日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。
そこに競馬があるから > 船橋競馬場 > 船橋競馬場 その1 ~やっとこさ船橋~
どうも。荷桁です。
タイ王国はチェンマイ競馬場レポートから一転、今回からは船橋競馬場のレポートを始めたいと思います。
・・・と、ここまで書くと、このブログの熱心な読者の方は「おお!遂に船橋競馬場レポートか!」となるかもしれませんね。実は当ブログ「そこに競馬があるから」は2008年12月のオープンからこれまでかれこれ11年ほど経っているのですが、意外なことに、これまで船橋競馬場を取り上げることはなかったのであります。船橋競馬場には2008年の春ごろには訪問していたため、行ったことがなかったという訳ではなく、行ったことがあるのにレポートをしていなかったということになります。
ぶっちゃけ、特に何かしら深い理由があったわけではなく、荷桁自身が2009年の7月から大阪に転居してしまったということもあり(2019年4月より再び東京へ)、なんとなく、そのうち行くようなことがあればまた書くか、くらいに思っていたら思いのほか開催日にタイミングが合わず、逆に他の競馬場のネタは大量に入ってきていたためそちらはそちらでレポートせねばならず、ダラダラと船橋のレポートをする機会を逸していたというのが実態でございます・・・。
ただ、そうして船橋競馬場だけをいつまでも寝かしておく訳にもまいりませんので、ようやくこうして重い腰を上げて船橋競馬場レポートに取りかかった次第でございます。タイトルにある「やっとこさ船橋」というのは荷桁の偽らざる本音なのです・・・。という訳で、11年越しの、と言ってしまうとややハードルが上がってしまいそうな気がいたしますが、船橋競馬場レポート、やっとこさスタートいたしますのでよろしくお付き合いの程、よろしくお願いいたします...
さて。そんな訳で始まった船橋競馬場レポートであるが、まずは船橋競馬場の歴史について簡単に解説しておくことにしよう。
船橋競馬場はかつて千葉県にあった柏競馬場の流れを汲んでいる競馬場である。
柏競馬場は現在の柏市豊四季台団地のあたりに昭和3年(1928年)に作られた競馬場で、当時、日本最大規模の公営競馬場と謳われた競馬場であった。戦前はかなりの賑わいを見せたものの、戦後は立地の悪さや同時期にブームとなった競輪との競合などにより売上は振るわず、主催者の千葉県競馬組合は集客力のある立地に新たな競馬場を建設して柏競馬場を廃止にすることで再起を図ることにしたのである。
そこで白羽の矢が立ったのが船橋の現在地であった。当時の柏町に比べて人口が多く、埋め立て地には広い土地があったため何かと条件的に具合がよかったのであろう。かくして1950年に船橋競馬場は開場。その後は当地で70年ほど競馬が続いているということになる。管理と運営は開場当初からよみうりランドが行っている。ちなみに開場と同年には内馬場にオートレースのコースもでき、1968年に競馬場の南に移転するまでは競馬場とオートレース場を兼ねた施設として稼働していたことも押さえておくとよいだろう。1978年からは柏競馬場を記念したかしわ記念が開催されるように。「なんで船橋なのに柏やねん」と思っていた方、実はそういう経緯なのでございます。
その後は、千葉県競馬組合(千葉県、船橋市、習志野市)を主催者として売り上げ規模的には大井、川崎に次ぐ南関東の3番手競馬場として、地味ながらも競馬ファンおなじみの競馬場として脈々と開催は続けられたことになる。この間、売り上げが低迷した時期もあったものの2015年からはナイター開催が始まり、現在は他の地方競馬場と同様に売り上げが回復基調にあり、苦戦期に積みあがった累積赤字も解消されたとのことである。
石崎隆之騎手(写真は川崎競馬場です)
競馬場としてはトーシンブリザード、アブクマポーロ、アジュディミツオー、フリオーソなど全国的に活躍した名馬を輩出、また騎手としては地方通算歴代3位の勝鞍がある石崎隆之騎手が所属していたことで知られている。
荷桁と同世代くらいの方だと、漫画『みどりのマキバオー』に出てくるサトミアマゾンという馬で船橋競馬場を知ったという方も多いかもしれない。
船橋競馬場内にもサトミアマゾンを紹介するコーナーが
船橋競馬場所属ながら弥生賞で2着に食い込みクラシックへの参戦が決まったサトミアマゾン。「皐月賞を勝ち、強い船橋をアピールして、ここに人を集める」「お前ら・・・中央で走るのはそんなに凄い事か・・・?だとしたら船橋(ここ)は・・・地方は何なんだ?地方競馬は中央の2軍だと言うのか・・・!!」など自らが中央の舞台で活躍することで船橋競馬をアピールしようと意気込む姿や、皐月賞で中央の強豪の前に力尽きそうになりながらも「くそ~!! 船橋に人を・・。人を集めるんだ!!!」と歯を食いしばり3着に食い込む姿などに涙を流した方も多いのではないだろうか。
その後サトミアマゾンはダービー4着、菊花賞は惜しい2着に善戦。フィクションの世界の馬ではあるが、船橋競馬場を語る際には外せない一頭だと言えるだろう。ダービーのレース中に船橋の寮馬たちの声援が頭に過ぎるシーンはマジで熱いぜ。
とまあ、最後は少し余談も挟んでしまったが、一応船橋競馬場のざっくりとした歴史をご紹介いたしました。
荷桁が初めて船橋競馬場を訪問したのは2008年5月5日。第20回かしわ記念(当時はG1)が行われた日である。
当時荷桁は中央線の武蔵境駅近くに住んでいたため、中央線で東京まで行って、京葉線に乗りかえて南船橋に向かったのであった。写真のとおり、中央線も京葉線も当時はまだ201系電車がガンガン走っていた時代で、こうして見ると隔世の感があるな・・・。
当時は既にいくつかの地方競馬場および海外の競馬場にも行ったことがある身であったが、やはり船橋競馬場に最初に足を踏み入れたときにはそこはかとない地方競馬の雰囲気を感じて興奮を覚えたものである。
当時はまだ一階の投票所の改修も行われておらず今よりも地方競馬場感があった。ひと昔前の園田競馬場の第5、第6投票所に近い雰囲気である。
スタンドの趣は現在とさほど変わらない感じだ。かしわ記念の日ということもあって、いい具合に賑わっていた記憶がある。
詳しくは後のレポートでやるが、現在では立ち入り禁止になっているスタンド東側の半分も当時はしっかりと稼働していた。入れなくなるんだったらもう少しよく見ておくんだったわい。
写真の質が悪くて恐縮だが、この日のかしわ記念はボンネビルレコードやらフジノウェーブが来ていてテンションが上がったものである。結果は1番人気のブルーコンコルドを最後にボンネが差し切るという痺れる展開になったのであった。
また当時の船橋競馬場の馬券はまだ磁気式が主流で、こんな感じの切符みたいな馬券が出てくるのも地方競馬らしくて一興であった。
その後、2008年にもう一度船橋競馬場に行ったものの、前述のとおり09年から荷桁は大阪に引っ越したため、なかなか船橋競馬場には行けずに月日が流れてしまったのであった。
久々に船橋競馬場を訪問したのは8年以上が経った2016年の12月。東京に行ったついでにナイター開催を見たのである。この時にはナイター開催に合わせたリニューアルが行われていて2008年の頃とはスタンド自体は変わっていなかったもののいろいろ入れるところが減っていたり、投票所が変わっていたりしてほとんど執筆時の状態となっていた。
その後、1年に1回行くか行かないかくらいのペースで訪問をして観察と徘徊を続け、今回ようやくの執筆と相成ったのでございます。そういう意味ではもう少し早くにレポートできなくもなかったのですが、タイの競馬場のレポートなんかもたまっていたため、そのあたりはご勘弁くだされ。
ってなわけで、冒頭、船橋競馬場のざっくりとした歴史の話と、私的な船橋競馬場との付き合いからお話しをいたしました。
皆さんもうご存知のことと思うが、船橋競馬場は2020年度から23年度の丸4年をかけ、約100億円を投資して、観覧スタンドの建て替えと場内のリニューアルを敢行することなっている。その間もレースは行われるが、現在のスタンドの様子は大きく様変わりをしてしまうことになると思われる。
実はこのタイミングで船橋競馬場レポートをやろうと思ったのはまさにこの改修の報道が入ってきたからなのだ。このまま改修工事に入ってしまったらしっかりとしたレポートが書けるのは23年度以降ということになってしまう。それなら、すぐに様子は変わってしまうかもしれないが、ひとまず現在の船橋競馬場を記録に残す意味でもしっかりと書いておこうと思った訳でございます。
このブログは一義的にはこれから競馬場を訪問しようと言う方の参考になるように競馬場の様子をレポートしている訳でございますが、競馬場のリニューアルや飲食店の閉店が相次ぐ中、競馬場の様子を記録しておくという役割もかなり大きくなってきているなと自覚しております(そして荷桁個人としてはそれを目的にやっているところがございます)。
やや遅きに失した感は否めませんが、ひとまずこれからのレポートではリニューアル前の船橋競馬場の様子をご紹介させていただき、2010年代の船橋競馬場の様子がしっかりと分かるような中身にしてまいりたいと思いますので、何卒よろしくお願いいたします・・・。
>>船橋競馬場レポートその2へ
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浦和競馬場 その1 〜南浦和からバスでアクセス〜
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金沢競馬場 その1 ~金沢けいば冬景色~
*船橋競馬場に関する記事は以下にもあります。
船橋競馬場 その1 ~やっとこさ船橋~
船橋競馬場 その2 ~船橋競馬場 アクセス 南船橋から徒歩で行く~
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