日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。
そこに競馬があるから > クランジ競馬場 > クランジ競馬場 その25 ~馬券の買い方と競馬新聞~

クランジ競馬場の馬券売り場
*クランジ競馬場レポートのつづきです。
初めからお読みになる方はクランジレポートその1からどうぞ。
どうも。荷桁です。さて今回も懲りずにクランジ競馬場の話を続けてまいります。
さて、前回のレポートまででひととおり競馬場のお話は終わりましたので、いよいよ馬券の話ということで今回は馬券についてです。
とは言いつつ、皆さんご存じの通り、クランジ競馬場はもう廃止になっているので、馬券の買い方を知ったとて、特に何か意味があるものではありません。
行ったことがある方は「ああ~なんかこんな感じだったかもしれんな」という感じで、行ったことがない方は「ああ~こんな感じだったんだ」みたいな感じでそれぞれゆるゆるとお楽しみいただければと思いますので、何卒よろしくお願いいたします...

っつーわけでクランジ競馬場の馬券である。まずは馬券の買い方はこんな感じであったという話からしていこう。
まず馬券だが、クランジ競馬場ではこんな感じの有人窓口で買うことになる。日本だと機械化が進む馬券の販売業務だが、シンガポールでは本場でも場外でもわりと有人窓口で馬券を売る文化が根強く、多くの有人窓口が稼働していた。
ちなみに払い戻しもこの有人窓口で行われており、基本ほぼすべてが馬券も売るし払い戻しもするというスタイルだった。

ちなみに、馬券の販売機もあったのだが、基本的にはローカル向けのマシンという感じであった。

というのも、買うのに現金が使えず、ベッティングカードなるカードをもっていなくてはならず、ふらっと来た旅行者としては使いづらいというのが正直なところであった。

一応、ベッティングカードさえあればあとはマークカードを入れるだけ、という感じだったので簡単は簡単そうであった。ただ、払い戻しはどうせ窓口に行くということもあり、現地ローカルの競馬ファンたちもあまりこの機械は使わずに、窓口で買っていることが多いようであった。場内には膨大な数の販売機が置かれていたが、そこまで使われている感じはなく過剰投資な印象であった。
まあとりあえず馬券の購入と払い戻しは有人窓口がベースであった、というところを押さえていただければOKである。

お次は競馬新聞の話をしていこう。
クランジ競馬場では場内でこんな感じで競馬新聞を売っていた。競馬新聞はかつては駅の売店などでも普通に売っていたのだが、コロナ以降はあまり駅の売店自体を見かけなくなってしまった感じで、基本的に競馬場で調達するようなイメージである。

荷桁が現地で購入した代表的な銘柄3紙を見ていこう。まずは馬友指南。英語版はPUNTERS' WAYという。これはシンガポールで1977年から続くローカルの競馬新聞だ。英語を直訳すると「博徒への道」といったところで、まあ馬友指南という中国語題も分からんこともない。

あと、WINNERという新聞もあった。これはあまりネット上に情報がなかったのだが、見ての通り3場の情報を掲載しているローカル系の競馬新聞のひとつだったと思われる。中国語版タイトルは「贏家」である。

あとはこちらのi Race。中国語版タイトルは「馬達」である。版元のiRace Media Pte. Ltd.はシンガポールの会社で、これもローカル系の新聞だ。歴史についてはあまりネットに情報がないが、ネーミング的に馬友指南より後発の新聞なんじゃないかなという気がする「馬達」は発音的に「モーター」とかけているのかもしれんな。
ちなみにこれら3紙のうちWINNER (贏家)を除く2紙はマレーシアの競馬場でも販売しているっぽいということが確認されている。
ちなみに、荷桁が2007に訪問した際には馬経という新聞もあったりしたのだが、コロナ後のクランジでは売っていなかった気がする(マレーシアでは売っていた)。その後の時代の流れで紙メインのところがウェブにも力を入れている会社に淘汰されたりといった流れがあったのかもしれんすね。

だいたいどこも競馬新聞の馬柱はこんな感じ。中国語版はさっぱりわからないと思うので一応英語版を出しておこう。
馬名、騎手、斤量など一般的な情報がまずは一覧になっている。

そしてそのあとにこんな感じで近走成績が各馬ごとにしっかり目に乗っている。通過順などまで詳しくあるので、データ量としては日本の競馬新聞とそう大差ない感じだ。ちなみにこのフォーマット自体は香港、オーストラリアやアメリカでもだいたい同じような感じだ。


ちなみに中文版だとこんな感じ。
まあさっきと同じような内容が中国語で書かれているので、特に中国語に長けた人でなければ無難に英語版を買っておくのがよいという感じであった。シンガポールは華人が多いので中文版の方が売れていたような印象である。



各紙とも、リーディングは騎手、馬主、調教師といろいろ載せていて、あまり現地事情に詳しくない人間にとってはありがたかった。

ちなみに、荷桁訪問時のシンガポールリーディングジョッキーはこちらのNunesである。実はこの騎手、荷桁が学生時代にマカオのタイパ競馬場を訪問した際のマカオのリーディングジョッキーであった。中文表記だと冼文諾と書くので「せんぶんだく」と勝手に名付けているこのブログの熱心な読者であれば「ああ、あいつか」となる奴である。
何かと荷桁の旅打ち先に出現する騎手で、なんとなく今後もこのブログに出てきそうな気がせんこともないので、覚えておいていただければ幸いである...

さて、競馬新聞の話から再び馬券の買い方の話に戻そう。
競馬新聞を読んだりパドックを見たりして予想が固まったら、馬券を購入ということになるのだが、クランジ競馬場ではこちらのマークカードによる投票が普及していた。現地人は口頭で窓口で買っている人もいたのかもしれないが、荷桁のような外人にとってはこのマークカードを使って買った方が何倍も楽なので、素直にこれで買っていればOKという感じであった。

日本と同じようにマークカードには何種類かあり、日本のように、通常、フォーメーション、流し・ボックスと買い方で分けるというより、買いたい券種(単複、連単など)で使い分けるようなイメージであった。

こちらが単複および連複のマークカード。左が単複、右が連複・連単のマークカードとなる。

こちらが単複のマークカード。
場名は、シンガポール、マレーシア、香港、他場1、他場2の5か所から選ぶイメージ。あとはレース番号、券種(単勝、複勝、単+複)、馬番を選ぶ。このへんはわかりやすい。
あとは賭け額を選ぶのだが、ここが日本とは少し違う。日本では100円以上100円単位で馬券が買えるが、シンガポールでは5ドルを1ユニットとして、ユニット単位で購入するようなイメージだ。つまり2ユニット=10ドル、5ユニット=25ドルという感じだ。よって何ユニット買うか?というのを選んでマークする必要があるが、すぐ下にこのユニットだと何ドルかというのが書いてあるので、そんなに混乱することもなかった。
ちなみに、場内のオッズ表示も基本的には1ユニット単位での払い戻し金額で表記されており、例えば単勝オッズが10となっていればそれは1ユニット(5ドル)買って10ドルの払い戻し。つまりは2倍ということになる。

今思うとレース番号が20レースまであるが、こんなにレースある日があったのかしら・・・。

連複・連単系も基本は同じ。券種は馬連、ワイド、3連複、3連単、4連単とがある。かつては4連複とかもあったようだが、コロナ後の荷桁訪問時は確認できなかった。馬単は意外なことになし。1ユニットは2ドルである。

ほか、ちょっと変わっているのがこちらの2種類。
左の緑のカードは「Flexi-Quartet(部分投注四重彩)」となっている。こちらはクランジで最も高配当馬券である4連単を小額から買える馬券だ。なんのこっちゃという感じだが、たとえば4連単の4頭ボックスを普通に買おうと思うと24点×1ユニット2ドル=48ドルかかるのだが、このFlexi-Quartetでは「24点を20ドルで購入」みたいなことができるイメージだ。つまり「総額いくら」で買うことができて一点あたりを安く買うことができるイメージだ。当然払い戻しは1ユニット2ドルで買ったときに受け取る金額より少なくなるのだが、小額でワイワイ遊ぶのであれば悪くない感じだ。
右側の青緑色のカードは重勝。2レースの単勝を当てる馬券である。日本風に言えば「WIN2」といったところですかね。

さて、マークカードを塗ったら、窓口で馬券を買えばOK。クランジは基本有人窓口・現金購入であった。

こちらが馬券(単勝)。日本の馬券に慣れているとペラペラしていて心もとないが、まあ海外の馬券というとどこに行ってもだいたいこんな感じであった。

連複系はこんな感じ。まあ、同じよな感じすね。
馬券を買ったらあとはレースを見て叫ぶだけ。クランジの客は本場・場外問わず叫ぶ叫ぶ。特観席で優雅に見るのもいいんだが、やはり一般席でペラペラの馬券を握りしめてオッサンたちに交じって叫ぶのがクランジ競馬場の醍醐味であった。

馬券が当たったら、購入と同じ窓口で払い戻しができた。
とりあえず窓口の人に当たり馬券を渡せば、何も言わずに払い戻しの手続きをしてくれるぞ。

払い戻しはけっこうでかい画面で表示されるので「こいつは100ドル当たったな」みたいなのが周りにばれてしまうのだが、まあこれもクランジのご愛敬であった。
さて、ってなわけでクランジ競馬場の馬券購入まわりのお話でした。まあもはやなくなってしまった競馬場のこんな話をしてもしゃあないのだが、ご容赦頂ければ幸いです。
次回以降ももう少しクランジ競馬場の話をしてまいります・・・。
>>クランジ競馬場レポートその26へ
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