荒尾競馬場 その6 〜いざ有終の荒尾へ〜 そこに競馬があるから 忍者ブログ
日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。

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荒尾競馬場 Arao Race Course
快晴の荒尾競馬場


*荒尾競馬場レポートの続編です。
初めからお読みになる方は荒尾競馬場レポートその1からどうぞ。






 さて、アメリカ競馬、ペナン、フートーと海外の競馬場をつらつらと書いてまいりましたが、ここで、一旦国内の地方競馬に戻りたいと思います。


 今回よりしばらく取り上げる競馬場は九州の荒尾競馬場です。以前に一度訪問して、当ブログでもそのときの様子を既にご紹介している競馬場なのですが、昨月再度訪問してまいりました。


 再訪の理由は地方競馬ファンの方ならもうお分かりかと思います。実は荒尾競馬場は2011年12月23日を持って廃止になってしまったのでございます...

東日本大震災が起こった2011年。数々の競馬場が打撃を受け、また、競馬を通して被災地を支援した年に、被災地から最も遠い競馬場である荒尾から、2011年度限りでの競馬事業廃止のニュースが飛び込んで来たのは8月のことだった。


 8月19日の西日本新聞の記事で荒尾競馬の会計に関する発表記事がでたのが、今から思えば布石だったのだろう。

 その記事の内容をざっくり言うと、昨年度の荒尾競馬は現金ベースでは黒字が出ていたが、これは会計方式が「官庁型」だからそうなっていただけで「企業型」で計算してみると1700万円の赤字だったんですよ!ということを荒尾競馬組合が発表した、という内容であった。



 昨年度黒字を確保していたという明るいニュースのあとで、わざわざ会計方式を変えて計算したらやっぱり赤字だったんですよ、ということを競馬組合が自ら発表するという流れはやや不可思議だったのだが、それから一週間も経たない8月24日、荒尾市が競馬事業の廃止を突如発表したのである。


 廃止になった理由は簡単に言うと、このまま事業を継続して行っても改善の見込みがないという至極真っ当なものだった。賞典の削減や経費の削減をして無理くり黒字を出して延命したところで、いずれにせよジリ貧に変わりはないということだ。


 組合としても、最終的な結論としての廃止というものがまずあって、それに対する要因と時期を探っていた感がある。


 そして廃止が発表されても、競馬関係者からは大きな反対運動も起こらなかった。



 おそらく、もう荒尾の場合は競馬継続が困難な事を関係者が一番よく分かっていたのだろう。廃止の宣言からなくなる12月までの議論は主に関係者の補償や再就職の問題がメインとなった。


 かつて、いきなり廃止になり関係者を困惑させた中津や三条のようなことにはならず、あくまでも穏やかに、ひっそりと荒尾競馬は廃止へと向かっていったのである、



 そんなニュースをきいて、荷桁が黙っているはずはない。日程の都合上、最終日となる12月23日の翌々日には中山に行かなくてはいけないので、2011年12月1日を個人的な最後の荒尾競馬の日とし、一路荒尾へと向かったのであった・・・。


荒尾競馬場 Arao Race Course


 と、言う訳でやってきました荒尾競馬場。


 入場するといきなり、ご愛顧ありがとうございました横断幕。


 ああ、やっぱり荒尾競馬がなくなってしまうのって現実なんだなあということを実感できる。


荒尾競馬場 Arao Race Course


 そして相変わらずよくわからない物産を販売している。


 このおじさんたちは補償の対象にはならないだろうから、どうなるんだろう。


 当然と言えば当然なのだが、あまり場内の様子に変化はない。いつものおだやかな荒尾競馬場である。


荒尾競馬場 Arao Race Course


 しかし、お客の入りは前回よりも多い感じがした。


 本日は交流競走もいくつか予定されているので、中央の騎手も何人か来るほか、レディースジョッキーシリーズの荒尾ラウンドが行われるなど、わりとイベントデー的なプログラムだったのである。


 気になったのは、カメラを携えた老人グループが多かったこと。

 
 男女比も1対1くらいのグループが多かったため、地元の写真愛好会か何かがツアーでも組んでいたのだろうか。


荒尾競馬場 Arao Race Course

 
 いずれにせよ荷桁を含め、カメラを携えた人間は多く(ちなみに荷桁はポケットにおさまるくらいのコンパクトカメラですべて撮っているので傍目には分かりづらいはずだ)荒尾競馬を惜しむ人が多い様子が感じられる。


 まあ、鉄道路線の廃線でもなんでも、なくなると分かると人が押し寄せるもので、なくなる前からこのくらい来ておいてくれたらよかったのに、と関係者は思っている事だろうな。それはいたしかたないところだ。

 
 
 まあ、ぐだぐだと書き連ねてまいりましたが、しばらく、荒尾競馬場の話をつづけていきます、ということです。
 


 

>>荒尾競馬場レポートその7へ


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