マルサ競馬場 その8 〜マルタ島競馬事情〜 そこに競馬があるから 忍者ブログ
日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。

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Marsa Race Track
マルサ競馬場スタンドからコースを見下ろす。


*マルサ競馬場レポートの続編です。
初めからお読みになる方はこちらからどうぞ。



 
 さてさてマルサ競馬場レポートの8回目とまいりましょう。世の中はミサイルやら原発やらでもめておりますが、そんなときこそこの平和なマルサ競馬場の様子を思い出し、心の安定を保ちたいものです。

 1レースの発走も近づいてきたので、先ほど購入したレースプログラムを見て、馬券を購入せねばなるまい...

Marsa Race Track

こちらがマルサ競馬場で売られていたプログラムだ。競馬新聞というよりはレーシングプログラムというのが適している冊子である。

 大きさはA5サイズとコンパクトだ。日本にはこのサイズの競馬新聞はないが、かつてご紹介したペナン競馬場あたりでポピュラーだった競馬新聞はこのサイズのものが多くなっている。


Marsa Race Track

 中身はこんな感じ。
 1レースが1ページに乗っているが、馬柱に乗っている情報は極めて少ない。

 馬番のほか、馬名、産地、性、年齢、父母、馬主、ポイント、近走成績(クラス・着順・タイム・距離)しか書いていない。談話や調教状態なども書いておらず、日本の競馬新聞と比較すると極めて貧弱な内容である。べトナムのフートー競馬場の競馬新聞もこのような感じだったな。騎手の名前にあたる情報は書いていない。


 ただ、場内を見回すとこの競馬新聞以外の競馬新聞を持っているオヤジというのももいない。この国でのんびりと競馬を楽しもうと思ったら、この程度の情報さえあれば十分ということなのだろう。そもそも狭い国だから、常連オヤジたちは馬の名前や特徴なんかもほとんど記憶している可能性もある。

 とにもかくにも、万馬券狙いで目を血走らせながら予想をしている日本人(まあ荷桁も思いっきりこれに分類されるわけだが)とは根本的に競馬に対する姿勢の違いがにじみ出ている競馬新聞である。


 競馬新聞を読み進めると、本日のマルサ競馬場のレースは全部で10レースあった。一応すべてを列挙しておくことにしよう。
 左からレース番号、レース名、距離、1着賞金、クラスと表記していく。


1R Equestrian Festival 2011 Heat 1 1640m €300 Silver
2R Equestrian Festival 2011 Heat 2 1640m €300 Silver
3R Equestrian Festival 2011 Heat 3 1640m €300 Silver
4R Equestrian Festival 2011 Heat 1 1640m €300 Gold
5R Equestrian Festival 2011 Heat 2 1640m €300 Gold
6R The Butler Cup1750m €400 Silver Open
7R Piscopo Gardens Cup1750m €200 Class A
8R Equestrian Festival Silver Final 1640m €1000 Silver
9R Equestrian Festival 2011 Final 1640m €2000 Premier
10R Equestrian Festival Gold Final 1640m €1400 Gold

 6レースと7レースが通常の競馬(ギャロップ)で、残りはすべてハーネスである。

 馬の戦績やら賞金やらから読み取るに、どうやらハーネスは
Copper→Bronze→Silver→Gold→Premier
というクラス分けがなされているようだ。おそらく馬柱にあったポイントとはこのクラス分けの判断基準になっているのだろう(CopperとBronzeに関しては当日プログラムは組まれていなかったが過去にこのクラスで走っていた馬がいた)。

 一方のギャロップは
Class B → Class A → Open
 とクラスが上がって行くようである。


 Heat1とかHeat2とかいうのがあるが、これは予選レースのことである。

 日本の競馬に慣れていると驚愕だが、マルタ島の競馬では1日で予選と決勝を伴うプログラムが組まれていることもあるのである。

 この日の場合、Equestrian FestivalのSilverクラスは予選を3レースやってそれぞれのレースの上位3頭計9頭がFinalに進出して優勝を決める、Goldクラスは2レースやってそれぞれのレースの上位4着計8頭でFinalを行うのである。Premierは頭数が少ないのか一発決勝だ。

 従って、それぞれの決勝にあたる8Rと10Rは馬柱が真っ白だ。
 勝ち抜いた馬が場内に張り出されるので、それを見て、馬柱を埋めなければならない。やや面倒だ。

 1日に2レースも同じ馬が走ったらヤラズもありそうだし、倫理上どうなんだろうと思わないでもないが、現地人は楽しそうなので、まあ、それなりにちゃんとやってくれているんだろう。日本だって競輪は似たようなものだし。


Marsa Race Track


 1着賞金は200ユーロからとやや寂しい金額だ。

 訪問時のレートで1ユーロ110円強ほどだったためなんと2万数千円ほどだ。高知の最下級クラスでも1着9万円とか出るのでけっこう大変そうだなあなどと思っていたが、上位クラスの賞金は20万円とかなので高知の黒潮菊花賞よりやや落ちるくらいの感じか。しかし、なんで高知とばかり比較するのだろう。高知のみなさんごめんなさい。


 まあ考えてもみれば、人口40万人ほどの規模でやっている競馬だと思えばこのくらいの賞金体系で普通なのかもしれないな。競馬新聞も適当だし、肩肘はってなくていい感じの競馬場だ。


 ちなみにマルタ競馬のホームページでもいろいろレース情報は見られるので、ご参考にしてください。


http://www.maltaracingclub.com/index.php



 まだまだマルサ競馬場レポート、のんびりつづけてまいります。



 



>>マルサ競馬場レポートその9へ




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