そこに競馬があるから

日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。

中山競馬場　その１７　～芝スタンドと南門周辺～

そこに競馬があるから > 中山競馬場 > 中山競馬場　その１７　～芝スタンドと南門周辺～

中山競馬場の芝スタンド

＊中山競馬場レポートの続編です。
初めからお読みになる方は中山競馬場レポートその１からどうぞ。

　
　長くなってまいりましたが、引き続き中山競馬場レポートとまいりましょう。

　前回のレポートでは、中山競馬場のスタンドの外観とウイナーズサークルについてつらつらと述べてまいりました。

　今回のレポートではタイトルにありますとおり、芝スタンドなるスポットを紹介していきたいと思います。中山競馬場の中でもあまり注目を集めることのない芝スタンドですが、そういう細かいところもほじくっていくのがこのブログの持ち味でもありますので、ここもいつものように、ほじくり返していくことにいたしましょう...

　何度か中山競馬場を訪れている方の中にも「芝スタンドってどこやねん」「そもそも芝スタンドなんてあったかいな」という方もおられるかもしれないので、一応位置関係だけ先に確認しておこう。

　メインスタンドから少し４コーナーに寄ったところに芝スタンドは確かに存在している。南門をよく使うという方は何となくイメージがつくかもしれないですな。今回はこの芝スタンドとともに、中山競馬場の南門の一帯の様子もご紹介していくことにいたしましょう。

　さて、これは４コーナー側から見た、中山競馬場のスタンドである。青空が何とも美しいですが、見ていただきたいのはそちらではなく、スタンドの手前にある芝スタンドである。

　これが芝スタンドの全景だ。

　うーむ。芝スタンドと言って言えなくもないが、高さもなくどうも地味な感じである・・・。

　のぼってみると、けっこう広くて居心地はよさそうである。高さはないので、レースの見やすさを求めるというよりも、ゴロゴロと楽しめるスポットとしてとらえたほうがよさそうな気がするな。

　芝スタンドからゴール方面、正面、４コーナー方面と眺めた様子はこんな感じだ。まあ高さがないとは言え、下で見るよりもやや見やすくなっている感はある。

　一応、ターフビジョンも視界に入るし、スピーカーもあるため、観戦において著しく不便ということもない。携帯端末でネット投票ができるという方はここで酒でも飲みつつ馬券を買うというのも季節がよければ大いにアリである。

　

　ちなみに、芝スタンドの一番上のところはこのとおり平らな空間になっている。ブラブラしているといきなり寝転んでいるオッサンとかがいてびっくりすることもあるが、まあ基本的には平和で静かな空間である。

　

　この空間には「東管」と書かれた、ややレトロなゴミ箱が現れる。「東管」で検索すると無数の会社が出てくるし、過去にもたくさんありそうな社名なので、ここでこの東管をひも解くのはいったんやめておくが、もし何かご存知の方がいらっしゃいましたら、この「東管」が何なのかというところを教えていただけますと幸いです・・・。

　いずれにせよ、ゴロゴロしながら見たり、ピクニックのようにシートを敷いて食事をしながら競馬を観戦するにはよさげなスポットである。もし大人数で来る日などは敢えて場所取りを狙ってみるのもよいかもしれない。写真のとおり案外コースも見渡せるので、混雑日は喧騒から離れてこちらからレースを眺めるのもオツなもんかもしれない。

　４コーナーの攻防も間近で見ることができるので、こういうった写真が撮りたい方は芝スタンドに陣取ってみるのも面白いですぜ。だいたい４コーナーって雑音が少ないので案外騎手の声が聞こえたり蹄やムチの音が迫力があっていいんですよねえ。

　さて、そんな芝スタンドだが、裏側に来てみるとこんな感じである。

　右手に見えるのは中山競馬場の南門である。見てのとおり南門→芝スタンド→メインスタンドの間は屋根でつながっており、濡れずに行き来することが可能になっている。

　芝スタンドの裏手はかつて投票所だった形跡がある。うーむ。この投票所がもし稼働していたら、晴れている日などは非常に快適なスタンドになり得るのだが、残念ながら今のJRAの考えではそうはならんであろうな。１ケツでも２ケツでもいいので開けてくれたらいいのにねえ。

　ちなみに、中山競馬場のメインスタンドと芝スタンドはこのような微妙な形の屋根でつながれている。雨が降っていても横から降りこんできそうな高さの屋根になっているので、雨の日などは少しイラッとくるだろうな。

　もう少し南門付近をウロウロしよう。

　ふと気が付くと、芝スタンドの裏手にはこんな記念碑が建てられている。一体これはなんじゃらほいという感じだが、読んでみると「旧中山競馬場スタンド記念」とある。

　一応、碑に刻まれている文章を書き起こしておこう。

　『旧スタンドは、昭和３１年に改築されました。それまでのスタンドは前面に柱を立て、屋根を支える方式でしたが、見易くするためこの柱をなくして屋根を支える構法を開発しました。開発のためには多くの実験と工夫を重ねました。この構法は日本で初めて中山競馬場スタンドで採用され、以降全国の競馬場スタンド施設等に受け継がれていく基となりました。展示されている部品は、柱と屋根の結合部に設けられ、屋根の重量や風による力を無理なく柱に伝えるよう考案されたものです。この部品を含めた屋根の構法は当時としては画期的なものであったため中山競馬場スタンドは建築業協会賞受賞作品となりました。』

　何やら英文和訳したような奇妙な趣のある日本語だが、そのあたりは気にせず、この部品はすごくて、この構法もすごかったんだなあと思っておけばよいのだろう（小並感）。

　確かに、地方や海外の競馬場なんかにある古いスタンド（例：笠松、マルサなど）なんかだと柱があったりするもんな。競馬を見やすくするために新たな構法を考えてしまう日本人技術者って素晴らしいですのう。

　さて、ここまで中山競馬場へのアクセスについてくどくどと述べてきたり、ようやく敷地に入ったと思ったらスタンドのまわりをぐるぐる回ったりとモタモタしながら中山競馬場をご紹介してまいりましたが、そろそろ勿体ぶらずにメインスタンドのほうもご紹介していくことにいたしましょう。

　っつーわけで次回からは中山競馬場のメインスタンドをじっくり見ていくことにいたします。中山競馬場、まだまだ続きますので、よろしくお付き合いください。