中京競馬場 その1 ~やっとこさ中京競馬場~ そこに競馬があるから 忍者ブログ
日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。

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中京競馬場のスタンド裏手の様子
中京競馬場 スタンド裏手


 どうも。荷桁です。


 8月もお盆休みの折、皆様いかがお過ごしでしょうか?


 さて、タイトルにもありますように、今回からはJRAの中京競馬場をご紹介してまいります。タイトルに「やっとこさ」などと書きましたが、その意味合いとしては、荷桁が初めて中京競馬場に行ってから、もう10年近く経っており、レポートにまとめるのがこのタイミングになってしまったと言うのがやっとこさという個人的な感慨かつ反省の念でございます。



 まあまあ、そんな言い訳めいた話はそこそこにしながら、さっそく中京競馬場のご紹介をしてまいりましょう...



 さて、いきなりだが中京競馬場の地図を用意させていただいた。



 上記の地図を拡大したり縮小してみたりして各々位置関係は把握していただきたいのだが、中京競馬場は愛知県の豊明市というところにある競馬場だ。



 豊明市と聞いても、競馬ファンの方は「ああ、そういえば中京で豊明特別なんてレースがあったかもなあ」くらいの印象かもしれない。実際のところ、その程度の印象しかない町というのはあながちイメージとしては間違っておらず、愛知県出身の荷桁にとっても豊明市という場所はあまりこれと言ったインパクトがない印象だ。名古屋市に隣接したのんびりしたベッドタウンだと思っていただいておけば問題ないだろう。



 ちなみに愛知県には豊橋市、豊川市、豊田市、などやたら豊という字がつく自治体が多いが、その中でも豊明市は一番影が薄い存在だし、場所的にも由来的にも何ら関係がないということを付け加えておこう。とまあ、こんな調子で豊明市をディスる荷桁も愛知県の知多市というこれまたパッとしないベッドタウンの出身のため、まったく豊明のことをバカにできない立場であることも併せて付け加えておこう。豊明の皆さん、スンマセン。



 ちなみに、競馬ファン的には調教師の小崎憲師が豊明市の出身ということは覚えておいてもいいかもしれない。



 しかしあらためて地図を眺めていただくと、豊明市とは言いながらも、中京競馬場の敷地はほとんど名古屋市に接しているので、もしかしたら豊明市民の方もあまり中京競馬場が地元にあるという意識は希薄かもしれない。



 むしろ、中京競馬場周辺を指す地名のイメージとして、競馬をやらない人を含めた地元の人間が思い浮かびやすいのは有松とか桶狭間といった地名かもしれない。



 有松というのは中京競馬場から少し名古屋に寄ったところにある旧東海道の宿場町である。全国的な知名度はイマイチだが有松絞りなんていう名産品があったり、今でも昔の町屋が残っていたりする町だ。競馬場からもさほど遠くないので、そういうのが好きな方は競馬場訪問のついでに立ち寄ってみるのもいいだろう。




桶狭間古戦場マップ



 桶狭間というのは、これまた歴史好きの方にしかピンとこない地名だが中京競馬場よりやや南の、豊明市~名古屋市緑区あたりをざっくり示す地名だ。名古屋市緑区には桶狭間という名前がついたちゃんとした区画もあるのだが、地元民はもう少しゆるく「あのへん」を指す言葉として使うことが多い。かつて戦国時代に織田信長が今川義元を下した「桶狭間の合戦」で有名である。現在は宅地化が進んでいるが、小高い丘や山の残る地形は合戦の様子を思わせていい感じだ。このあたりは司馬遼太郎の街道をゆくシリーズの「濃尾参州記」を読むと比較的楽しく知ることができるので、これまた興味がある方は読んでみていただきたい。



 中京競馬場の駅前には上の写真のような観光ガイドもあるので、競馬の前後に少し見てみたいという方は行ってみるとよいだろう。



 地元だからかやけに饒舌になっているが、話を進めていこう。




中京競馬場から見下ろす名古屋市緑区




 さきほど、桶狭間の話も出たが、中京競馬場自体もなだらかな丘陵地帯に位置している。写真は中京競馬場スタンドから北西を見下ろしたところだが、ご覧のとおり、ゆるゆるとした丘陵地帯にマンションと住宅が立ち並ぶ、いかにもなベッドタウンだ。



 かつて、名古屋競馬場を紹介した際にも書いたが、名古屋という街は基本的に製造業従事者が多い街であり、特に中川区・港区・南区・中村区・西区などの西部エリアはその割合が高く、名古屋競馬場や名古屋競輪場などのバクチ施設があっても非常に街に溶け込んでおり不自然ではない。



 一方で中京競馬場にほど近い緑区は旧東海道や大高エリアを除けば戦後に宅地開発された比較的新しいエリアでホワイトカラーも多い。こんなところにひょっこりとある中京競馬場はやや違和感ありかもしれないが、これはどちらかと言うと、先に競馬場があって、そのあとに開発がついてきたというイメージになる。





中京競馬場の1コーナー



 ここいらで、中京競馬場のざっくりとした歴史についても触れておこう。写真は何の脈絡もないカットだ。



 中京競馬場は1953年に当地で開催が始まった競馬場だ。



 戦後、日本中に競馬場がポコポコと出てきていたころ、ここ愛知県にも国営競馬(いまの中央競馬)を誘致せねばという声が高まって来た中で、当地に中京競馬場が設立された。



 過去に図書館で史料を読んだ時のうろ覚えで申し訳ないが(コピーとっときゃよかったなあ)、確か豊明の地主さんが働きかけたことや、旅客輸送を見込んだ名鉄のバックアップなんかでこの地になったんだと思う。



 用地整備やスタンド建設などは国が行わずに、地元自治体・企業が出資した会社「名古屋競馬株式会社」が行った。そうした経緯もあって、現在、中京競馬場は中央の場では唯一、土地やスタンドの多くがJRAの所有ではない競馬場になっている。これ豆知識ね。



名古屋競馬株式会社の本社屋
中京競馬場近くにある、名古屋競馬株式会社本社屋



 ちなみに、名古屋競馬株式会社は隠れた優良企業のひとつ。現在も中京競馬場の賃貸収入や有料駐車場の収入などでかなりウマウマしているのだ。メイケイの冠名で知られる競走馬のオーナーとしても知られている。



 尚、地方競馬の名古屋競馬場と名古屋競馬株式会社はまったく関係がないのでご注意をいただきたい。ただし、ややこしいのだが、名古屋競馬場を運営する愛知県競馬組合はこの中京競馬場で競馬開催(いわゆる地方競馬)を行っていたことがあるので、一概にまるで関係がないというわけでもないのだ。




 実は中京競馬場が開業するにあたって、愛知県競馬組合が岡崎競馬場というところでやっていた地方競馬を中京に移転するということを同時に行っていたのである。



 戦前から競馬が開催されていた岡崎競馬場だったが、交通の便が悪く、かつ施設が貧弱というハード面のほか、かつ当時の競輪ブームに押されて苦しかったということもあり、1953年より愛知県営競馬の岡崎開催分がここに場所を移して行われることになったのである。当初は売り上げが苦しかったものの、その後は開催日数が少ない中央競馬を凌ぐ勢いで売り上げを上げたこともあったとのこと。




 荷桁はリアルタイムでは見たことがないが、2002年までは地方競馬としての中京開催というものが存在していたのである。賃料の問題からか現在では行われていないものの、愛知県競馬組合も一応中京での開催権は所持し続けているので、ある日、急に「中京でJBCクラシックやりまあす!」なんてことが起きるかもしれない。まあ、まずありえんが。



中京競馬場の地方場外発売



 一応、現在も名古屋競馬と笠松競馬の開催日を中心に、中京競馬場にて地方競馬の場外発売が行われている。




中京競馬場の地方競馬発売の様子



 中京競馬場における地方競馬の場外発売は基本的に、西入場門の下のこじんまりしたスペースで行われている。JRAの平日払い戻しのサービスと同じ場所なので覚えておくとよいだろう。



 見ての通りの鉄火場なので、やや玄人向けの空間ではあるが・・・。
 



 ともかく、くどくどと述べたが、まとめると、中京競馬場は国営競馬を東海エリアに誘致するにあたって、名古屋競馬株式会社によって建設され、そこでは中央競馬と地方競馬が行われていたが、いまは地方競馬は開催されておらず、東海エリア唯一の中央競馬の場として存在しているよ、とそういうことなのであります。

 

 さてさて、話はあっちゃこっちゃに飛んだものの、一応、中京競馬場の概要は上記のとおりだ。



 今回は文字ばかりのレポートになってしまったが、次回以降はなるべくビジュアル的に中京競馬場を紹介していきたいと思います。



 と、いうわけで、ひっそりと中京競馬場レポートがスタート。次回以降も是非ご覧ください・・・。





 


>>中京競馬場レポートその2へ





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