日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。
そこに競馬があるから > クランジ競馬場 > クランジ競馬場 その22 ~コースとビジョン、ゴール板など~

クランジ競馬場のコース
*クランジ競馬場レポートのつづきです。
初めからお読みになる方はクランジレポートその1からどうぞ。
どうも。荷桁です。何やかや22本目となりますが、今回もクランジ競馬場レポートをつづけてまいりましょう。
前回のレポートで、クランジ競馬場のパドックからレースに出走する馬が本馬場に入るまでの様子をやりましたので、今回のレポートでは実際のレースの様子を、と思ったのですが、そう言えばまだ、クランジ競馬場のコースまわりをきちんと見ていなかったなということで、今回はいったん、クランジ競馬場のコースやその周りにある設備等を見ていければと思います。
かつてのコスモバルクやシャドウゲイトの活躍などでクランジ競馬場のレースをネット動画等で見たことはあるよ、という方は一定いらっしゃると思いますが、レースだけ見ていると意外とコースやその周りの様子まではしっかり見られない部分もあると思いますので「ああ、クランジってこんな感じだったのね」といった感じでゆるゆるとお楽しみいただければ幸いです。
それではまいりましょう。クランジ競馬場のコースまわりでございます...



さて。そんなわけでクランジ競馬場のコースとそのまわりということであるが、まずはコースの基本を押さえておこうということで(廃止になった競馬場で何を言っとんねんというのはありつつ)、まずは冒頭3枚クランジ競馬場のコースの写真を張り付けてみた。ざっくり上から1コーナー、真ん中、直線と4コーナー寄りといった感じである。
写真だけだとよく分からんと思うので文字でも補足しておくと、クランジ競馬場のコースは全コース左回りで外側の芝コースは1周外回りが2000m・直線500m、内回りが1800m・直線400mとなっている。内側のポリトラックコースは1周1500m・直線約380m。それぞれ直線はやや登り坂になっている。日本でいうと東京競馬場が1周1900m弱、新潟競馬場が外回りで2200m強なので、その間くらいのわりとでっかい立派なコースだったと思っていただければよい。
以前のレポートでも書いたが、クランジ競馬場では移転前のブキティマ競馬場ではできなかったような国際レースをするんだという意気込みで作られた競馬場なので、まあそれくらいはあって変な話でないと言うか、まあ何で廃止にしたんやというレベルのちゃんとしたコースだったのである。

さて。コースの話はあまり深掘ってもあれなので、コースのまわりのモノやらを見ていこう。
まずはゲート。こんな感じのままあるゲート車だ。フルゲート14頭となっているようだが、クランジ競馬場では過去の16頭立ての国際レースもしていたので、ゲート車によって違うか、外側に追加できるような仕組みになっていたのかもしれない。
紫色のイメージカラーで、見慣れるとマレーシアなどでサイマル放送を見ていても「お、クランジのレースだな」と分かるようになってくる感じであった。


当然のことながらゲート車はこんな感じで、スタート地点で利用される。当たり前すぎて申し訳ないが、まあ、一応ね。

あと、コースあたりでいうと、写真にも写っている白いパトロール塔が独特の形であった。まあ写真で見ての通りカメラなど置いて審判がいる最上部の窓が閉じられているので、訪問時にはもう使われてはいないっぽかったが。

あと、コース周りと言えば、こちらのターフビジョン。
実はこのビジョン、パナソニック製の「アストロビジョン」という製品で2011年から導入された特注品である。


この立派なビジョンではオッズはもちろん、画面を3分割して、馬の位置取りまでもが詳細にわかる中継が行われていた。JRAもようやく最近こうした中継方法を取り入れつつあるが、このへんはシンガポールの方がはるかに早く進んでいたと言えよう。まあこれだけハイテク取り入れるのが上手いんなら馬券をネットで売る方もがんばっとけよって話だが、技術力はあっても政治力はなかったということなんでしょうな。

ちなみに、ド派手なターフビジョンから一転、ゴール板はいたって地味であった。
あんまり東南アジアにはゴール板を装飾するカルチャーがないのかね?と思うかもしれないがそんなことはない。同じマラヤンレーシングアソシエーションのペナンやセランゴールなどはわりとゴール板をゴテゴテ飾っていたので、タイミングが悪かったのか、あまりそういうことを頑張らない人たちだったかといった感じであろう。

さて。コースまわりだが、レースにまつわるものを一通りみたので、ここからはスタンドとコースの間にあって、ここまで触れてきていなかった場所なんかをゆるゆる見ていければと思う。
まずは写真の通り、スタンド前の屋外観覧スペース。屋外の観覧席は見てましたが、ここはきちんと見ていませんでしたな。
屋外観覧席にはこんな感じでちょいちょいベンチが並んでいるのが特徴だ。G1の日に人でパンパンになる日本の競馬場ではこんなところにベンチを置いたら上に乗って見る人間が出ること請け合いだが、シンガポールではまあそこまで心配するような混み具合にはならないということだろう。

反対側に目を遣ると、ぼこぼこした床も気になるが、その奥によくわからない低層の建物がある。これは荷桁の後年の訪問時には使われていなかったが、「MARQUEE」と名がついた建物で、日本だと同じようなものがないのでピンとこないかもしれないが、イメージ宴会場のようなスペースであった。
要はレースの日に、円卓を出しての大人数の貸し切りパーティーができるようなスペースで天気が良ければこのMARQUEEの前の屋外スペースにも立食テーブルを出してワイワイレースが見ることもできたようである。
荷桁がこの建屋の存在に気が付いたタイミングでは、競馬人気の低迷とコロナで使われなくなったのか、廃屋のように放置されてしまっていたようだったが、こういうのって切ないっすよね。
日本でも府中の内馬場くらいにそんな貸し切り宴会場とかあっても需要ありそうな気がするけど、どうなんでしょうね。競馬好きの方なんか結婚披露宴とかしそうな気もするが。まあ、あんまり適当なことも言えんけども。

まあほか、スタンドと走路の間の空間と言えばこんな喫煙所もあった。マナーにうるさいシンガポールだけあって分煙はきちんとされていたが、案外吸っちゃいけないところでタバコふかしている人もいて、まあこのへんは管理国家シンガポールといえどもなかなかといったところなのだろう。

さて、喫煙所から目を背けて再びコースに目を遣ると、走路との間には何やらトロピカルな花が植わっている。このあたりはさすがはシンガポールといった感じですね。ここ以外の部分も含めて総じて造園関係はちゃんとお仕事されているなというのがクランジ競馬場の印象であった。


さて、ほかにもスタンドとコースの間にあるものできちんと触れていなかったのが、こちらのエリアだ。
日本だとウィナーズサークルと呼ばれることが多いが、海外だとWinner's Enclosureと呼ばれるあたりの周辺である。
要するに勝ち馬や入着した馬がやってきて鞍を外したり、検量をしたり、記念撮影をしたりといった一連のことをするエリアと思っていただければOKである。

まず、さっきの写真でいうところの右にあった長方形っぽいエリアが、下馬するところ。基本的に2着以下の馬はここに引き上げてきて、下馬ということになる。見ての通り、けっこう近くまで寄れたので、競馬ファンにとっては何となく見ていて面白い場所であった。

その隣の枠があるところが日本でいうウィナーズサークル的な機能があるところで、ここで記念撮影ということになる。

その横にあるのが検量台。クランジ競馬場は室内に検量室がある感じではなくオープンで検量するのが特徴であった。

検量台の横にはまた空間がある。日本ではこれもウィナーズサークルで行うことが多いのだが、ここは馬を入れて記念撮影を行わず、シンプルに表彰式などをおこなうステージ用のスペースといった感じになっている。


重賞があるとこんな感じでステージが作られ、カップの受け渡しなどが行われるのだ。まあ、このへんの儀式は走路の上でやるところもあればウィナーズサークルでやるところもあればと競馬場によって流派はまちまちなので、クランジではこうでしたということで「ふーん」と思っていただければOKである。
さて。というわけでクランジ競馬場のコースまわりを一通り見てまいりました。これでクランジ競馬場の馬まわりの動線なんかも一通りご理解いただけたと思いますので、次回はレースの話などしてまいりましょう。
クランジ競馬場レポート、まだまだ続きますが、引き続き何卒よろしくお願い申し上げます・・・。
>>クランジ競馬場レポートその23へ
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