フートー競馬場 その4 〜ちいさい馬にちいさい騎手〜 そこに競馬があるから 忍者ブログ
日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。

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Trường đua Phú Thọ
フートー競馬場のちびっこ騎手。カメラを向けたらにっこり微笑んでくれた。


*フートー競馬場レポートの続編です。
初めからお読みになる方はこちらからどうぞ。





 お久しぶりです荷桁です。東京開催となった南部杯はがっつり取れたのですが、菊花賞、天皇賞と冴えない日々が続いております。G1戦線はまだまだつづきますが、なんとかしていきたいものです。



 さて、間があきましたが、フートー競馬場レポートの第4弾です。



 前回のレポートの最後で、この競馬場では競走馬がポニーで騎手が子どもという話をしたかと思うのですが、今回はそのあたりから話を初めて行きましょう...


 まず、競走馬がポニーというところから。



 そもそもポニーの定義ってなんだ?というところからお話しすると、ポニーというのはそういう品種があるわけではなく、肩までの高さが147cm以下の馬の総称である。



 フートー競馬場の馬にはサラブレッドほどではないものの、それなりにでかい馬もいるので、一概にすべてがポニーとも言い切れないが、どの馬もサラブレッドやアラブ種に比べてかなり小さい馬なのは事実である。見た感じの馬体重だと200ー250キロくらいにしか見えない。



 具体的にこの競馬場で走っている馬がどういう種類の馬かというの、詳しい文献がみつからないのでよく分からないというのが実際のところなのだが、ウィキペディアによると、サラ系の半血種が1960年代に馬産と競馬のために輸入されたとのことなので、その時の馬と在来種が混血していった末裔が現在のフートー競馬場の競走馬とみるのが妥当であろう。



 日本の草競馬なんかで見かける、中間種あたりが一番近いのかもしれないな。




Trường đua Phú Thọ



 この小さい馬たちを乗りこなせるということは必然的に騎手は子どももしくは子ども並の体格の大人でなければつとまらないということになる。



 斤量は軽いもので35キロから重い物だと50キロというケースもある。平均では40キロ前後だ。どうやら馬体に差がありすぎるため、ある程度馬自体の大きさや強さに合わせて斤量が割り振られている風であった。




Trường đua Phú Thọ



 従って、わりと大きな馬に騎乗している騎手にはどう見ても子どもではないなという感じの人もいたので、なにかしらの年齢制限があるというよりは、斤量通り乗りこなせる人間なら誰でもいいというような制度なのだろう。結果的に体重30キロ代の大人はそうそうおらず、子ども騎手ばかりになっていると言えそうだ。



 しかし、子どもを乗せて博打をやっているようなものが堂々と行われているのがすごいな。ユニセフとかに目をつけられたらえらいことになりそうだが。



 まあ実際には「騎手は○○才以上」なんつー決まりがあるのかもしれないが、どう見ても小学生みたいなのがたくさんいるよなあ。まあ彼らにお金を賭けて騎乗を楽しんでいる時点で荷桁も同罪なんだろうが。




Trường đua Phú Thọ


Trường đua Phú Thọ



 よくよく騎手を見ていると、脇で馬を引いている人に顔が似ているなあ、なんてこともままあるので、ひょっとしたら厩務員や調教師のご子息や親戚なんてことも多いのかもしれない。



 
 ベトナムの厩舎制度がどうなっているのかはよくわからないが、競馬新聞には馬の名前の脇に Horse Owner(=馬主)の名前は書いてあっても、調教師や騎手の名前は書いていない。馬主がすなわち調教師みたいなものを兼ねていてそれぞれが自分の懇意の騎手に当日騎乗依頼をするという仕組みになっているのだろうか。



 極端な話だが、田舎の農家のおっさんが、自宅で飼っている馬を競馬開催日にフートーに連れて来て、子どもを乗せて賞金を稼ぎに来ているのかもしれない。まさに父ちゃんは調教師、息子は騎手というパターンだ。



 競馬場の近くにまとまった厩舎があるわけでもないし、郊外にトレセン的なものがあると考えるのはもっと不自然な気がする。競馬新聞を見ていると馬主は中国系の名前が多いようであったのでひょっとしたら馬主は金持ちの華僑で、調教だけを調教師に依頼しているという日本スタイルである可能性もあるのだが。



 まあ、細かい詮索をせずとも、ベトナムの地では小さな馬に小さな騎手が乗って行われる競馬があるのです、ということを記憶していただければけっこうです。



 今回は説明くさい文章になってしまったので、次回以降はレポートらしくパドックやレースについて、ご紹介して行きます。




 


>>フートー競馬場レポートその5へ



*この競馬場が好きな方はこちらの競馬場もお好きだと思われます。

 ペナン競馬場 その1 ~再びマレーシア競馬へ~
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 ソウル競馬場 その1 〜韓国競馬に手を出すぞ〜
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*フートー競馬場に関する記事は以下にもあります。

 フートー競馬場 その1 〜さらにベトナム競馬へ〜
 フートー競馬場 その2 〜ホーチミンという街〜
 フートー競馬場 その3 〜こんな競馬もあるものよ〜
 フートー競馬場 その4 〜ちいさい馬にちいさい騎手〜
 フートー競馬場 その5 〜いざパドックへ〜
 フートー競馬場 その6 〜返し馬なんてやらない〜
 フートー競馬場 その7 〜自分の馬券は自分で守る〜
 フートー競馬場 その8 〜フートーでの神秘体験〜
 フートー競馬場 その9 〜フートー馬券考〜
 フートー競馬場 その10 〜ここが検量室〜
 フートー競馬場 その11 〜バックヤードツアー〜
 フートー競馬場 その12 〜フートー競馬場グルメ〜
 フートー競馬場 その13 〜フートー競馬場スタンド考〜
 フートー競馬場 その14 〜フートー競馬場の「モノ」たち〜
 フートー競馬場 その15 〜馬のいる競馬場〜
 フートー競馬場 その16 〜スコール決行〜
 フートー競馬場 その17 〜追憶のフートー〜





 

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