日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。
そこに競馬があるから > ニコシア競馬場 > ニコシア競馬場 その12 〜夕焼けのニコシア競馬場〜
西日差すコースを馬が駆ける。
*ニコシア競馬場レポートの続編です。
初めからお読みになる方はこちらからどうぞ。
ニコシア競馬場は徐々に夕暮れに向かって日が傾いてくる。緯度が日本より高いのでわりと日照時間は長いのだがそれでもだんだん競馬場がいい色合いに包まれてくる。レースは27分きざみでさくさく進み、特に滞ることもない。人々も大声でしゃべったりはしないので、場内はわりと静かだ...
こちらの競馬オヤジはアジアの競馬オヤジ(例:荷桁)と違ってあまり大声で叫んだりはしない。まあ、多少は叫ぶが「よし、行け!」「よしよし、入った!」くらいのもんである。「マツオカー差せー!!」「ハマナカ、残れー!!」「ノリ、追うのやめるなよー!!」といったたぐいの叫びというのは基本的にないとみていいだろう。
ちなみに、ニコシアのレースの賞金体系は日本の地方競馬くらいだ。
下のクラスの総賞金が€3000くらいで、上は€5000、重賞になっても€10000を超えるくらいの感じで、あまり賞金の格差がないのが特徴だ。
人口規模は高知くらいなので、わりあい売り上げとしてはしっかりしていると思われる。現にオッズ画面に売り上げが表示されるのだが、ごらんのとおり平日の平場のレースの単勝だけでも€10000は近くは売り上げがあるようだ。高知の単複なんて数千円しか売れないのにえらい違いである。
その売り上げを下支えしているのが、街中に数多く存在している "Authorised Betting Agents" だ。いわゆる場外発売所である。これがキプロス国内にはかなりの数あってサッカーくじやなんかと一緒に馬券を販売しているのである。
この Authorised Betting Agents の数だが驚くなかれニコシアだけで60か所近くある。そのほか地方都市のリマソール、ラルナカなどにもそれぞれ20件づつあるので全国で100か所以上の場外馬券売り場が機能していることになるのである。日本の競馬関係者からしたら何ともうらやましい話だろう。
ニコシア市内のベットショップ。右の看板に競馬のマークがあるのがお分かりいただけるだろうか?
お店の規模は大したことなく、イメージとしてはオーストラリアのTABに近い感じだ。しかし、こうしたミニ場外の積み重ねで売り上げを確保している努力はかえる。しかし、そう考えると、ニコシア競馬場の賞金って売り上げのわりに安くないか?控除率が低いのか、関係者への手当の類が充実しているのか国庫に入るお金が高いのか・・・?
そんなに物価が安い国というわけでもないのでよくわからないところではある。とはいえ日本もこうしたミニ場外を量産しないと中央も地方も共倒れになっちまうぞ。
ちなみに、競馬を見ていてふと気が付いたのだが、向こう正面の奥に見える山に何やらトルコ国旗みたいなものが描かれているのである。
キプロスの国自体を説明したときにキプロス島の北半分はトルコ系が実効支配しているよという話をしたと思うが、まさにその北キプロス領の山が競馬場から見えており、しかもそこにはこんなものが描かれているのである。
要するに南の人たちのみやすいところにああいったものを描いている一種のプロパガンダなのだろうが、競馬やってるときもこうしたものがでかでかと見えてしまうというところがやっぱりこの国ヘンだなあ、などと思えてしまう。
まあ現地人からしたら慣れっこなのかもしれないが、こちらからすると「あんなもん見えてますけど競馬できる気分なんすか?」という疑問を禁じえない。
国家分断という非日常が日常になってしまっているシュールな競馬場だと言えよう。当然ながらみんな気にしてる様子はみじんもないのでこちらも気にするこたないのだが。
余談だが、この国旗、夜になるとライトアップします。
しかもリズミカルについたり消えたりしながら。
よくわかんねーなあキプロス。
>>ニコシア競馬場レポートその13へ
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このブログは「そこに競馬があるから」といいます。
競馬場巡りに魅せられてしまった筆者、荷桁勇矢(にげた ゆうや)が、日本の競馬場、海外の競馬場を訪れながらその様子をご紹介して行くブログです。
紹介している競馬場の情報は訪問当時のものですので、競馬場に行かれる際は最新の情報をご確認のうえ、自己責任で行っていただきますようお願いいたします。
またこのサイトの写真や文章は基本的に無断で使用されると困るのですが、もしどうしてもという方は荷桁までご連絡ください。そのほかご指摘やご質問がある方も荷桁まで直接ご連絡ください。コメント欄は管理が面倒そうなので当分オープンにはしないつもりです。悪しからず。
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