日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。
そこに競馬があるから > 福島競馬場 > 福島競馬場 その13 ~福島競馬場 パドック~
福島競馬場のパドック
*福島競馬場レポートの続編です。
初めからお読みになる方は福島競馬場レポートその1からどうぞ。
どうも。荷桁です。
さて、前回のレポートでは福島競馬場のスタンド全般のお話をいたしました。この流れで行くと、通常であればスタンドの1階から順に中を見て行ってという流れになるのですが、福島競馬場の場合はパドックとスタンドが一体化しているという大きな特徴があるため、先にパドックの方を見ておきたいと思います。
冒頭の写真を見ていただければおおよその雰囲気はお分かりいただけるかとは思うのですが、福島競馬場は先のレポートから申し上げているとおり、スタンド側の敷地に余裕がないため、スタンドがパドックを三方から囲むように存在してほぼ一体となっているという、独特の構造をしております。まあ、そんなふうに言葉で説明するより見ていただくのが早いかとは思いますので、気になる方は、ひとまず以下のレポートを読み進めていただければ幸いです...
というわけで、ひとまずGoogle先生の力をお借りして、福島競馬場スタンドの航空写真をご用意させていただいた、各々、拡大縮小しながらスタンドを見ていただきたいのだが、パッとみてお分かりのように、福島競馬場のスタンドは上から見ると凹型の形状をしており、そのへこんだ部分にパドックが存在しているのである。
ついでにスタンド周囲の敷地を見ていただければと思うのだが、見てお分かりのとおり、スタンド北側はすぐ厩舎エリア、西側と南側は公道ギリギリまでスタンドがあるという状況で、スタンドの外にパドックを作ろうと思うと笠松競馬場のように内馬場にでも作らない限りはどうしよもないため、この凹型でのパドック配置は致し方ないし、理に適っているのだろう。まあ考えようによってはこのようにスタンドとパドックが近接していればパドックも見に行きやすくて便利ということにもなるだろう。いろいろ申し上げたが、ひとまずここでは福島競馬場のパドックはスタンドの真ん中あたりに配置されているんだなあということを理解いただければOKである。
ちなみに、パドックそのものがあるのは実はスタンドの2階部分にあたるのでご注意。パドックの真下には1階のフードコートがあるため、スタンドとパドックが一体になっているというのは別に大げさな表現ではないのである。
さて、そんなわけで福島競馬場のパドックを見ていこう。
こんな感じで、三方はスタンドに囲まれ、もう一方の西側はビジョンとガラス張りの壁でもって囲まれている。屋根はないので雨は降りこんでくるが雰囲気的には半分屋内にあるかのような趣である。中央競馬で言うと阪神競馬場や小倉競馬場も比較的スタンドとパドックとが見やすくまとまっているがあれをさらにキュッとした感じか。海外も含めると香港のシャティン競馬場のパドックなんかも雰囲気が近いかもしれない。
パドックは他の競馬場に比べるとやや横に長い印象。別にさほど大きくないのかもしれないが、周りをスタンドで囲まれている分、大きく見えるという視覚効果もあったりするのだろうか。まあ、測った訳ではないのでよく分かりませんが。
誘導馬の待機所はビジョンの右脇というポジション。誘導馬というとどこからともなくやってくるイメージがあるが、一応福島ではここに待機シャトルしているということでご査収の程、よろしくお願いいたします。
パドック前のモニターはこんな感じ。一応オッズがメインのため、レースや動画なんかはここでは放映されないのだが、出馬表、単複、馬連、枠連が一覧できるため、まあパドックで検討する方にとってはそんなに不自由はなかろう。
スタンドに三方を囲まれているという特性上、全部で5階まであるバルコニーから多くのファンがパドックをのぞき込んでいるのも福島競馬場らしい光景だ。別に福島競馬場の立地が都会かと言われるとそれは正直ビミョーなのだが、狭い敷地を有効活用するためにこんなふうになっている様子は、何となく都会っぽい印象があるよな。
騎手の待機所はパドックの北側のところにある。調教師や馬主さんなど関係者がわりと居並んでいて見ていても楽しい感じ。
ジョッキーたちはこの待機所の前で整列・一礼となる。
そこから走って騎乗となる。
周回を終えると、そのまま先ほどの待機所の脇にある通路からパドックを出て、地下通路を通って本馬場入場となる。まあ、行けば分かる話ではあるが、だいたいの位置関係はこんな感じだと覚えておいていただければ幸いである。
さて、パドックのだいたいの構造を把握していただいたところで、各フロアからのパドックの眺めや観覧エリアの様子を見ていくことにしよう。まずは2階から。先にも申し上げたが、福島競馬場のパドックがあるのは「2階」である。このパドックの下には1階のフロアが広がっている。パドック=1階と決めつけてウロウロ探すと残念なことになってしまうので、ご留意くだされ。
さすがにもっとも馬に近いフロアということで、これからご紹介していく上層階に比べれば、比較的広めのスペースが取られている。しかし、三方向からしか見られないということもあってほかの中央競馬の競馬場のパドックに比べるとやや手狭という印象は否めない。重賞の日などはわりと場所取り争いも熾烈になりそうだ。
ちなみに、パドックを撮影するカメラが唐突に現れるのもちょっと新鮮。人がいないビジョンの側に置けばいいのにとも思うが、屋根の問題なのかな。
さて、お次は3階からのパドックの眺めを見ていこう。当たり前のことだが、3階より上は見てのとおりバルコニーのような空間からパドックを見下ろすことになる。
3階のバルコニーは多いところで4段ほどの段差が設けられており、パドックを眺めることができる。
馬との距離感も適度な感じ。蹄や脚の細かなところまで見ようと思うと難があるかもしれないが、まあ大体の気配を見るくらいであれば問題ないであろう。
ちなみに、3階にはこんな謎の席も。馬主、関係者席なのだろうか。よく分からん。
さて、お次は4階だ。さすがに4階ともなると角度の問題もあってだいぶ観覧スペースも手狭となる。
ここまで来るとさすがに馬も遠い。馬の気配や脚の運びなど見る分には問題なかろうが、細かな部分までは見ようと思わないほうがいいでしょうな。まあ、のんびり眺めるにはいい環境と言えなくもないか。
続いて5階。ここまで来るとさすがに閑散としておりますな。
さすがにこの角度なので、ちょっと観覧スペースもコンパクトで、パドックもビルの上から見下ろすという風情だ。手すりも腰の少し上くらいまでしかないので、高所恐怖症でなくともちょっとスリリングな感じである。
しかし、騎手や馬がミニチュアのように見える光景は、これはこれで何となく愛らしくていい感じだ。もはやパドックの本来の趣旨とはかけ離れてしまうが、ほとんど真上というこういう角度からパドックを眺めるということも他の競馬場ではあまりないことなので、むしろそういうところを楽しむというのも大事なのかもしれませんな。
そういう意味で言うと、福島競馬場はパドックの両サイドにあたる部分のスタンドはガラス張りになっているので、吹き抜けのところからもパドックを見ることができる。こういうところは粋な空間演出よね。建物の中にいても馬の様子を見ることができるというのはいいコンセプトだ。せっかく競馬場に来てるんだしね。
個人的には、春の開催での信夫山の桜を借景としたパドックというのもなかなか気に入っている風景だ。まあ、荷桁のようにパドックを借景と共に楽しむという特殊な趣味嗜好をお持ちの方は少ないかもしれないが、ご参考までに。
また、建物に囲まれたパドックではあるが、その分、上に広がる青空とのコントラストも美しいものである。あまり開放感を感じるパドックではないが、晴れている日はふと上を眺めてみると気分がリセットできてよいかもしれませんぜ。
さて、そんなこんなで福島競馬場のパドックの様子を見てまいりました。この配置や眺めは福島競馬場のスタンドの大きな特徴でもありますので、是非福島競馬場にお越しの際は一度はパドックに足を運んでみてくだされ。
次回以降も福島競馬場レポート、まだまだ続いてまいります・・・。
>>福島競馬場レポートその14へ
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