笠松競馬場 その3 ~土地訴訟問題~ そこに競馬があるから 忍者ブログ
日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。

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笠松競馬場
笠松競馬場4コーナーの攻防。直線は長くない。長くないから・・・3番手に穴が残っちゃうんだよなあ。チクショウ。


*笠松競馬場レポートの続編です。
初めからお読みになる方は笠松競馬場レポートその1からどうぞ。






 さて、笠松競馬場の話を続けていこう。

 
 今回はややものものしいタイトルである。だが、笠松競馬場の現在を論じるには避けては通れないトピックであるので、しっかりと触れておくことにしよう。


 いくら競馬場大好きとはいえ、こういうのを見ないフリして競馬場を礼賛しておくブログというのは当方の目指すところではございません...




 さて、笠松競馬場の観察を続けていこう。




笠松競馬場パドック



 笠松競馬場の特徴を語っていく上で、一番よく取り上げられるのはこの写真を見てお分かりのように、パドックが走路の内側にあるということであろう。


 
 日本はもとより国外の競馬場もいろいろと見てきたが、こんなところにパドックがある競馬場は笠松競馬場以外に見たことがない。



笠松競馬



 そもそもパドックとは客に馬を見せることが目的であるので、その目的を果たすためには走路の内側に作るという発想はまずありえないはずだ。これはやはり、面積的にスタンドの側にパドックが置けない事情があったと見るのが妥当であろう。



 前回のレポートで笠松競馬場の航空写真を一部ご紹介したが、確かにあれを見る限り、とてもじゃないが、スタンド周辺にパドックを置けるスペースなどはなさそうだ。


笠松競馬場
バスでパドックへ乗りつける騎手たち



 ちなみに、騎手たちは写真のように赤いマイクロバスに乗って、パドックへやってくる。何か余計な費用がかかっているような気がしないでもないが、まあ、夏は暑いし、冬は寒いし、仕方ないのだろう。騎手会が過去の労働争議の末に勝ち取った権利なのかもしれないし。



 しかし、それ以上に注目して欲しい部分がいまご紹介したパドックの写真の一部にあるのだが、もう一度、目を遣っていただいてもよろしいだろうか。

 

笠松競馬場 コース



 あまりに溶け込み過ぎていてあれなのだが、何と走路内に高圧鉄塔があるのである。繰り返しになるが、溶け込んでいるが、フツー、競馬場の内馬場に高圧鉄塔なんか存在しませんぜ。


 ほかにもよくよく見てみると、まだまだ笠松競馬場の内馬場にはいろいろなものがある。



笠松競馬場 コース


 なんとこちらは畑だ。ネギかタマネギか分からないがすくすくと成長している。


 しつこいようだが、走路内に農地がある競馬場というのは、そうそう、他にはないだろう。(しかし案外、走路の内側で野菜を育てるというのはありかもしれないな。たい肥になる馬糞も大量に手に入るし。経営難の競馬場の新たな収益源になるかも!?。)



 ここまで書いたら察しのいい人は分かるだろうが、この競馬場の敷地の大部分は私有地なのである。何と30ヘクタールほどある笠松競馬場の敷地の98%が借地で、その借地でもって競馬開催が行われているのである。



 写真に撮ることははばかられたのでここには無いが、敷地内には墓地まである。



 土地は遊ばせていたら税金だけ取られて非常にもったいないものだ。だから地主さんも競馬場の内馬場の道路に接していない土地だからといって黙ってはいない。野菜を作ってみたり、鉄塔をが建つ土地として提供してみたり、と積極的に活用しているのである。



 そんな不思議な笠松競馬場なのだが、この「私有地を借りながら競馬を開催している」という状況が現在の笠松競馬場の大きな悩みのタネになっているのだ。



 いわゆる笠松競馬場土地訴訟問題である。



 事の発端は、長年土地を笠松競馬に貸していた地主さんたちが「賃料が不当に安い」として笠松競馬の組合に抗議したことから始まる。


 アパートでさえ、大家に家賃値上げを迫られたりすることもあるので、まあ、ここまでは土地がらみの話としてはよくある話と言えるのだが、そもそも経営難の笠松競馬場にとって、賃料を値上げされてしまうということは、即廃止につながりかねない死活問題だから、これは大変だ、というわけなのだ。



 結局、笠松競馬が潰れてしまっては賃料もへったくれもないという意見もあって、潰れないくらいのところで和解したわけだが、「自前の土地でない」という状況が笠松競馬場の先行きを不透明にしていることを改めて露呈する形になってしまったのである。



 だいたい、こうした公営ギャンブルの存廃問題を論じるときは、論じ手が「ギャンブル好き」か「ギャンブル嫌い」かの主観がわりあいはっきりしているため、「赤字かもしれないがそれでも火を消さないで欲しい」「そもそも公営ギャンブルの役目はもう終わった」といったように極端な議論がなされることが多い。



 荷桁はもちろん前者であり、とても客観的に論じられる人間ではないため突っ込んだ発言は控えるが、笠松競馬場が2010年現在、こんな問題を抱えているんだよ、ということだけはここに記しておくことにする。(追記:のちに和解しました)



笠松競馬



 だから、何か感じるところがある人は笠松競馬場に行って派手に負けましょう(?)ということなのであります。



 さて、しめっぽくなってしまったが、次回からはもう少し明るい感じで笠松をまわっていこうと思います。




 


>>笠松競馬場レポートその4へ




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 笠松競馬場 その3 ~土地訴訟問題~
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