ロイヤルターフクラブ競馬場 その20 ~敗走への軌跡~ そこに競馬があるから 忍者ブログ
日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。

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ロイヤルターフクラブ競馬場の直線
ロイヤルターフクラブ競馬場 直線の攻防は観客の熱量がすごい



*ロイヤルターフクラブ競馬場レポートの続編です。
初めからお読みになる方はロイヤルターフクラブ競馬場レポートその1からどうぞ。






 さて。とうとう20本目のロイヤルターフクラブ競馬場(ナンルーン競馬場)レポートとなりました。



 ここまでひととおり、競馬場の中を見てまいりましたが、肝心な話をまだしておりません。そう、今回の訪問での馬券が当たったのか?そして収支はどうだったのか?という話をまだしていないのであります。もう、最初に結論から申し上げますが、荷桁は今回の訪問で多大なエネルギーと予算をかけてタイまで行ってロイヤルターフクラブ競馬場まで赴いたにもかかわらず、収支はマイナスどころか1レースもかすらず全敗という大変情けない形で敗走することになったのでございます・・・。



 行ってみるまでは「どうせ地方競馬みたいなもんだろう」と大した予習もせずに高をくくっていたのですが、いざ取り組んでみると思いのほか難易度が高く(今思えば単に自滅していたのだが難易度が高かったということにしてくだされ)残念な結果になってしまってのです。このレポートでは荷桁がタイ競馬でタコ負けした様子をレポートしてまいりますので、今後タイ競馬に行かれる皆さまは同じ轍を踏まぬよう参考にしていただければと思います...


タイの競馬場の競馬新聞



 これまで申し上げている通り、今回の訪問は荷桁にとって人生初のタイ競馬であった。当然、出発前にいろいろと予習してから行くこともできた訳だが、完全にタイ競馬をなめていた荷桁は当日競馬場でテキトーに買えばいいだろうと思い、大した予習をしなかった。これがそもそものミスであった。堅いレースが多いのか、荒れやすいのかなど、ざっくりしたレース傾向だけでも知っておけば随分と違ったことと思う。



 そして当日は写真のとおり、競馬場の門の前で購入した英語版の競馬新聞で予想をした。その選択自体は間違っていなかったとは思うのだが、日本の競馬と違って予想のファクターが少ないため、何の指標で予想をしていくか、というところは自分で決め打ちしなければならない。この日はそこを誤ってしまったのである・・・。




タイの競馬場の競馬新聞



 競馬新聞で各馬の近走成績を見てみると、レースの距離は毎回1200mでほぼ同じだし、競馬場もここロイヤルターフクラブ競馬場とバンコクのもうひとつの競馬場であるロイヤルバンコクスポーツクラブ競馬場の2か所のみ。あとはレースクラスと走破タイム、通過順位、ハンデなどが書かれているが、見慣れていない荷桁にとってはあまりピンと来る指標がない。同じ距離を似たようなメンバーでハンデ重量を変えて番組を作っているということは、日本の地方競馬よろしく走破時計から予想しておけばそうそうおかしなことにはならないだろうということで時計とハンデキャップをもとに予想を組み立てていくことにしたのである。




ロイヤルターフクラブ競馬場のオッズ



 
 さて、そんな訳で1レースは締め切りより早くスタートしてしまった関係で買えなかったので(締め切り前発走の様子はこちらをご参照くだされ)、2レースから参戦することになったのだが、2レースのオッズはこんな感じであった。とりあえず1番人気の9が抜けているのでそいつを軸に人気の馬に流して買ってみることにした。配当は安いだろうが、とりあえず当てることが大事だからということで敢えて人気サイドでまとめてみたのである。何となく日本の地方競馬みたいなもんだとすれば1番人気は堅いだろうと安易に考えたのだ・・・。




ロイヤルターフクラブ競馬場2レース



 ところが、1番人気の9番はスタートから後手を踏んでしまい終始追い通しで結局後方侭で9着に敗退。人気していた2番、6番、7番もまったく馬券に絡まずに敗退した。おいおい大荒れじゃねえかよ。どないなっとんねん。



 突き抜けて勝ったのは5番の馬。実はこの5番の馬、先ほどのオッズでは単勝13倍の7番人気だったにも関わらず、締め切り後の払い戻しの配当はなんと単勝7.5倍の5番人気。どうやらレース直前に単勝がガッツリ買われたようなのである。タイの競馬は八百長が横行しているという噂は聞いていたが、いきなり疑心暗鬼になってしまう結果となってしまった。



 そんなにレベルが高くない競馬だろうからどうせ人気サイドで決着するだろうと踏んで、ひとまずオッズ通りに人気馬から流すもいきなり全くかすらずという結果に見舞われた荷桁。このままオッズどおりに買うスタイルを続けてもよいのだが、今のレースを見るに、そんなにガチガチにはならなさそうだし、また締め切り直前に不自然な投票があったりする可能性もありそうだ。ここで荷桁は、こうなったら小細工なしで馬柱を見て自分が来ると思った馬を買うのが精神衛生上もよいだろうと考えたのである。



 ひとまず1番人気から流す作戦はやめて、戦績や走破時計、ハンデ等を見て、割と力がありそうなのに人気薄の馬を狙うことにした。実は普段荷桁は日本の中央競馬をやるときは人気薄の馬を軸に買っているため、そのスタイルをタイでも貫いてしまったのである。今思えば、全然違う環境にも関わらず自分のスタイルが通用すると思っているあたりで、既に勝負ありという感がありますなあ・・・。そんな流れで、3レースは単勝18.9倍の7番人気である12番の馬を軸からこれまた過去の戦績的に信頼できそうな人気馬に馬連を流す馬券で勝負することにした。




ロイヤルターフクラブ競馬場3レース



 するとやはりというか何というか、12番はまったく冴えずに10着に敗退。馬連は1番人気→2番人気で決着するというガチガチ配当となったのである。先ほどの人気馬から流すというスタイルを貫いていればガミになった可能性はあるがとりあえず的中はあった。う~む実に流れが悪いぞ・・・。



 ちなみに3レースは13時35分の発走予定であったが2分遅れの13時37分に発走した。このレースを境に、ロイヤルターフクラブ競馬場のレースはどんどん発走時刻が遅れていったということも付け加えておこう・・・。




ロイヤルターフクラブ競馬場の4レース



 4レースになると、何やら雲行きが怪しくなってきた。そう。バンコクの暑季名物スコールが近づいてきたのである。




ロイヤルターフクラブ競馬場の4レース馬券



 とりあえず、4レースはぐりぐりの人気馬である2番と、戦績とハンデからよさそうだった7番の馬連で勝負してみることにした。人気馬を信頼するという部分と自分的にいいと思った馬を買うという部分の両方の折衷案である。




ロイヤルターフクラブ競馬場4レースのオッズ



 ところが、レースが近づいてくると、荷桁がいいと思った7番の馬の人気がガンガン下がって行ってシンガリ人気になってしまったのである。ええ~どういうこと?と思ってももう後の祭りだ。荷桁がいいと思った馬をバンコクの競馬オヤジはまったくいいと思わなかったのである。




スコールの中で行われたタイの競馬



 そして言うてる間にいかにもスコールという感じの大雨が降ってきた。それでもレースは敢行される。14時10分発走予定のレースが8分遅れとなったものの4レーススタートだ。ちなみに、以前のレポートで触れた異様に早いゲートインはスコールだろうが関係なく行われ、可哀想に4レースの出走馬と騎手はスタートまで20分近くゲートの中で雨に打たれながら待機していたということも付け加えておこう。




スコールの中で行われたタイの競馬


スコールの中で行われたタイの競馬



 そしてある意味予想通りというか何というか、1番人気の2番は来るも荷桁のイチオシ7番はまったく伸びてこない。結局3レース連続のハズレとなった。



 そしてそれ以上に戸惑ったのが4レースの走破時計である。3レースの勝ち時計が1200mで1分13秒44だったのにも関わらず、4レースは1分17秒26。スコールの影響で一気に4秒近くも遅くなったのである!



 こうなってしまったら、これまで予想の軸に据えていた走破時計とハンデキャップという指標で走りそうな馬をピックアップする方法よりも、時計がかかる重馬場が得意という馬を選ばなくてはなるまい。しかし、タイの競馬新聞には重馬場適性なんて指標は書いていないし、当然のことながら重馬場成績一覧もない。どないせいと言うのじゃ・・・。




Royal Turf Club of Thailand



 4レース終了後、すぐに雨は止んだが、当然馬場は回復しない。再び日が差すとさきほどのスコールが蒸発してものすごい湿気だ。競馬場の不快指数が高まると同時に、馬券不的中による個人的な不快指数も上がってきてしまい、このあたりからの馬券は完全に迷走をしていくことになる。




ロイヤルターフクラブ競馬場の重馬場レース



 5レース。14時45分発走予定だが、発走は15時08分。20分強の遅れだ。もはや天候も回復して遅れる要素はないのだが先ほどのスコール時よりも大幅に遅れての発走となった。




ロイヤルターフクラブ競馬場の重馬場レース



 このレースでは馬場も荒れたし、波乱があるのでは・・・?と中穴の6番の単勝を狙ってみたのだが、これまた見事に外れてしまう。しかも勝った時点では10倍程度つけていたのだが、締め切り直前にみるみるオッズが下がり6倍程度になってしまった挙句に外れたというおまけつきである。ちなみにこのレースではぐりぐりの単勝1.5倍の1番人気だった馬も5着に沈み、2着には単勝40倍超の人気薄が突っ込んでくる波乱となった。



 5レースやった時点でこの競馬場の傾向はつかめないわ、走破時計から予想するスタイルは崩壊するわ、オッズはむちゃくちゃだわで、もはや完全に荷桁の頭は混乱してしまったのである・・・。競馬ファンならこの気持ち分かるでしょ・・・?




重馬場のロイヤルターフクラブ競馬場



 6レース。このレースは発走予定時刻が15時20分だったのだが、発走は15時43分。またも20分ちょいの遅れである。



 このレースの時点で荷桁は「ああ、もうこれは今日はボーズかもしれないな・・・」という雰囲気を察して、気分的には撤退モードに入っていた。すなわち、取り返そうとせず、テキトーな馬券を買ってお茶を濁して負債を増やし過ぎないように打ちまわして撤退しようというところに防衛ラインを下げたのである。予習をサボったツケが回ってきたということをようやく自覚したのだ。しかし悲しいかな、もはや手の施しようのない状態である。




重馬場のロイヤルターフクラブ競馬場の直線


泥だらけの騎手たち




 結局このレースも狙った人気薄の4番の複勝が箸にも棒にも掛からぬ状態で撃沈。戻ってくる騎手に「もっと前に行かなあかんて~!」と叫ぶも当然のことながら日本語を解さないため完全に無視されてしまった・・・。



 この時点で気分的には無条件降伏という感じで、完全に馬券で勝つぞという意欲が削がれてしまったのである・・・。




Royal Turf Club of Thailand



 もはやヤケの荷桁は次の7レースは名前だけで「TOKYO GIRL」という名前の馬を買ってみた。しかしこの馬、何故か人気をしていて、単勝は10倍ちょっとと穴人気をしていた。名前で買ってみたら案外好走して複勝ゲット~、なんてことにならないかしらとちょっと期待をしてみる。



 ちなみに7レースは15時55分の発走予定だったが16時20分に発走。やはり20分強の遅れは続いているようである。どこかで後れを取り返したりしようという気にならないのかしらねタイ人っつーのは。




ロイヤルターフクラブ競馬場の4コーナー


ロイヤルターフクラブ競馬場の4コーナー


タイの競馬場で4角をまわて直線に入る各馬


タイの競馬場の直線走路



 だが、もはやお約束のようにTOKYO GIRLは飛ぶ。5番人気だったのにもかかわらずケツから3頭目の12着だというから、もはや荷桁が疫病神と言ってしまってよいかもしれない・・・。この日は徹底的にタイの競馬の神様に見放されてしまったようだ。午前中にワットポーやワットアルンで一生懸命お参りしたのだが、やり方が悪かったのかのう・・・。トホホ・・・。





晴天が回復したロイヤルターフクラブ競馬場の直線



 その後、競馬場は晴天を回復したが、レースは順調に遅れ最終的には30分ほど遅れて発走するレースが続いた。荷桁は馬券を購入する意欲さえ薄れ、8レースで負けを確定させその後は見をしていたという有様であった。



 とりあえず今回の反省点は、インターネットで直近の成績やレース映像、騎手リーディングなどの情報が取れたにも関わらず予習をしていなかったため、行き当たりばったりの買い方になってしまい、完全にタイ競馬に翻弄されてしまったという点に尽きる。今後タイ競馬に行くときにはしっかりと予習をした上でのぞみたいと心に誓った次第だ。実は、その後、しっかりと予習をしてタイ競馬に臨んでみたのだが・・・その結果はまたの機会にお話ししよう。




Royal Turf Club of Thailand



 ちなみにレースが20分以上遅れていたり、前半レースでは発走予定よりも早くスタートしたりという謎現象についてだが、結局そうなる理由というのはよく分からないかったというのが実際のところだ。ただ、可能性としてあるんじゃないかと思っているのは「売り上げ」の調整である。



 実はタイの競馬新聞を読むと、レースの賞金の欄に「賞金は売り上げの金額に拠る」と書かれているのだ。つまり、売り上げが多ければ多いほど賞金が上がり、少なければその逆になるというシステムが取られているのである。なぜこんな仕組みになっているのかはよく分からないが、こういうシステムを採用していると、一定の売り上げが上がるまでわざとレースをスタートさせないという形をとることで最低限の売り上げを確保するという発想が生じても不思議ではない。逆に十分な売り上げがプールされたら、その後のレースのことも考えてさっさと発走してしまうというのもある意味理に適っていると言える。タイの競馬ファンはギリギリまでオッズを見てからぶち込むので、杓子定規に時間で締め切りにしてしまうよりも、ある程度オッズを動かす「遊び」の時間があった方が、お客に金を使わすことができるのかもしれない。いずれにせよ我々にとってはピンと来ないシステムではあるが、タイの人らにとっては理に適っているのだろう。そこに改善を求めるのは野暮な話である。




 さて、ちょっと長くなってしまいましたが、これがこの度のタイ競馬訪問で大敗を喫するに至った全軌跡でございます。皆さんはこうならないよう、荷桁の失敗に学んでくださいね。



 ロイヤルターフクラブ競馬場レポートもう少しだけ続けてまいります。




 



>>ロイヤルターフクラブ競馬場その21へ






*この競馬場が好きな方はこちらの競馬場もお好きだと思われます。

 ロイヤルバンコクスポーツクラブ競馬場 その1 ~再びバンコクへ~
 フートー競馬場 その1 〜さらにベトナム競馬へ〜
 セランゴール競馬場 その1~いざマレーシア競馬~
 ペナン競馬場 その1 ~再びマレーシア競馬へ~
 クランジ競馬場 その1 ~いきなりお詫び~
 ソウル競馬場 その1 〜韓国競馬に手を出すぞ〜




*ロイヤルターフクラブ競馬場に関する記事は以下にもあります。

 ロイヤルターフクラブ競馬場 その1 ~タイからのニュース~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その2 ~バンコクという街~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その3 ~行くまでの攻防~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その4 ~「タイ人」の競馬場~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その5 ~いざ競馬場内へ~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その6 ~いきなりの締め切り前発走~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その7 ~スタンドの全体像を把握せよ~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その8 ~装鞍所からの本馬場入場~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その9 ~ゲートインからゴールまで~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その10 ~馬券の買い方と種類~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その11 ~競馬新聞と予想~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その12 ~意外に立派な芝コース~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その13 ~スタンド1階の鉄火場感~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その14 ~メシの中心地・スタンド2階~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その15 ~スタンド3階の常連たち~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その16 ~スタンド4階 まったり常連ゾーン~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その17 ~やっと到着 スタンド5階~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その18 ~バックヤードと二階建て馬房~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その19 ~タイの競馬場グルメを探る~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その20 ~敗走への軌跡~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その21 ~豪雨、落雷、そして停電~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その22 ~追憶のナンルーン競馬場~




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