはずだが、グラスには富士山麓と書いてあるな。まあ、あまり気にしない方がよいだろう。
ここの名物と言えばこちらのカレーうどんである。石焼皿に入れられており、ただでさえ熱くてどうかしてしまいそうなカレーうどんが長時間高温で楽しめる商品だ。これに100円の串カツをドボンと入れても最高であった。
さらには味噌カツ定食。これも名古屋メシの定番ですな。
酒津屋の味噌カツは味噌だれをかけて出てくるスタイル。味噌汁も当然赤だしで、名古屋出身で今は故郷を離れている荷桁からすると「ああ、そうそうこういうのこういうの」と言いたくなる逸品であった。
さらにビールとどて煮でキメるのもここの定番であった。
名古屋のどて煮はいろんな流派があって、豚の臓物や豚バラ肉など使用している肉もいろいろなのだが、酒津屋のどて煮は牛すじを使用したどて煮。この牛すじを使用したどて煮も名古屋ではよくある商品で、酒津屋のほかの店舗でもこの牛すじどて煮を提供しているぞ。
さらにこの串カツもビールのつまみには欠かせない逸品だった。酒津屋では何もかかっていない状態で出てくるので、卓上のソースをかけるか、店員さんに味噌だれをお願いするというスタイルであった。
さて。最後はメシもので締めよう。こちらは当時のどんこ競馬場の酒津屋で一番高かった「天ぷらざるそば」である。見ての通り、まさに特観席の食堂にふさわしい、素晴らしい出来栄えである。
ちなみに天ぷらは酒津屋各店舗で提供されていて、天丼や天ぷら定食などもあるのだが、市中の酒津屋ではそばは提供されていないので、この天ぷらそばが食べられたのは酒津屋のなかでもここだけだった可能性がある。
天ぷらは衣ふわサク系。個人的にはザックザクの衣よりもこうした少しふにゃっとした衣が好きなのよね。
天つゆまでついて、ちゃんとしていたにもかかわらず、お値段は1450円。どんこ競馬場の特観席と同じく、特観席食堂と言えど、大衆的でいい店であった。名古屋資本の居酒屋チェーンの1店舗ということで、かなり地元の人間が食べているのに近い、リアルな名古屋メシを楽しむことができた店という見方もできるかもしれないな。市中の酒津屋も安くて朝から飲めて楽しいので、名古屋にお越しの際は是非どうぞ。
さて。そんなわけでまずは酒津屋でございました。次回以降もこんな感じでどんこ競馬場のグルメ各店舗をご紹介していければと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします・・・。
>>名古屋競馬場レポートその43へ
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