日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。
そこに競馬があるから > 名古屋競馬場 > 名古屋競馬場 その37 ~東スタンドの変遷を見る~
名古屋競馬場の東スタンド
*名古屋競馬場レポートのつづきです。
初めからお読みになる方は名古屋競馬場レポートその1からどうぞ。
どうも。荷桁です。
どんこ競馬場のスタンドの話もだいぶ長引いてきましたが、ようやく最後のスタンドまでたどり着きました。今回はどんこ競馬場の東スタンドの様子を見てまいります。
東スタンドは、東西に広がるどんこ競馬場のスタンドの中で、文字通り一番東側にあったスタンドであった。スタンドと言えば馬券を売って、観覧席があってというのが常道であるが、この東スタンドは観覧席はあるものの、馬券売り場もなく、正直、第3スタンド以上に何に使われているのかよく分からないスタンドであった。
正直、このスタンドの本質的なバリューは、最後の最後まで分からなかったというのが正直なところであるが、このレポートでは荷桁がどんこを訪問した10年強の間で撮影した写真を使って、東スタンドがどのようなスタンドだったかという部分をゆるゆるレポートしていければと思いますので、よろしくお付き合いいただければ幸いです...
さて。そんな訳で、どんこ競馬場の東スタンドである。
先ほど、どんこ競馬場の中でもっとも東側にある、と言ったばかりであるが、まずは位置関係から見ておくことにしよう。
見ての通りではあるが、写真のとおり、コースに向かって最も左側に東スタンドがある。すなわち、名古屋競馬場は1コーナーが東、4コーナーが西ということになる。どんこ競馬場では夕方になると4コーナーの方から西日が差している光景を思い出す方も多いと思うが、まあ、そんな位置関係であったと、何となく思い出していただければ。
東スタンドのフロアマップはこんな感じだ。
一応4階まであって4階にも観覧席という記載があるが、荷桁が訪問していた頃は、もう1~2階のみしか使えなかったイメージである。
見ての通り、昔はいろいろ馬券売り場や施設があったようだが、塗りつぶされていることからも分かるように、晩年は何だかよく分からないスタンドになっていたというのが実際のところだ。
さて。それでは東スタンドを見ていくことにしよう。
まずはスタンド裏手側より第1スタンドと一緒に撮影された東スタンドの外観だ。右側にある第1スタンドは2階建てなので、その左手奥にある東スタンドが4階建てというのも納得である。以前にも述べたが、そこはかとない要塞感がたまらないぜ。
もう少し近づいてみよう。こちらは第1スタンドと東スタンドのつなぎ目部分だ。渡り廊下やらパイプやらでごちゃごちゃとつながっており、こちらもイカす感じだ。
このつなぎ目にある塔は見上げてみると、けっこう壮観だ。この写真はコース側から見ているが、右側にある東スタンドと大体同じくらいの高さである。こちらは審判塔で一番上の部分は審判長席的なものがいたと思われる。ひとまず一般客がおいそれと入れるようなものではなかった。
さて。それではこの要塞のような東スタンドに足を踏み入れていくことにしよう。クラスにも、あんまり身長が高いイメージなかったけど、なんか近くでよくよく見るとけっこう身長高かったんだな、となるやつがいたと思うが、まさにこの東スタンドはそんな感じで、あまり意識しないし2階までしか入れないので、その大きさを認識している人は少なかったと思うが、こうしてみるとけっこうデカかったなと改めて思わせるスタンドである。
東スタンドへは普通に1階から向かえばよいと言えばよいのだが、テンションが上がるのはこちらの第1スタンドからの渡り廊下で行く方法だ。まあ何でもない渡り廊下と言えばそうなんだが、ちょっとした工場じゃないと味わえないような風情で、個人的にはけっこう好きなスポットである。
こちらの写真は東スタンド側から見た渡り廊下だ。まあ、今となってはだが、こんな渡り廊下がありましたねということで。一応ね。
さて。ひとしきり渡り廊下を堪能したところで、東スタンドの外観だ。先ほどからスタンド裏手側からの写真ばかり使っていたが、こちらがコース側から見た東スタンドの外観である。
見ての通り、1~2階にかけて観覧席、2階にちょっとしたフロア、3~4階にかけて観覧席、4階にもフロア、という感じになっている。
繰り返しになるが、荷桁がどんこ競馬場に行き始めたころには、3階から上は関係者のみしか入れなくなっていたので3階から上の様子はよく分からない。ネットで調べると、3階がプレスルームなんかで使われていた形跡があるが、どうだったんすかね。
裏側見るとこんな感じで、4階建てというのがよく分かる。電気もついてるし、わりと関係者の中では日常的に3~4階も使われていたのかな。
他のスタンドと並べるとこんな感じ。
ゴールにも近かったし、スタンドも立派だし、もう少しいい感じに馬券とか売ってくれていたら、第1スタンドより使い勝手良いスタンドになってそうなもんだが。
さて。それでは1階から順番に見ていこう。東スタンドの1階は特に内部にこれといったファンが入れる空間はなく、コース側は観覧席があるのみ、という感じである。
東スタンド1階裏手はこんな感じで、かつては馬券売場だったが、晩年はモニターがいくつかあるのみであった。パドックが近いこともあり、客の往来は多かったので、馬券売場があればニーズはあったと思うが、どんこも馬券発売の機械の入れ替えなどが進むにつれて馬券売場を縮小していった流れがあり、寂れてしまった感じなのだろう。
投票所の跡地はこんな感じで郷愁を誘う感じであった。今や日本中の地方競馬場に使われなくなった馬券売場が溢れているが、どうなっていくんでしょうな。どんこは移転するというのもあったと思うが、特に中の空間も含めてあまり有効活用されてなかったので特にビミョーであった。申し上げた通り、東スタンドはパドックの目の前にあって、ここの馬券売場は導線的にはバッチリだったので余計にね。パドック見た後に第1スタンドや第2スタンドまで行ってというのはけっこう面倒くさかったぞ。
まあ、なので、東スタンドの1階は何かに利用されると言うこともなく、パドックから走路への通路という感じになっていた。
その道中にあったのがこちらの自販機コーナーである。
内部はなかなか年季の入った空間。その空間に対しては比較的真新しい各社のカップ・パック系の自販機が売っていた。
かつては「湯茶接待所」という名前で中でタダでお茶や水を給するマシンもあったのだが、いつのまにやら有料の自販機置き場になっていた空間である。
さて。お次は東スタンドの2階を見ていくことにしよう。やはりスタンド裏手の妙にデザイナボーな階段から上がるのがオツだよな。
東スタンド2階に上がると、当たり前っちゃ当たりまえだが、コースが良く見える。ちょうど、ゴール板をやや過ぎて、ウイナーズサークルの目の前あたりにあり、角度的にも観戦環境は悪くない感じだった。
観覧席は1階から2階にかけて一体になっているようで、よくよく見るとよく分からない仕切りで二層になっていた。
上の段は3列、下の段は6列とあまり広々とした観覧席ではなかったが、まあそれなりに利用者もいた感じだ。
さて。2階に戻ってフロア部分を見ていこう。先ほどより、東スタンドは何があるかよう分からんスタンドやみたいなことを言うてましたが、この避難経路図は設置当初よりあまり更新されていないのか(それはそれで消防法的にどうなのかはさておき)、東スタンド2階がかつてどう使われていたのかを知る重要な手がかりとなっている。
よくよく見ると、かつて東スタンド2階は投票所・払戻所がある、いわゆる投票スペースで、一番奥にはなんとレストランまであったようである。いやあ、ここが投票所として残っていて、ビールとか脇で売ってたら、絶対ここが本拠地になってたわ。
荷桁が気が付いたときには、かつての投票所はこんな感じで一般客向けの無料休憩所になっていた。
横にある入口からはもちろん、スタンド側にある引き戸からも入ることができた。
この引き戸に挟まれる人が続出したのか、注意喚起の表示がベタベタと貼ってあったぞ。
休憩コーナーはこんな感じでテーブルがあり、なおかつどんこ競馬場の中では貴重な冷暖房完備の空間だったということもあり、夏場や冬場の開催ではけっこう人で賑わっていた。
とは言いながら、ここから馬券売場が遠く、そこだけはネックであった。第1スタンドの2階で馬券を売っていたときはまだマシだったが、下手すると第2スタンド1階まで行かないといけなかったしのう。パドックなど関係なく早めに馬券を買う人向けの空間になっていた感はある。
一番奥はかつてレストランだったということだが、晩年は閉鎖されていた。あの右側の窓からビールやつまみを売っていたと思うと、非常に惜しい店をなくしたものである。
無料休憩所は、時折こうした写真展の会場にもなっていた。思えばどんこ競馬場はこうした写真コンテスト的なものをけっこうやっていたような気もする。
そんな無料休憩所だったが、弥富移転直前の期間は「とっておきの競馬の話&写真グランプリ」という展示をやっていた。
コロナの影響だったのか、オッサンたちの憩いの場であったテーブルなどもすべて撤去されていて、展示だけの空間になっていた感じである。このへんの備品も引っ越しを前に処分されていたのかなあ。
展示内容はどんこ競馬場での思い出話や写真の展示。見るとなかなかほっこりするので、またお時間がある時にでもじっくり見てくれたまへ。ちなみに、採用されている写真や話にスタンドの造形やおむつ取替所の看板などに言及しているものはなく、あらためて自分の嗜好が異常なものであるということを感じさせる展示でもありました・・・。
さて。これで東スタンドも終わって、どんこ競馬場のスタンドは一通り見たことになりますな。次回以降はスタンドの外にあるものなんかをゆるゆると見ていければと思いますので、引き続き何卒よろしくお願いいたします・・・。
>>名古屋競馬場レポートその38へ
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