ロイヤルターフクラブ競馬場 その12 ~意外に立派な芝コース~ そこに競馬があるから 忍者ブログ
日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。

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タイの競馬場のコース
ロイヤルターフクラブ競馬場 この日の気温は最高36度超。とにかく暑い。



*ロイヤルターフクラブ競馬場レポートの続編です。
初めからお読みになる方はロイヤルターフクラブ競馬場レポートその1からどうぞ。





 さて。今回もロイヤルターフクラブ競馬場(ナンルーン競馬場)のレポートを続けてまいりましょう。



 今回のレポートはタイトルにもありますとおり、ロイヤルターフクラブ競馬場のコースについてです。ロイヤルターフクラブ競馬場はバンコクの中心部と言って差し支えない当地にて100年以上続いている競馬場なのですが、なかなかどうして、かなり立派なコースをしております。



 今回のレポートではそんなロイヤルターフクラブ競馬場のコースの形状や風景、レースまわりの設備あたりのご紹介をさせていただきながら、この競馬場で行われているレースをより具体的にイメージしていただこうと考えております。



 ってなわけでまいりましょうロイヤルターフクラブ競馬場、コースまわりのご紹介でございます...


タイの競馬場の直線走路



 さて。そんな流れで、ロイヤルターフクラブ競馬場の直線走路である。見てのとおりの芝コースでなかなか立派なコースだ。内側に細いダートコースもあるが、調教用らしくレースではほとんど使われていない。



 JAIRSのウェブサイトによると一周の距離は1630mで左回り・平坦コースとのこと。日本で言うと、函館競馬場、福島競馬場、小倉競馬場程度の大きさということになる。




タイの競馬場の直線走路



 一方で4コーナーからゴールまでの直線距離は230mとちょっと短めである(園田競馬場くらい)。



 これは単純にゴール板から1コーナーまでの距離が遠いせいだ。観客席の位置的に現在地に落ち着いたんだろうが、まあ、見易さなど考えれば賢明な判断だろう。




ロイヤルターフクラブ競馬場から見るバンコクの摩天楼



 1コーナーの向こう側にはバンコクの摩天楼が望めて、都市型の競馬場なんだということがあらためて実感できる。



 方角的にパヤータイやディンデーンの方の高層ビルやマンションなんだろうな。香港のハッピーバレー競馬場もそうなんだけど、こういう、コースの向こうに高層ビルが見える系の競馬場は個人的にけっこうツボだったりします(我ながらキモいな)。




ロイヤルターフクラブ競馬場の内馬場



 2コーナー付近には、ポケットがある。写真でゲートが置かれているところが1200mのスタートなのでポケット部分は1400mのスタート用ということになるだろう。だが、この日は組まれていた10レースがすべて1200m戦だったため使われることはなかった。




ロイヤルターフクラブ競馬場の内馬場



 続いて、向こう上面の写真だ。コースの向こうには鬱蒼とした木々が広がっていることがお分かりいただけるかと思うが、これはチットラダー離宮という場所で、タイの王室の事実上の住居となっている場所である。いかにこの競馬場のロケーションが王室に身近かということがお分かりいただけるかと思う。




タイの競馬場の内馬場



 お察しのいい方はもう気が付いているかもしれないが、内馬場に注目してみると、実はその大半がゴルフコースになっているのだ。そう。このロイヤルターフクラブ競馬場は競馬開催日以外は「ロイヤルドゥシットゴルフクラブ(Royal Dusit Golf Club)」という名前のゴルフ場として市民に親しまれているのである。



 ちょっと想像しづらいが、パー65、4330ヤードの短めのコースで、競馬場の敷地全体に18のホールが一応詰め込まれている。なんとなく草もボーボーであまりゴルフコース感はないが、まあ立地を考えれば利用価値のあったゴルフコースなんだろうな。




ロイヤルターフクラブ競馬場のゴール板



 さて。ホームストレッチに戻って、こちらがロイヤルターフクラブ競馬場のゴール板である。なんだか団地の給水塔というか、ボーリングのピンというか、あまりゴール板らしくないビミョーなフォルムをしているが、一応こんな感じということで。上に乗っているのは普通のデジタル時計で、現在時刻を示しているぞ。




ロイヤルターフクラブ競馬場にたなびくタイ国旗



 さらに直線走路部分にはご覧のとおり、大量のタイ国旗が掲揚されている。あの配置や高さ、本数にも意味がありそうだが、調べるのも面倒なので、なんとなく王室競馬場だけあってタイ国旗がたくさんあるぞということだけ覚えておいてくれたまへ。




ロイヤルターフクラブ競馬場のビジョンとオッズ表示


ロイヤルターフクラブ競馬場のターフビジョン



 んでもって、既に何度も登場しているが、走路の中央付近にはビジョンとオッズ表示の機械があり、ややゴール板寄りのところには巨大なビジョンが設置されている。



 巨大なビジョンの方は単複オッズや馬連オッズも表示しており、レースが始まると3つの角度からレースを追うマルチビジョンとなる。失礼な話ではあるが、正直、タイの競馬場にしてはなかなかの設備を持っておるな・・・という感想だ。




ロイヤルターフクラブ競馬場のオッズ表示



 オッズ表示の機械については、海外の競馬場ではわりと見かけるひと昔前のデジタル表示のスタンダードな横長タイプだ。マレーシアあたりで見かけたやつは総票数や現在時刻などもあるタイプだったが、ここのはえらくシンプルである。




ロイヤルターフクラブ競馬場の着順掲示板


ロイヤルターフクラブ競馬場の騎手名掲示板



 その代わりと言ってはなんだが、ややレトロな雰囲気がただよう着順成績板や騎手名の表示板があったりして何ともいい感じだ。



 タイの文字にはいろんな書体やフォントがあってややこしいのだが、このいかにも生真面目にペンキでレタリングしましたという感じの文字は何だか愛着が湧いてくるぞ。ひと昔前の地方競馬場の看板の書体のような妙な魅力があるんだよな。




ロイヤルターフクラブ競馬場のスターティングゲート



 さて。そんな設備があるコースで行われるレースだが、基本的にロイヤルターフクラブ競馬場で行われるレースのほとんどがいわゆる芝の短距離戦である。荷桁の訪問時のレースはすべて1200m戦。競馬新聞の各馬の戦績を見てもほとんどが1200mで、たま~に1000mのレースが組まれているといった程度のようだった。



 従ってスタートは毎回2コーナー6ハロン棒付近ということになる。写真はロイヤルターフクラブ競馬場のスターティングゲートなのだが、思いっきりJRAという文字が入っており、既視感がある。おそらくJRAのどこかの競馬場で使っていたものの払い下げ品か、JRAからの寄贈品といったところだろう。フルゲートは14頭のようで、この日もほとんどのレースが14頭立てであった。番組は充実しているという印象である。




ロイヤルターフクラブ競馬場の向こう上面


ロイヤルターフクラブ競馬場の向こう上面



 レースは典型的なアメリカンスタイルでほぼ行った行ったと言ってしまってよい。そりゃコースも平坦で直線も短いとなればテンから飛ばして粘りこみというのがスタンダードな戦法にならざるを得ないわな。



 そんな訳で、わりとスタートからガンガン行くため先行争いは激しい。スタートしてしばらくの時点で中段より後ろにいる馬が馬券に絡む可能性は相当低いと言ってしまってよいという感じ。逆に楽な手ごたえで先行できたら、かなり楽しい感じでレースを眺めることが可能だ。




ロイヤルターフクラブ競馬場の4コーナー


ロイヤルターフクラブ競馬場の4コーナー



 100バーツエリアからだとビミョーに50バーツエリアとの境目の柵が邪魔になってしまう場所もあるが、こんな感じで観戦が可能。



 基本的には先ほど申し上げた通り行った行ったで、4コーナーでほぼ勝負は決していると言ってよい。4コーナーで上位3頭程度に入っていなければ1着で来ることはまずない。バテる馬もほとんどが4コーナー手前でバテてしまうケースが多い。写真の中に写っているオヤジが4コーナーを双眼鏡でガン見しているのは、ここがタイ競馬のキモだからだ。




ロイヤルターフクラブ競馬場の直線走路


タイ競馬の直線走路


タイの競馬場



 あとは大概、4コーナーを先頭で抜け出した馬の押し切り勝ちとなるので、その様子を見守るというケースが多い。タイの競馬場に独特の、飲み会のコールのような声援も、このように最後の直線で逆転がほとんどないが故に育まれた文化と言えるかもしれない。日本で言うと4コーナーを回って「そのまま!そのまま!」と叫び始めたらそれがほとんど裏切られないというイメージになろうか。



 逆に、直線大外一気のような展開はまず望めないので、買っている馬が4コーナー付近で後方にいた場合は、オヤジたちのコール声援を聞きながらガックリ肩を落とすしかないのである。




ロイヤルターフクラブ競馬場の直線走路



 さて。そんな訳で、ロイヤルターフクラブ競馬場のコースについてと、一般論としてのレースの傾向のお話をさせていただきました。



 ここまでのレポートで、競馬場のだいたいの構造とレースの流れ、さらには馬券の買い方や予想の仕方などをだいたい網羅できたことかと思います。



 次回以降はより詳しい競馬場内部の様子や訪問の際の出来事などをレポートしてまいりたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。



 



>>ロイヤルターフクラブ競馬場その13へ






*この競馬場が好きな方はこちらの競馬場もお好きだと思われます。

 ロイヤルバンコクスポーツクラブ競馬場 その1 ~再びバンコクへ~
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 クランジ競馬場 その1 ~いきなりお詫び~
 ソウル競馬場 その1 〜韓国競馬に手を出すぞ〜




*ロイヤルターフクラブ競馬場に関する記事は以下にもあります。

 ロイヤルターフクラブ競馬場 その1 ~タイからのニュース~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その2 ~バンコクという街~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その3 ~行くまでの攻防~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その4 ~「タイ人」の競馬場~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その5 ~いざ競馬場内へ~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その6 ~いきなりの締め切り前発走~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その7 ~スタンドの全体像を把握せよ~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その8 ~装鞍所からの本馬場入場~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その9 ~ゲートインからゴールまで~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その10 ~馬券の買い方と種類~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その11 ~競馬新聞と予想~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その12 ~意外に立派な芝コース~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その13 ~スタンド1階の鉄火場感~
 ロイヤルターフクラブ競馬場 その14 ~メシの中心地・スタンド2階~
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 ロイヤルターフクラブ競馬場 その16 ~スタンド4階 まったり常連ゾーン~
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