函館競馬場 その7 ~函館競馬場 スタンド~ そこに競馬があるから 忍者ブログ
日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。

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函館競馬場
函館競馬場のスタンド。



*函館競馬場レポートの続編です。
初めからお読みになる方は函館競馬場レポートその1からどうぞ。




 無駄な回が多かったとは言え、函館競馬場レポートも7回目を数えました。


 特徴としてパドックを見るパドックシートがやたらと充実していたり、はなみちがかぶりつきで見られたりと色々小技が仕込まれている函館競馬場だが、あらためてスタンドの中をぐるりとしてみよう。



 とは言いながら、先にも申し上げたとおり、函館競馬場のスタンドは指定席エリアを除くと実質2階しかうろつけるところはない。荷桁は今回指定席に入れなかったので主に2階の様子をお伝えしていくことにしよう...


函館競馬場のスタンド



 函館競馬場のスタンド内部はなかなかにデザイナボーである。



 遊び心に欠けた無味乾燥なスタンドが多い日本の競馬場においては、こういうデザインを取り入れているのは素晴らしい試みである。



函館競馬場のスタンド



 全体的に茶色がフィーチャーされており、落ち着いた雰囲気にまとまっているのも魅力的だ。


 一応、設計をした東畑建築事務所によると、

 「リゾート地の開放感あふれる競馬場」を基本理念とし、スタンド上部庇は、真っ白な雲をイメージさせる波打つ天蓋を広げたデザインとしました。津軽海峡を望む立地とあいまって、牧歌的雰囲気を感じさせるものとしています。


 とのこと。*同社ウェブサイトから抜粋



 たしかに、木目やレンガを感じさせる雰囲気は北海道のリゾート地のペンションのような雰囲気を思い起こさせるし、我々のような旅打ちの人間にとっては本州の競馬場にない雰囲気があり、旅情を感じさせてくれる。



函館競馬場のパドック


函館競馬場の遠景



函館競馬場の馬券売り場




 思えば、これまで見てきたパドックや入場門付近、馬券売り場に関しても総じてレンガ調だったりして統一感があっていい。




 日本の建築物ってどうしても統一感を持たせるということを苦手としているパターンが多いのだが、きちんとした心を持った人はいるのだなあ。(うちの大学がひどかったなあ。建物全部違う素材の外壁でほんとセンスないと思った。)



函館競馬場



 ちなみに、レース後の検量室前もこの木目調だ。美しい感じである。



函館



 しかし、うろついていて何となく感じられたのだが、重賞の日とは言え、全体的な混雑感は否めない。



 そもそも馬券を売っているのが2階のみというのも、どうなんだろう。訪問した日が両日ともエルムステークスとキーンランドカップという、まだそれほど人気のない重賞の日だったからよかったものの、函館記念とかにこのキャパシティーというのは不安を感じる。雨が降ったりしたらなおのことひどくなりそうだ。



 中央の他場でもリニューアル後の中京競馬場は普段あまりお客が来ていない日を前提に設計したのか、高松宮記念の日やG1の場外発売の日はひどい混雑になってしまい、辟易してしまう競馬場に変貌してしまった。



 JRAもなるべく無駄がないような作りにしたい気持ちは分かるが、これだと混雑日の機会損失が膨大になってしまうのではないかと心配してしまう。また、ファンが「あんな混んでるんなら行かねー」と思ってしまうのは自明の理だろう。


 
 そもそも高松宮記念などわざわざ足を運ぶ価値があるレースだから普段競馬に行かない人も競馬場に行くきっかけとなり、ファンとなってくれるということをどう考えているのだろう。高松宮で辟易したファンが豊明特別(1000万下)なんか見に来るはずがないだろうに。




函館競馬場のトイレ



 またトイレに関しても全体的に少ない感は否めない。



 一番人が集まるであろう2階でもトイレはわずかに2か所だ。1階のトイレ近くには何故かこんなシュールな張り紙がなされていたが何なのだろう。1階のトイレはものすごく数が少ないので、混雑緩和のためにお客を散らしているのだろうか。



 函館競馬場はデザインは褒めるに値するが、広く最大公約数的な満足度はそんなでもないだろうな・・・というやや残念な競馬場と言えよう。特に「快適に馬券を買う」ということに関する定義によっては悪い点をつけられてしまうおそれもある。最終的には個人の主観の問題になってくるのだろうが・・・。



 そもそもパドック前にいてもゴール板前にいても、2階まで上がらないと馬券が買えないという構造はややストレスフルだ。お年寄りにとっては運動量がハンパないだろう。ある意味鍛えられるという見方もできなくはないが。



函館競馬場のテラス部分にくつろぐ人々



 そういうのもあってか、地元のじいさんたちはこうして2階のテラス部分などを活用してひっそりと競馬に勤しんでいた。




 今度札幌がリニューアルするが、このような縮小傾向のリニューアルだとすれば(実際そうなんだろうけど)最初の1年は混雑でえらいことになるだろうな。



 地方競馬のスタンドはちょっと不便でも、圧倒的に人もいないし、「それもまたよし」としてしまえるが、こと中央に関しては来場客に対しての節約っぷりがやや鼻につくので、ついつい愚痴っぽくなってしまう・・・。まあ年間開催12日という部分では致し方ないのかもしれないな。むしろ年に12日しか競馬をしない施設にしてはこれだけ豪華なんだという見方もできなくもないし・・・。



函館競馬場スタンドからの眺望



 スタンドは1~2階までは基本的に自由席で、立ち見席が充実している。コースは距離的にも角度的にも見やすいため、観戦をする分には不自由な点はないだろう。



函館競馬場



 いろいろ文句は言ってみたものの、リゾート施設のようなデザインと開放感は気持ちがいいし、荷桁訪問時のように大して混んでいない日に行くのであれば、コンパクトにまとまっていて使いやすい競馬場だという評価もできるかもしれない。




 結局はその日の混雑次第というのと、各々がどのように競馬場を楽しむかということなのであまり気にせずにぼさーっと楽しむのが一番なのではないだろうか。そもそも、馬券は競馬場にいてもケータイで買うという方にとっては、窓口の混雑などさほど気にする必要もありませんしね。



 さて、次回以降も函館競馬場レポートを続けてまいります。




 



>>函館競馬場レポートその8へ





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 門別競馬場 その1 ~競走馬のふるさとへ~
 札幌競馬場 その1 ~北のシティ競馬~
 福島競馬場 その1 ~福島上陸~
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*函館競馬場に関する記事は以下にもあります。

 函館競馬場 その1 ~苫小牧をぶらつく~ 
 函館競馬場 その2 ~函館のアホ~ 
 函館競馬場 その3 ~日本全国競馬場制覇~ 
 函館競馬場 その4 ~美しく小ぢんまりした競馬場~ 
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 函館競馬場 その7 ~函館競馬場 スタンド~ 
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 函館競馬場 その16 ~ダッグアウトパドックに行ってみた~
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