ムーニーバレー競馬場 その3 ~ブックメーカーとの出会い~ そこに競馬があるから 忍者ブログ
日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。

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ムーニーバレー競馬場
ムーニーバレー競馬場のゲート。タタソールズ社提供と思われるカラフルな馬番表示がナイターに映える。


*ムーニーバレー競馬場レポートの続編です。
初めからお読みになる方はこちらからどうぞ。




 今回で3回目を数えるムーニーバレー競馬場訪問記であります。

 前回まで長々と書き続けてきて、まだ入場料を払うところまでしかいっていないというややスローなペースでお送りしております。今後も用語解説などが増えて間延びするかもしれないですが、ビールでも片手にじっくりお付き合いください...



さて、入場料を払って場内に入る。

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 一応場内マップがあったのでご参考までに。


 スタンドは大きく3つに分かれており、1角のほうにはまた別建てのスタンドがあるという構造だ。
 


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 こちらはメインスタンド。


 ご覧のとおり、そんなに大きくもない。どちらかというと日本の地方競馬場くらいの規模だ。



 歴史ある競馬場ということで、JRAの競馬場のようにピカピカということもなく、どちらかというと古めかしい感じだ。


 ただ、Gパン履きのおっさんや若者だけでなく、しっかりとドレスアップして、係員が立っている入り口から特観席(たぶん)へ入っていく紳士・淑女も一定数いるため、日本と違ってどことなくおしゃれな雰囲気が漂っている。非日常な競馬場でテンションも上がってくる。



 一応いい席にはドレスコードもあるようだが、一般開催の安い席にはドレスコードはほとんど無いに等しい。GパンにTシャツの人もいたし、大丈夫だ。(ただし、サンダルに関しては履いている人がいなかったので分からない)ちなみに荷桁はちょっと寒かったのでジャケットを羽織っていったが、もちろん入場OK。



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 平日の夕方17時ごろから始まって、日没と共にナイター開催になる日程だったため、会社帰りのサラリーマンみたいなのが多いのかと思いきや、そういうわけでもなく、観客はけっこうまばらだ。高知競馬ほどではないにしろ、フツーの日の浦和や船橋といった感じで、周辺人口数百万の大都市圏の競馬場としてはちょっと寂しい集客力かもしれない。ちなみにメルボルンは緯度が高いので、日没は結構遅い。


 もっとも、オーストラリアでは場外発売網がかなり充実しているので、本場開催に来てもらえなくてもかなりの売り上げは確保できるので、いいと言えばいいのかもしれないが(このへんについてはまた後日触れるとしましょう)。


ムーニーバレー競馬場
ムーニーバレー競馬場 馬房脇のパドック


 入場門を入って右手にパドックを発見したので、早速偵察してみる。


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 近づいてみると、パドックはパドックだが、馬房の近くで馬をぐるぐる回しているスペースのようだ。


 スタンドの脇には、我々にもおなじみのジョッキーが騎乗してぐるぐる回るパドックもある。ようするに馬がまわるところが2か所あるのだ。


 馬房を出る→第一パドックでぐるぐる→第二パドックでぐるぐるして騎手騎乗→馬場へ

 という流れのようだ。もちろん、どちらのパドックも普通に見ることができる。


 パドックはもちろん馬房の中まで見られるので、馬の調子をとことん見極めたい人にはおススメな構造かも。馬をごしごし洗っているところなんかも見れるので、ただ単に馬を見てるのが好きな人にとっても面白い。


ムーニーバレー競馬場
ムーニーバレー競馬場 スタンド脇のパドック


 馬と共に移動してスタンド脇のパドックへ。


 大きくはないがスタンドに隣接していて、便利な位置にある。写真に写っている厩務員さんは女性の方。けっこう競馬関係者の中に女性が多くてびっくり。馬をひく金髪のおねーさんって何かすごく強そうに見える。たまらん人にはたまらんだろうなあ(なんのこっちゃ)。


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ムーニーヴァレー競馬場



 ちなみに、このパドックはガラス張りの特別観覧席からよく見えるようになっている。当然パドックからその中が覗けるわけだが、見ると中ではドレスアップした紳士・淑女たちが、お酒を片手に談笑している。うーむ、なんだか、いい感じだ。やっぱりパートナーを連れて卒業式にダンスパーティーみたいな文化の国の人たちはおしゃれだなあ。


 さて、パドックで馬を見たら、お次は馬券といういつもの流れである。



 ここでまた解説くさい話になるのだが、オーストラリアの競馬場で馬券を買うときには「ブックメーカー」か「TAB」か、どちらから馬券を買うかという選択をしなければならない。


 訳が分からない方のために説明すると、「TAB」というのは「Totalizator Agency Board」の略で、いわゆるトータリゼータシステムで行われている馬券販売のことである。専門的にはパリミュチュエル方式と言われているが、まあ日本と同じ馬券の販売方法だと思っていただければいい。すなわち競馬場の主催者=胴元(日本の中央競馬ならJRA)がやっている馬券販売で、馬券の売り上げをプールして、胴元の取り分を抜いた後、的中者に払い戻すというおなじみのシステムで運営されているものだ。


 それをやっている組織のオーストラリア版が「TAB」というわけだ。


 一方の「ブックメーカー」というのは日本語にすると「賭け屋」、すなわち私営の馬券売りだと思っていただくと分かりやすい。彼らは競馬場でショバ代を主催者に納めつつ公認で商売をしていて、自分がこれだと思うオッズでめいめい馬券を売る。客が当たれば払い戻しをするし、客が外したらその分は手元に入るというビジネスモデルだ。



ムーニーバレー競馬場
ムーニーバレー競馬場で馬券を売るブックメーカーのみなさん


 ブックメーカーは多くの国で認められていないのだが(日本だと完全にノミ行為)、オーストラリアは歴史的な経緯からTABとブックメーカーの2種類の賭けが楽しめる国になっている。


 歴史的な経緯は語るとすごく長くなるので、めちゃくちゃ端折ると、イギリスを起源とする近代競馬の馬券販売のルーツはこのブックメーカー方式で、その伝統がいまもオーストラリアでは生きつづけているからこうなっているのだ、という説明になるだろうか。まあ、あまり学問的な方向に行くのもなんなので、この辺で説明は終えておこう。


 ともかく、2種類の馬券販売方式があるというのが重要だ。

 両者の違いは大きく上げて2つある。

 1つ目は馬券の種類の違いだ。TABでは単複・ワイド・馬連・馬単・三連複・三連単・重勝など、日本同様にいろいろな馬券があるのに対し、ブックメーカーは基本的に単複しか発売していないということだ。確かに個人商店で馬連や3連単を売ろうと思ったら相当な労力なのでそれには納得。

 そして2つ目がミソなのだが、TABの馬券は賭金の総額と人気の偏りによって締め切りまでオッズが決まらないのがフツーなのだが、ブックメーカーで馬券を買うときには「オッズは馬券を買ったときのオッズで決まる」のである。


 TABでは単勝が3倍のときに馬券を買ったのに、払い戻しが出たら1.5倍になっていた、なんてことはよくある話だ。しかしブックメーカーでは購入時に「当たったら3倍」という契約でもって馬券を買うため、当たれば必ず3倍の払い戻しが帰ってくるのである。


 この特徴は必ず知っておかなければならない事項だ。特にある程度人気の馬の単複で勝負するときは、一番いいオッズで馬券を売っているブックメーカーを探さなければならない。逆に人気の無い馬ならばTABのほうが当たったときの配当が大きくなる傾向にある。いろいろ馬券窓口をまわって一番おいしい馬券を買うのもオーストラリア競馬の楽しみだ。


Melbourne


 ぶれていて恐縮だが、ずらりとブックメーカーが並んでいるのでうろうろまわってオッズを観察すべしである。締切が近づくとオッズが下がったりもするので、注意が必要だ。


ブックメーカー 馬券
ブックメーカーの馬券


 ちなみにこれがブックメーカーの馬券。


 右はDOUG SIMKINというブックメーカーで6の単勝を10ドル買った馬券だ。的中したときの払い戻し(110ドル)が書いてあり、当たっていればこれだけもらえたということである(泣)。このタイプが一般的。


 左は今は珍しい手書きの馬券。A.K.BELLというブックメーカーで購入。これも当たっていれば150ドルということなのか。なんて書いてあるか分からん。


 さて、オーストラリアの馬券、ざっくりわかっていただけたでしょうか・・・?


 またも説明が多くなってしまい、こんな長さになってしまったのでここらでいったん切ります。
 次回、まだまだムーニーバレー競馬場レポートつづいてまいります・・・。





>>ムーニーバレー競馬場レポートその4へ



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