日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。
そこに競馬があるから > 名古屋競馬場 > 名古屋競馬場 その43 ~名古屋競馬場グルメをしのぶ ラッキー~
名古屋競馬場のグリーンホール内ラッキー
*名古屋競馬場レポートのつづきです。
初めからお読みになる方は名古屋競馬場レポートその1からどうぞ。
どうも。荷桁です。前回の酒津屋に引き続き、今回も旧名古屋競馬場、通称どんこ競馬場のグルメについてやっていくことといたしましょう(いきなりこの記事に飛んできてどんこ競馬場グルメの全体像が理解できていない場合はこちらの記事に先に目を通しておいてくだされ)。
今回ご紹介するお店は第2スタンド2階のグリーンホール内にあった売店「ラッキー」さんでございます。
夏熱く、冬寒いどんこ競馬場において、連暖房完備のグリーンホールは名古屋競馬場オヤジたちにとってはまさにオアシス。そのグリーンホールの中のさらにオアシス的な存在がラッキーであった。
ラッキーそのものはよくある競馬場の売店という感じで、当時の利用者たちも店名を意識することなく当たり前のように利用していたふしがあるが、あらためて見返してみると、80年代を思い起こさせる看板、武骨な売店メニューたち、独特の張り紙たちなど、いろいろ個性があったような気もしてくる。ひとまずどんこ競馬場現役時代のラッキーの写真を交えつつ、思い出話をしていければと思いますので、よろしくお付き合いいただければ幸いです...
さて。そんなわけでラッキーである。
ラッキーは前述の通り、第2スタンド2階の有料フロアであるグリーンホール内にあった売店だ。見ての通り、食堂ではなくよくある売店という感じで、ジュース、カップ麺、菓子パンなど既製品を各種取り揃えていたお店である。
こうした商品は当然、高くても数百円ですむことから、グリーンホールに入るだけのお金は出すけど、メシとかはこだわらないから安く上げたいという節約大好きな名古屋人の気質にピタッとはまる形で、根強い常連が多いお店であった。
上にあるサンドイッチやらハンバーガーやらの文字が並ぶ看板も、色使いや自体、合間にあるおにぎりやコーヒーの挿絵まで含めて、ほんのり昭和後期の臭いがしていていい感じだ。なんとなく田舎のドライブインとか、さびれた遊園地の売店を想起させる感じだ。昭和61年生まれの荷桁としても何となく、小さいころに親父にこういう店でHI-Cとか、ジャムパンとかクリームパンとか買ってもらったなあ、みたいなおセンチな気分になってくるぜ。
ちなみに、ラッキーは位置的にはこんな感じで第2スタンドと第3スタンドのちょうど間くらいに存在していた。
なのでラッキーは外側にも販売の窓口があった。もっとも第3スタンドが縮小となったのちはあまり使われなくなってしまい、ここから買えるのかどうかよく分からない状態になっていたが。
グリーンホールの利用者だけでなく、屋外第3スタンドの客も昔はうまく取り込んでいた様子である。
さて。再びグリーンホール内に戻り、ラッキーの詳細を見ていくことにしよう。
「行楽のお弁当」という言い回しも今はあんまり見かけないかもなあ。
ラッキーの店頭はショーケースになっていて、そこにに商品が陳列さている、これぞ売店という王道スタイルだ。背後にいろいろな飲み物があるのも素晴らしい。
ビールやワンカップなどの酒も売っていたので、ちょっとした乾きものとビールなんて使い方も、もちろんバッチリであった。
主力商品はこちらのお弁当。よくあるごはんと揚げ物中心のおかずというスタンダードな弁当で、500円と安価に提供されていた。売店内にも調理場があったので、もしかしたら店内仕込みだったのかもしれない。
ほか、弁当と組み合わせてもいい感じのカップみそ汁、カップ麺などの商品も充実。雪の降りしきる冬の開催のときなどは、グリーンホールに入って、ラッキーのカップ麺をすすれば、鬼に金棒であった。
ラッキーは売店なので、当然、買ったものは自席かそのへんで食う、ということになるのだが、ラッキーの横にはこんな感じでイートインスペース(?)があり、席数もかなりあったので、下手な食堂よりも快適にメシを食うことができた。
壁際にはカウンター席もあり。こんな椅子どこで見つけてきたんだろうという感じだが、椅子の不ぞろい感も地方競馬場らしくていいぞ。
まんなかのテーブル席で新聞や出走表を広げてコーヒー片手に予想するのもオツである。
窓際のソファー席も、低反発だったので腰をいわしたシニアにとってはありがたい存在だったと言えた。
中にはシルバー席なんてのもあったが、シルバー席なのに立食テーブルだったというのが逆説的で笑えた。
またラッキー周辺にはこのような謎の張り紙も多数設置されていた。競馬場の人がこんなのをラッキー周辺にだけ設置して回るということも考えづらいので、おそらくラッキーの方が設置したものと思われる。
自らを客観視せよという趣旨のこちらの格言も、身の丈に合わない博打に精を出す輩に対して、諭しているかのような趣だ。
こちらの格言は、競馬というものを表している気がしてくる。多少の負けは仕方ない、一生勉強だ、という気分にさせてくれるエールのような想いが込められているのかもしれない。
テーブルの一角には、過去に貼られていたと思しき格言たちがまとめられていた笑。定期的に新作に張り替えていたようである。
どれも読んでいると何となく競馬に通じるものがある気がしてくるぜ・・・。
ちなみに、格言ではないが、新型コロナが流行っていた時期はこんな感じで直球な「コロナ注意」という張り紙も掲出されていた。手指の消毒、マスク着用などの具体的な部分でなく、精神的な部分に焦点を当てるのがラッキー流である。コロナに注意すると言う心がなければ、具体的な対策からも魂が抜けてしまうのだ。
ラッキーの近くには競馬場が設置した掲示板のようなものがあったが、ここにはラッキーのご厚意なのか、いつもスポーツ新聞の競馬面が貼られていた(他の掲示板にはこんなのないので)。
ただ、見ての通り、お守り、くまのぬいぐるみ、五円玉などやや呪術的な雰囲気が出てしまっており、なかなかパンチが効いていた。先ほどの格言なども含め、醸し出されるなんとも言えない緊張感がラッキーの真の魅力と言えただろう。ヤンキーのあんちゃんあたりが横柄な感じで買い物ができない雰囲気がラッキーには確かにあった。
そんなわけで、ラッキーの魅力を堪能した後は、ラッキーで提供されていた食べ物を実際に見ていくことにしよう。
まずはラッキー定番の弁当だ。うむ素晴らしい。
メインのおかずは右上の味噌カツ。さらに名古屋人の大好きな赤ウインナーが脇を固めている。煮物やカリフラワー、漬物など、意外と野菜も入れてくれているのが、単なるガッツリ弁当と違ってありがたい。こいつを先ほどのソファー席あたりで食べて、缶ビールでも飲めれば、まさに至福のひと時である。
さらにもうひとつ。ラッキーでちょいちょい購入したのがこちらの一品。「おかず」と称して売られていた。確か当時でお値段200円とかだったと思う。激安居酒屋も真っ青の価格だな。コロッケ、赤ウインナー、卵焼き、ひじき煮がセットになったおかずセットはおにぎりと組み合わせても良し、ビールのつまみにもよしという万能なやつであった。移転後の名古屋競馬場の食堂もテイクアウト系のメニューがけっこう充実しているが、これはラッキーから着想を得ていたに違いない(適当に言ってます)。
まあ、こうして今になってラッキーのメニューをじっくり見てみると、本当にどんこに来ていたオッサンたちに寄り添った内容と値付けだったというのが良く分かるな。こうした店が見られなくなるのは残念だが、まあ、これも時代の流れという奴ですな。
というわけで、どんこ競馬場グルメ、グリーンホールの売店「ラッキー」でございました。
まだまだどんこ競馬場グルメの話を続けてまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします・・・。
>>名古屋競馬場レポートその44へ
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