ムーニーバレー競馬場 その1 ~オーストラリア競馬~ そこに競馬があるから 忍者ブログ
日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。

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メルボルン
オーストラリアはメルボルン市中心部の摩天楼をのぞむ。世界レベルで美しく住みやすい町だと聞くが・・・納得。




 どうも。荷桁です。


 さて、これまで当ブログでは、日本国内の地方競馬場を中心に、時折マレー半島の競馬場なんかも織り交ぜつつ、荷桁が訪れた競馬場を紹介してきましたが、ここいらで、一気にアジアを飛び出して、オーストラリアの競馬場をご紹介することにしようと思います...

さて、まず、何ゆえ、いきなりオーストラリア競馬なのかというあたりから、お話をしていきましょう。


 同じような人は結構いると思うのだが、荷桁が最初にオーストラリアの競馬について強烈に意識したのは、2007年のメルボルンカップにて、日本馬のデルタブルースとポップロックの2頭がワン・ツーフィニッシュを決めたことがきっかけである。


 オーストラリアに競馬があるのは何となく知っていたのだが、日本馬が遠征して勝利して、ちょっとしたニュースになると、荷桁としては気になるもので、オーストラリアの競馬についていろいろ調べてみたのである。


 調べた結果、オーストラリアは歴史的に見て、非常に競馬が盛んであるということが分かってきた。


 予備知識も兼ねて、学問的な話をざっくりしておこう。



 オーストラリアはイギリスの植民地としてスタートを切った土地である。しかし、入植後しばらくのオーストラリアは本国から派遣された支配層である将校が権益を牛耳っていて、非常にすさんだ土地だった。富裕層同士の対立や階層間の対立など、いろいろ困りごとが多かったようなのである。


 1810年に、そんなオーストラリアを何とかしようと思い、植民地の総督であるラクラン・マクォーリーはひとつのイベントを開催した。それがなんと競馬だったのである。


 彼は「この土地の人間には潤いが足りない」という主張のもと、キリスト教の復活祭のメインの余興として競馬を開催したのだ。対立を抱える多くの階層、人びともこの日ばかりはみんな仲良く競馬を楽しみ大いに盛り上がったそうだ。競馬によって人びとの意識統一を図ったのである。


 そんな経緯があってか、オーストラリア人にとっては競馬こそが娯楽の王様。町を開拓すると教会より先に競馬場を作るくらいの好きっぷりで、メルボルンに至っては1836年になって本格的に街ができ始めたにも拘わらず1838年にはもう競馬が開催されていたそうだ(どんだけ好きなんだ!)。


 こうして、町と共に増えに増えた競馬場は現在オーストラリア国内に400以上。人口1万人に満たない田舎町にも必ず競馬場はあり、そして年に数回の開催のうち、1日は必ず「お祭り」の日があり、その日町の学校は休み、お店は休業して、町中の人間がドレスアップして競馬場に集う。そこで酒を呑みつつ、競馬に耽るのである。


 人びとが競馬を拠り所にしつつ暮らし年月を刻む、こんな夢のような国に行かないことができようか、いや行かねばならないのだ!



Melbourne



 と、いうわけでもって、2008年の10月、荷桁はオーストラリア最大のレース「メルボルンカップ」を見るためにオーストラリアに旅立ったのである・・・。思い立ったら行くのだ。だってそこに競馬があるんだから。


 さて、今回の旅は、航空券・ホテル・メルボルンカップとその2日前に行われるビクトリアダービーの入場券がセットになったカンタス航空の個人ツアーを利用した。当然のことながら、こんな酔狂には誰もついてきてくれず、一人旅である。


 メルボルンカップを見に行くにあたって苦労したのは一番肝心な入場券の手配である。


 先述のように、オーストラリアで競馬は=お祭りである。当然、メルボルンカップ=メルボルン最大のイベントということになる。メルボルンカップの日はメルボルン市周辺は祝日となり、当日の会場であるフレミントン競馬場は超満員になる。せっかく行っても競馬場に入れなければまったく意味が無い。まずはチケットだ。



 とは言え、いまの時代、旅行代理店の多くがスポーツイベントの切符手配などをやってくれるので、メルボルンカップのチケットもすぐに手に入るだろうと思って、大手旅行代理店の現地支店にいろいろ電話をかけてみた。

 
 しかし、意外なことに、どこもチケットをとってくれなかったのだ。取れないのか取らないのかどちらかは分からないが、とにかくお願いした代理店全てに無理だとさじを投げられてしまったのである。どうなってんのコレ。


 チケットだけ手に入ればあとは自分で航空券と安宿を探そうかと思っていたのだが、こうなってしまっては仕方ない。メルボルンカップの公式サイトでは郵送での購入方法も書いてあったのだが、日本から買えるのかよく分からない説明だったので、万全を期してカンタス航空のツアーをお願いしたのである。団体でないため決して安くはないが、添乗員付きの観戦ツアーなんかより自由度は高いだろうし、おススメである。


 ちなみに、荷桁が訪問したのは2008年のこと。当時はダメだったかもしれないが、ドバイや凱旋門賞などで競馬観戦ツアーなどの催行も増えてきた昨今であれば、手配してくれる旅行代理店もあるかもしれない。いろいろ調べてみていただくことをおススメします。


 と、いったわけでございまして、前フリが大変長くなりましたが、今回の訪問記は2008年10月31日にメルボルンに着いて、11月4日のメルボルンカップを見て、11月6日に日本へ出発するまで、およそ一週間のメルボルン滞在中に行った競馬場の紹介ということになります。



 うわあ、長い説明だった!うげえ!



メルボルン


 というわけで空港から、市内の中心駅の1つである、サザンクロス駅までバスでやって来ると、そこはもう完全に異国の地である。


 駅前にはメルボルン名物の路面電車が走っている。うーん、なにやら、アジア的猥雑さがまったく無い、美しい町だぞ・・・。


Melbourne


Melbourne



 さすがはイギリスの植民地というか、市街地中心部には趣のある建物が広がる。


Melbourne


Melbourne


 一応メルボルンの観光名所としてはクィーンヴィクトリア・マーケットというところや、フィッツロイというこじゃれたお店が並ぶ通りなどがある。


 競馬ファンにとってはどちらも行っても行かなくても差し障りはないが、時間があるなら寄ってみるのもありだろう。



 さて、そんなメルボルンから、まずご紹介するのは、着いた初日である10月31日と11月2日に計2回訪問した、ムーニーバレー競馬場です!・・・と、いきたいところですが、長々とした説明で間延びしてしまったので、一度ここで切って次回へつなぎたいと思います。






>>ムーニーバレー競馬場その2へ




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