日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。
そこに競馬があるから > ロイヤルターフクラブ競馬場 > ロイヤルターフクラブ競馬場 その9 ~ゲートインからゴールまで~
ロイヤルターフクラブ競馬場の直線走路 オヤジたちが叫ぶわ叫ぶわ
*ロイヤルターフクラブ競馬場レポートの続編です。
初めからお読みになる方はロイヤルターフクラブ競馬場レポートその1からどうぞ。
どうも。荷桁です。今回もロイヤルターフクラブ競馬場(ナンルーン競馬場)レポートのつづきでございます。
さて、前回のレポートではこの競馬場でレースが行われる一連の流れを見ておきましょう、ということで、装鞍所から日本ではあまり見かけない、スタンド前のコースをパドック的に活用するというところまでを見てまいりました。今回のレポートではタイトルにありますとおり、パドック周回(前述のとおり厳密にはパドックではないのだが、便宜上勘弁してほしい)を終えて、各馬がゲートインし、レースに至るまでの流れを見てまいりたいと思います。
前回のレポートでも述べた通り、ざっくりした流れは日本や欧米などで行われる一般的な競馬とさほど変わらないのですが、細かいところがタイ競馬に独特だったりするので、そのあたりの違いを楽しんでいただければ幸甚でございます。
ってなわけでまいりましょう。バンコクはロイヤルターフクラブ競馬場のレースまでの流れでございます...
さて。パドックをゆるゆると周回した馬たちはスタート時間が近づくと、バラバラとスタート地点に向かっていく。馬番順に整列して行ったり、特に勢いよく返し馬的なことをするわけでもなく、思い思いのタイミングでダラダラと歩いて行く感じだ。厩務員さんが手綱を持ったままスタート地点に向かう馬も多い。
ベトナムのフートー競馬場でも返し馬がなかったが、猛暑の国で馬の力もビミョー(ロイヤルターフクラブ競馬場の走破タイムは日本の地方競馬よりもだいぶ遅い)だと、返し馬などをやる方が逆効果、みたいな知見が彼らにはあるのかもしれないな。
ロイヤルターフクラブ競馬場のレースは1000~1200mがほとんどなので、基本的に各馬は2コーナー付近を目指して歩いていくことになる。
そして、ゲートにつくと、締め切りまでまだまだ時間があるにも関わらず、早々にゲートインしていく。皆さんご存知の通り、日本では締め切り後に各馬ゲートインをしてスタートとなるし、他の外国でも発走と共に馬券販売締め切りという国はあるが、発走予定時刻のはるか前にゲートインだけ済ませてしまい、その後10分も15分も各馬ゲートの中で待機という国は荷桁が訪問した国の中ではタイだけである。気性が激しい馬はしんどいやろうねコレ。
見てのとおり、各馬ゲートインが整いまくっているにも関わらず、まだコースには色とりどりの旗つきロープが張られていて、出走する気配は微塵もない。
この時、スタンドの方はどうなっているかと言うと、これまた「締め切りまではまだまだだ」という雰囲気で窓口に行列さえできていないケースが多い。まだまだタイ競馬オヤジたちは単複オッズの変動を見ながらやいのやいの買い目を検討している段階なのである。
んでゲートインが終わって10分ほどすると何やらオッサンが出てきて旗つきのロープを回収し始める。おお!ようやくスタートか!!と思われるがここからがまだ長い。スタンドの馬券オヤジたちも「まだまだ」という感じで、競馬新聞とオッズ画面をにらめっこしている。この間、場内放送では実況の男らしき人物が何やらブツブツとしゃべっている。「現在の一番人気は○○」などのリアルタイムなオッズ情報を話しているのか「お買い漏れのないようご注意ください」的なことを言っているのか、まったく分からないが、まあよく分からないタイ語をBGMにドヤドヤした競馬場をウロつくのもオツなもんなのであまり深く気にせんでもよいでしょう。
旗つきロープの回収からさらに5分くらい経つと、左下に何やらデジタルの数字が表示される。どうやらレース時のタイム表示のようで「00:00:00」から動かない。発走までの残り時間かと思いきや、そうではないのだ。発走はしないのに発走前からレースのタイム計測の準備は万端にしておくという、気合の入れどころがよく分からない感じになってきている。
さすがにこのデジタル数字の表示がなされると、バンコク競馬オヤジたち的にも締め切りが近いというサインになるようで、発売窓口にワラワラと人が群がり始める。ここからさらにオッズが動くので買っていた馬券のオッズがみるみる下がってしまったり中穴くらいだと思っていた馬がシンガリ人気になってしまったなんてことも日常茶飯事だ。
そして、デジタル数字の表示からまた5分くらい経ったタイミングで、例によって場内実況が、唐突に、
「マーォ!ラーォ!アラレー!」
と叫びだす。そうなるといつの間にか各馬が一斉にスタートしている。現地の競馬オヤジたちにもこのタイミングは読みづらいようで、窓口で馬券を買いそびれたオヤジがガッカリしていたり、スタンド内部にいたオッサンたちがどやどやとスタンドの外に出てきたりする。馬券を買い終えて発走時刻までおとなしく待っている日本人的な人もおらんこともないが、いずれにせよ現地人にとっても正確な発走時間はよく分からないものらしい。
ちなみに、後のレポートでも詳しくやるが、この日のロイヤルターフクラブ競馬場は、1レースが競馬新聞にあった発走予定時刻より6分前に発走し、2レースは2分前に発走、そして3レースは2分遅れで発走し、その後4レース以降は発走予定時刻という概念がどこかに行ってしまったかの如く豪快に遅れて発走していったという流れであった。もうよく分かりまへんがなという感じだがそのあたりもタイ競馬のカルチャーということで勘弁してやってほしい。
その後のレースは、まあどこにでもあるフツーの競馬だ。敢えてタイに独特のカルチャーを挙げれば、以前のレポートでも述べた通り、オヤジたちの歓声がゴール前に大学のサークルの飲み会のコールみたいになるという程度である。
そんな流れでレースを終えた騎手たちは、またホームストレッチに戻ってくる。そう。本馬場入場したところと同じところからまた出ていくので、各馬は必ず観客席の前を通らないといけないのだ。
ジョッキーたちはビジョンで再生されるスローVTRなんかを見ながら戻ってくる。
戻ってきたら、厩務員連中がワラワラとお出迎えだ。競馬場自体はものすごい鉄火場なのだが、何か知らんけど競馬関係者には殺伐とした感じはなく、ワイワイ言いながらのんびり引き上げてくる。
そして例によって引き上げてくる馬の横を通って次のレースに出走する馬が本馬場入場をしていき、パドック周回へと入っていく。この流れを繰り返していくのだ。
ちなみに口取り写真はVIPエリアの前あたりの芝コースで行われていた。いわゆるウイナーズサークルのようなものはなかったような気がする。大きなレースによっては違うのかもしれないが、平時のときはこんな感じであったということで。
ちなみにレース後は芝コースを整備する人らが出てくる。このあたりは所変わってもだいたい同じような感じですな。
さて。そんな訳で2回に渡ってロイヤルターフクラブ競馬場のレースの流れを見てまいりました。申し上げたとおり、大きな流れは日本と同じなのですが、パドック代わりにコースを周回したり、ゲートインが異様に早かったりともろもろ違いがあって興味深いもんですな。
次回以降のレポートでもそんなロイヤルターフクラブ競馬場の様子をたっぷりご紹介してまいりますので、よろしくお付き合いください。
>>ロイヤルターフクラブ競馬場その10へ
*この競馬場が好きな方はこちらの競馬場もお好きだと思われます。
ロイヤルバンコクスポーツクラブ競馬場 その1 ~再びバンコクへ~
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*ロイヤルターフクラブ競馬場に関する記事は以下にもあります。
ロイヤルターフクラブ競馬場 その1 ~タイからのニュース~
ロイヤルターフクラブ競馬場 その2 ~バンコクという街~
ロイヤルターフクラブ競馬場 その3 ~行くまでの攻防~
ロイヤルターフクラブ競馬場 その4 ~「タイ人」の競馬場~
ロイヤルターフクラブ競馬場 その5 ~いざ競馬場内へ~
ロイヤルターフクラブ競馬場 その6 ~いきなりの締め切り前発走~
ロイヤルターフクラブ競馬場 その7 ~スタンドの全体像を把握せよ~
ロイヤルターフクラブ競馬場 その8 ~装鞍所からの本馬場入場~
ロイヤルターフクラブ競馬場 その9 ~ゲートインからゴールまで~
ロイヤルターフクラブ競馬場 その10 ~馬券の買い方と種類~
ロイヤルターフクラブ競馬場 その11 ~競馬新聞と予想~
ロイヤルターフクラブ競馬場 その12 ~意外に立派な芝コース~
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競馬場巡りに魅せられてしまった筆者、荷桁勇矢(にげた ゆうや)が、日本の競馬場、海外の競馬場を訪れながらその様子をご紹介して行くブログです。
紹介している競馬場の情報は訪問当時のものですので、競馬場に行かれる際は最新の情報をご確認のうえ、自己責任で行っていただきますようお願いいたします。
またこのサイトの写真や文章は基本的に無断で使用されると困るのですが、もしどうしてもという方は荷桁までご連絡ください。そのほかご指摘やご質問がある方も荷桁まで直接ご連絡ください。コメント欄は管理が面倒そうなので当分オープンにはしないつもりです。悪しからず。
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