フートー競馬場 その17 〜追憶のフートー〜 そこに競馬があるから 忍者ブログ
日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。

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Trường đua Phú Thọ
フートー競馬場の昼下がり。場内で宝くじを売り歩くおばさんたち。


*フートー競馬場レポートの続編です。
初めからお読みになる方はこちらからどうぞ。



 さて、これまで、当ブログとしてはかなり多い写真と文量でべトナムはホーチミンのフートー競馬場をご紹介して参りました。なかなか世界に類を見ない競馬場だけに行ってみたいと思われた方も多いのではないかと思うのですが、ここで非常に残念なお知らせです。

 荷桁もフートー競馬場の記事を書き始めてから知ったのですが、なんとフートー競馬場は2011年の春より休止になってしまったとのことなのです...

急いでベトナム系新聞社のサイトを調べてみたところ、ベトナムの日刊紙「tuoi tre」(トイチェー)の中にフートー競馬場休止に関する記事を発見しました。

http://thethao.tuoitre.vn/Cac-mon-khac/440804/Tam-ngung-cho-chu-truong-moi.html


 ベトナム語だったので翻訳サイトでざっくり訳してみたところ、ホーチミン市スポーツ局とサイゴンレーシングクラブとの間の競馬場の使用契約が2011年の5月31日以降は更新されず、競馬の開催を取りやめるとのこと。


 その理由としては、市のスポーツ行政の政策方針転換があるということで、今後サイゴンレーシングクラブとしては民間企業と協力しつつ、3年-4年後をめどに新しい競馬開催地をホーチミン市郊外のクチ(ベトナム戦争の遺構などで有名な観光地)に建設する方向だということだ。

 その際には国際基準を満たした立派な競馬場と繁殖施設が完成するとのこと。投資額は1000億ドンになる。


 上記URLの記事内容はざっくり以上。要するに、フートーでの開催をやめて、新しい競馬場を作るということなので、事実上の廃止と受け取れるだろう。



Trường đua Phú Thọ

 調べてみると廃止の兆候は前からあったようだ。


 と、言うのもここ数年ベトナムはかなりの経済成長と開放政策で欧米諸国の投資の対象として非常にホットになっていた国である。海外資本による大規模レジャー開発の一環として、競馬場の開発要請が政府に働きかけられていたようなのだ。

 そのあたりの流れは下記の記事に詳しい。

http://www.vir.com.vn/news/business/horse-track-is-still-lame.html

http://www.vir.com.vn/news/business/indochine-to-play-ball.html


 外国人投資家の間で、ベトナムのレジャー市場は非常に魅力的なのだろう。記事の感じだと、政府の許可さえ出れば早く作りたい!と投資筋は思っていたであろうと想像できる。


 政府としても、フートーで細々と競馬をやっているよりも開放政策で海外資本に大々的に競馬開発をしてもらったほうがトクだと思ったのかもしれない。

 老朽化した施設、子どもがジョッキーという内容、さらにフートーの敷地を別の何かに使用した方がいいなどの意見が同時にあったら、そりゃフートー廃止して新競馬場を建設したほうがいいということになってしまうのだろう。


Trường đua Phú Thọ


 ただ、まあ、そうなってしまうのは非常に寂しいことではある。


 記事の中では新しく作られる競馬場は「世界基準に合わせた競馬場」になるとのことだ。要するに、あの小さい馬もちびっこ騎手もおらず、きれいな馬場をサラブレッドが走る「フツーの競馬場」になってしまうということだろう。


Trường đua Phú Thọ


 しかし、このフートー競馬場が育んできたこの馬事文化と比べてみたときに、新しく作られる競馬場がおもしろくなるのだろうか?それはないだろうと思う。

 何度も紹介している本、競馬があるから旅に出るの中でも、サラブレッド競馬の世界地図の一番隅っこにベトナムを加えて、何の意味があるのだ!という一節があるが、激しく同意である。


Trường đua Phú Thọ


 フートーからクチに移転してしまったら距離も遠くなる。リゾート施設にして富裕層や外国人観光客を相手にしてしまうということは、すなわち、フートーに出入りしている競馬オヤジたちは、はした金を握りしめて競馬に行く楽しみを取り上げられてしまったことになるのだ。ああ競馬を取り上げられるなんて想像するだにかわいそう!


Trường đua Phú Thọ


 もう今更何を言ったところでフートー競馬場はもう再開されない運命にあるのかもしれないが、それにしても、時代の流れと表現するにはあまりに惜しい競馬場を世界は失った。あんなにほのぼのしつつ鉄火場な競馬場は他にはないと思うぞ。2011年最大のショックはこれでした。



 さて、そんな蛇足を付け加えて、書きも書いたり17本のフートー競馬場レポートでしたが、いかがでしたでしょうか?

 いつの日か18本目のフートー競馬場レポートを書くことができる日を切に願っております。長いことおつきあい頂いてありがとうございました。




>>次のレポートへ


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