日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。
そこに競馬があるから > 名古屋競馬場 > 名古屋競馬場 その38 ~名古屋競馬場のパドックを振り返る~
名古屋競馬場のパドック
*名古屋競馬場レポートのつづきです。
初めからお読みになる方は名古屋競馬場レポートその1からどうぞ。
どうも。荷桁です。
今回もどんこ競馬場(旧名古屋競馬場)の話をしていきたいと思います。前回のレポートまではずーっとどんこ競馬場のスタンドについてあらためて見ていく、ということをしておりましたので、今回からしばらくはスタンドの外にあるものなんかを見ていければと思っております。
競馬場でスタンドの外にあるものと言えば、その代表格はパドック。というわけで、以前にもこのブログで取り上げたことがあるどんこ競馬場のパドックですが、その後に撮影した写真も用いつつ、あらためて、どんな雰囲気のパドックだったかを振り返るレポートをしていければと思います。
どんこ競馬場のパドックは名古屋弁が飛び交う、どんこ競馬のハイライトだ。「倉地んとこの馬はえらいチャカついとるがや」「あそこの馬はちょっとくらいチャカついとるくらいがええんだて」「まあそうは言っても本命は岡部だて」などと競馬エース・東海片手にワイワイやるのがどんこ競馬の楽しみ方。名古屋弁話者のあなたも、そうでない方も、現役時代のどんこのパドックにタイムスリップしていただいて、いろいろ思い出してみてくださいな。それではまいりましょう。どんこ競馬場のパドックでございます...
っつーわけでどんこのパドックだ。
まずはパドックに行かないと話も始まらんので、素直にパドックに向かうことにしよう。どんこ競馬場のパドックは東スタンドの裏手あたり、敷地で言うと太平通りと東海道の交わる交差点寄りのところにあった。
場所のせいもあって、グリーンホールや特観、金シャチプレミアムラウンジにいると、なかなか行き来しづらい距離感だが、特に有料席に入らず第1スタンドの1階や第2スタンドの1階で馬券を買っているという人にとっては、とりあえずレース前にパドックは見ておくか、という感じで、毎レースぞろぞろと足を運ぶ場所と言えた。
そんな訳でどんこのパドックにご到着である。
見ての通りわりとこぎれいで、中央競馬程の広さはないが、まあ、地方競馬としても狭くもなく大きくもなくというところである。「地方競馬は中央に比べると本当にショボくてさ~」みたいなことが言いたくて言いたくて仕方がないクソ素人学生(他意はなく一般名詞としてお考え下さい)なんかはこのパドックを見て、小さいだの貧相だの言うかもしれないが、実際のところ地方競馬でこのくらいの大きさがあって、なおかつ地面もラバーが張られているのであれば、まあ全く問題ないと言うか、とりたててツッコミを入れるようなパドックではないだろう。
どんこ競馬場のパドックはけっこう広々とラバーが張られて、真ん中に長方形な感じで、芝生と植え込みがあるという感じであった。よく他の地方競馬場だと、真ん中には植え込みや植物はなく、その競馬場のロゴマークがあったりするのだが、ここどんこではそういうことはなく、移転のその日まで真ん中には芝と植え込みを貫き通していた。
ちなみに、大きいレースになると、この植え込み部分にはややぞんざいな感じで優勝旗が飾られることでも知られていた。
そんなパドックの奥には騎手の待機所があった。どことなく第1スタンドにデザインを模した感じで、色合い的にもスタンドとの一貫性を持たせていて、いい感じだ。パドックのこういうところにはあんまりこだわっていない競馬場もけっこうありますからな。
外から見た感じ、1階が騎手の待機所、2階が馬体重の表示と、それをレースごとに交換する人の待機所みたいになっているようである。
どんこ競馬場のパドックでは馬体重とその増減は表示されるものの、騎手の名前とか、馬の名前とか、オッズとか、そういったものは表示されない仕様になっている。まあ、なんなら笠松なんかは何にもないので、馬体重が出るだけマシと言えばマシだが、全国各地の地方競馬場でパドック脇に電光掲示板が設置され、オッズなんかがリアルタイムで見られるのを考えると、よくこれを引っ張ったなというのはある。まあ、移転するからというのはもちろんあっただろうが。
ちなみに、以前のレポートでも申し上げたとおり、このパドックの建屋の脇には「ようこそ推理とロマンの名古屋競馬へ」の文字が。なんともレトロな書体がいい感じ。おそらくこのパドックのすぐ外側には駐車場があるのでそこの利用者の目につくようにということで書いてあるのだと思われるが、電車やバスで来ている人の中にはその存在に気が付いていなかった人も多かったかもしれない。
どんこ競馬場のパドックには一応屋根がついている。もっともスタンド寄りの一部だけであるが、この屋根のがあることでスタンド=パドック=食堂棟の間を一応濡れずに行き来できるようになっている。
ちなみにこの屋根の横には、意味不明の看板が設置されている。なんなんこれ?
馬頭観音こちらみたいなことだったのかな(実際矢印の先に馬頭観音はあったので)。
雨の日だけでなく、夏の暑い時期はこの屋根があるとないとで随分違ったな、という記憶がある。
ちなみに、屋根の下のこのへんにはサブイチはじめ、予想屋の面々が多く、常連と共にワイワイしゃべっていたのが思い出深い。
まあ、しかし思い出してみても、夏場のどんこ競馬のパドックは暑かった。見ている我々でさえ暑くてへばりそうだったのに、ミストなんかもない時代だから、馬を曳いている厩務員さんなどは本当に暑かっただろうな・・・。
周回の合間には関係者のちょっとした一面も垣間見ることができた。騎手の待機所には随分古い型の冷蔵庫があったり、ヘルメットにつける頭巾が干してあったりと、牧歌的な雰囲気である。
騎乗の時間が近づくと、名古屋の元トップ騎手で現調教師の安部幸夫師が、どこからともなく出てきて、自厩舎の馬の騎乗の準備をしているのも印象的であった。調教師になってからも自厩舎の馬が出走する時にはほぼ毎回出てきていたので、生真面目だなあと思って見ていたものである。
騎乗の時間になると、ジョッキーは先ほどの建屋の前で整列となる。
最近は一礼してパドック周回するのをカットする騎手も多いのだが、どんこ競馬場は比較的そのへんはちゃんとしていたやに思う。
一礼から騎乗するまでの、ジョッキー同士のやりとりや雰囲気、表情などは、現地でしか分からない風景である。
どんこの騎手はそんなに殺伐とした雰囲気はなく、見ているこちらものんびり眺めることができた。
特に、女性の宮下騎手、木之前騎手がいたこともあり、パドックの雰囲気は総じて良かったと思う。ホントはあまりよくないんだろうが「あおいちゃんガンバッテ~」みたいな声援もちょいちょい見受けられた。
全然関係ないが「ガンバッテ」と片仮名にするだけで、急に80年代臭くなるの謎だな。もはや死語である「ガンバ~」を想起させるからだろうか。
すぐ外には幹線道路が無数に走り、場内もガヤガヤしているはずの競馬場だが、競馬エーストラックマンによる気怠いパドック解説が終わって、騎手が騎乗しての周回が始まるわずかな時間だけ、パドックが一瞬静寂に包まれるのが良かったのう。
もっとも馬券を検討している私もこの瞬間は「さあ、パドック周回は一通り見たが・・・さっぱりわからん・・・」という心理状態であることが多いので、余計にシーンとしてしまうというのはあったかもしれないが・・・。
そんな状況で、馬たちは本馬場へ向かっていく。先頭の馬が本馬場に差し掛かるあたりで、どんこの本馬場入場曲であるゴールドマンバンドの"On the Campus"が高らかに鳴り響き、そこからスッペの”軽騎兵”に追い立てられて、締め切りのベルが鳴るまでが我々の戦いであった。
ここから先は音楽と共に、あなたの中にあるどんこの景色を思い出していただければ幸甚である。
さて。そんな訳でどんこ競馬場のパドックでございました。
まあ今思い返してみると、地味ながらもなかなか味のあるパドックで、なんというか色んな景色が思い出されるなあという感じがします。
次回も名古屋競馬場のスタンドの外をウロウロしていきますので、引き続き何卒よろしくお願いいたします・・・。
>>名古屋競馬場レポートその39へ
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