チェンマイ競馬場 その1 ~いざチェンマイへ~ そこに競馬があるから 忍者ブログ
日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。

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チェンマイのワット チェディルアン
チェンマイの中心部にある寺院。ワットチェディルアン





 有馬記念を3歳のブラストワンピースが制し、ホープフルステークスではサートゥルナーリアが圧勝し、東京大賞典ではこれまた3歳のオメガパフュームが勝利し、なんだかんだ賑やかな感じで終わった2018年の暮れ。当然のことながら荷桁はあっちゃこっちゃの競馬場やらウインズに顔を出しつつ、これらを満喫したのであった。



 年が明けて2019年。正月休みを地方競馬に明け暮れていたかと思えば、あっという間に東西金杯。それが終わると年末年始に浮足立っていた気分も落ち着き、ちょっと競馬も小休止、と相成るはずであったのだが、そんな流れで迎えた1月10日の深夜。荷桁はひっそりと日本を出国した。行先はタイ王国の地方都市、チェンマイである。



 こんなブログである以上、突如としてチェンマイに飛び立った理由は勿論「そこに競馬があるから」であるということは皆さん容易に予想がつくと思うのだが、なんでまたタイのチェンマイなのかという部分については、少し説明が必要かと思うので、まずはそのあたりからお話をさせていただくことにいたしましよう...


Royal Turf Club of Thailandロイヤルターフクラブ競馬場



 2019年の1月からさかのぼること8か月前。荷桁はタイのバンコクにいた。



 訪問の理由は勿論ここでも「そこに競馬があるから」。バンコクのロイヤルターフクラブ競馬場というところを訪問していたのである。



 その時の訪問の様子はこのブログに書き連ねているので興味がある方は読んでもらえればと思うのだが、訪問からしばらくした9月。このロイヤルターフクラブ競馬場は廃止となってしまった。そう。この2018年という年はタイの競馬界にとっては100年以上続いた伝統あるバンコク市内の基幹競馬場が廃止になるという、大きな出来事のあった年なのである。




Royal Turf Club of Thailanロイヤルターフクラブ競馬場
ロイヤルターフクラブ競馬場



 ロイヤルターフクラブ競馬場が廃止になる前の2018年春の時点で、タイには5か所の競馬場が存在していた。



 ひとつはタイ最古の競馬場でもあるロイヤルバンコクスポーツクラブ競馬場、さらに同じバンコク市内にあるロイヤルターフクラブ競馬場。そしてタイ第二の都市チェンマイにあるチェンマイ競馬場、タイ東北部の地方都市ナコーンラーチャシーマーにあるコラート競馬場、ラオスとの国境近くにある地方都市ウドーンターニーにあるウドーンターニー競馬場を加えた5場体制だったのである。




ロイヤルバンコクスポーツクラブ競馬場
ロイヤルバンコクスポーツクラブ競馬場



 バンコクにある二つについては、それぞれ、ロイヤルバンコクスポーツクラブ、ロイヤルターフクラブという王室の庇護を受けた二つのジョッキークラブの運営。コラート競馬場とチェンマイ競馬場は軍隊による運営。さらにウドーンターニー競馬場については民間企業による運営と、それぞれ運営主体はバラバラで、相互に馬券を発売したりなどの共通のインフラが作られているなんつーこともないのだが、人馬の交流はあるようで、バンコクの2場については馬も騎手もどちらのレースにも出走するというスタンス。さらにバンコクで通用しない馬が地方の競馬場に流れるという、日本でいうところの中央競馬と地方競馬のような構図もあり、なんやかんや言いつつもタイの競馬界というのはそれなりにゴキゲンに回っていたのであった。


*ロイヤルターフクラブ競馬場の歴史がもっと詳しく知りたいという方はこちら、ロイヤルバンコクスポーツクラブ競馬の歴史がもっと知りたいという方はこちらのレポートをどうぞ。




Royal Turf Club of Thailand
ロイヤルターフクラブ競馬場



 ところが先述のとおり、基幹競馬場のひとつであるロイヤルターフクラブ競馬場が廃止になってしまったからさあ大変。タイの競馬界は売り上げのでかいバンコク2場のうちのひとつを失ってしまったのである。バンコクでのレースが半減すれば何より打撃が大きいのは競馬産業に携わる人々、つまり生産者や調教師、騎手などである。なにせレース数が減れば稼げる場も減るということで、廃業に追い込まれるところも出てくるであろうことが想像できる。




Royal Turf Club of Thailand
ロイヤルターフクラブ競馬場



 そうなってくると当然のことながらその影響は残った4場にも出てくることが想像できる。すなわち、馬に携わる商売をしていても稼げないのであれば撤退する人が多くでるのは必然で、そうなると魅力的なレースが組めなくなり、売り上げや来場客も減るというスパイラルに陥るのである。



 タイのネットニュースなどでも、タイの競馬産業に対するネガティブな報道がチラホラ出てきていて、日本のいつぞやの地方競馬のような様相を呈してきているのだ。





The Royal Bangkok Sports Club ราชกรีฑาสโมสร
ロイヤルバンコクスポーツクラブ競馬場



 そんな流れもあり、このままだとここ数年のうちにタイから競馬場というものがなくなってしまうかもしれんのう、と思った荷桁はとりあえず2018年5月のロイヤルターフクラブ競馬場訪問以降、国内での旅打ちはしつつも海外へのリソースは当面タイ競馬にかけることにしたのである。



 ひとまず、涼しい乾季に入った2018年の11月にロイヤルバンコクスポーツクラブ競馬場を訪問。これでタイ競馬で行けていないのはチェンマイ、コラート、ウドーンターニーの3か所となった訳である。



 とりあえず善は急げということで、暑季や雨季に突入する前に、もう一か所くらい行っておくかと思い、3つのうちどれに行こうか検討したところ、どうやらチェンマイ、コラート、ウドーンターニーのうち、もっともチェンマイのレベルが低く、スタンドなどのハード面やウェブの整備など広報面でも後れを取っているということが徐々に分かってきたのである。



 ちょっとタイに詳しい人ならご存知かと思うが、チェンマイは気候もよく、歴史もあるため世界的に有名な観光都市である。ウェブ上での観光情報も多く、航空便もそれなりにあるため、まあ行きやすいところと言えば行きやすいところである。一方、ウドーンターニーはバンコクからの航空便があるので比較的アクセスはよいものの、まあ言うて現地はただの地方都市である。コラートに至ってはバンコクから鉄道やバスで5~6時間かかるという感じでなかなかアクセスに難儀しそうな感じである。



 そんな訳で、なんとなくの行きやすさと観光地的な魅力、ほかの2場に比べて早くに潰れてしまいそうな雰囲気を勘案して、ひとまずチェンマイに行っておくことにするかということになり、2018年の11月。ロイヤルバンコクスポーツクラブ競馬場からの帰国後早々に1月のチェンマイ行きを決めたという次第である。



 まあくどくどと申し上げたが、要するに、タイの競馬場がなんだか危なそうだからとりあえず早めに全部回っておくかということになり、ひとまず次は一番ショボそうなチェンマイに行ってみるか、となったというふうに理解していただければOKでございます。




Chiang Mai



 という訳で、深夜に日本を出発した荷桁はまずバンコクに飛んだ。バンコクには早朝に着き、そのままチェンマイ行きの飛行機に乗りかえる。




Chiang Mai



 バンコクのスワンナプーム国際空港でチェンマイ行きの飛行機を待つ。もう少し日本人もいるかと思ったが、正月明けだからか、ほとんどいなかった。そういえば、現地の観光地でも日本語はほとんど聴こえてこなかった気がするな。




チェンマイ


Chiang Mai



 そんな訳で現地時間の8時30分頃に、早々にチェンマイにご到着となった。



 空港に降り立った瞬間分かるが、明らかにバンコクに比べていい意味で静かで、地方都市にやってきたという感がある。



 さて、ここからタイで3か所目の競馬場、チェンマイ競馬場に向かっていく訳でございますが、長くなってきたので一旦ここらで区切ります。



 ってなわけで、今回からのチェンマイ競馬場レポート。次回以降も引き続きお付き合いの程、何卒よろしくお願いいたします。





 



>>チェンマイ競馬場レポートその2へ






*この競馬場が好きな方はこちらの競馬場もお好きだと思われます。

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*チェンマイ競馬場に関する記事は以下にもあります。

 チェンマイ競馬場 その1 ~いざチェンマイへ~
 チェンマイ競馬場 その2 ~チェンマイという街~
 チェンマイ競馬場 その3 ~チェンマイ競馬場へのアクセス~
 チェンマイ競馬場 その4 ~入場門と競馬新聞売り場~
 チェンマイ競馬場 その5 ~開催日程と競馬場の全体像~
 
 チェンマイ競馬場 その7 ~ゆるゆると本馬場に向かう~
 チェンマイ競馬場 その8 ~ここでもやっぱり走路パドック~
  チェンマイ競馬場 その9 ~レース前の観客たち~
 チェンマイ競馬場 その10 ~のんびりしたレース風景~
 チェンマイ競馬場 その11 ~レースのあとのマネージャーたち~
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