名古屋競馬場 その1 ~あくまで土古~ そこに競馬があるから 忍者ブログ
日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。

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名古屋競馬場4角。直線に入ってすぐ2ハロン棒だ。




 どうも荷桁です。


 今回からはタイトルにもありますように、愛知県は名古屋市にある、名古屋競馬場をご紹介してまいります。


 
 唐突だが、名古屋は当ブログの筆者である、荷桁勇矢の生誕地である。その後自宅は同じ愛知県の知多地方に転居したが、高校は名古屋市内に通っていたし、結局大学進学を機に上京する18歳までは、名古屋という土地と非常に深くかかわりながら生活したことになる。



 さてそんな個人的にもゆかりのある名古屋の地において”土古競馬”と呼ばれて親しまれているのが今回からご紹介する名古屋競馬場だ。



 知らない人は絶対に読めないであろうが「土古」は「どんこ」と読む。



 これは名古屋競馬場のある界隈が「土古」という通称で呼ばれているため名古屋競馬場もこう呼ばれているからなのだが、実際の所在地は「名古屋市港区泰明町」というところで、「名古屋市港区土古町」からは微妙に外れている。しかも地名になっている上記の「港区土古町」の住所は「どんごちょう」と読むので、いろいろとなんともややこしいのだが、まあ細かいことは気にしないのがベストだ....




 他地区の人には信じられないかもしれないが、実際問題、地元ではほとんど全ての人間が「名古屋競馬場」という正式名称ではなく「どんこけいば」もしくは「どんこ」という呼称でこの競馬場を呼んでいる。



 競馬なんてやらないうちの祖母も「どんこの競馬」で通しているくらいだから、競馬愛好者の用語ではなく、地域住民に染み付いた言語であることが予想できる。




 したがって日曜の最終レース終了後に、WINS名古屋から金山駅までのオケラ街道で汚いじいさんたちが、


 「おみゃあ、次のどんこ、どうするだ?」


 などと会話していたら、それはすなわち


 「お前は次の名古屋競馬の開催に行くか?」


 ということを言っているのである。


 名古屋の競馬オヤジに興味のある人は覚えておいて損はないだろう。得もしないと思うけど。





Nagoya 名古屋




 ちなみに余談ではあるが、名古屋はざっくり分けると、戦後宅地開発された東部のほうが裕福で、西部のほうがコテコテしているという傾向がある(写真はあまり深い意味合いで捉えないでください)。



 そのためか、名古屋市のギャンブル関連施設というのは圧倒的に西部に集中している。




ウインズ名古屋
ウインズ名古屋



 WINS名古屋は中川区。名古屋競馬場とボートピア名古屋が港区。そして名古屋競輪場が中村区といった具合だ。微妙な場所にあるのが、中区にある名古屋競馬場の場外馬券売場サンアール大須。完全に東部にあるのがJRAの中京競馬場だが、あれはもう豊明市なので、少し趣が違うかもしれない。




 名古屋は昔も今も非常にブルーカラーの多い町で、多くの製造業従事者、自営業者がいる。彼らが高い割合で住んでいるのが、港区、南区、中川区、中村区、西区などの昔からの工場が多い西部地域なのだ。




Omon Yokocho
名古屋西部の歓楽街である中村区の大門はかつて赤線地帯でもあった。その大門に今も残る古い横丁

 



 一方千種区、瑞穂区、名東区、天白区などの東部は、戦後宅地開発された住宅地域で、ホワイトカラーが多いのだ。



 このあたりの地域的バックグランドを知っておくと、名古屋ギャンブルの趣もまた深く分かってくるというものである。




名古屋 Nagoya
名古屋市北区にあったレトロなパチンコ屋



 余談が長くなりすぎたついでに言ってしまえば、名古屋にはパチンコ屋も非常に多く、正直言って名古屋市民にとってのギャンブルの主役はこのパチンコである。



 さらに市域の割に場外馬券売り場も少ないため、この地方の人間にとってそこまで身近な娯楽ではなかったという歴史的な背景もある。パチンコ以外にも、車を所持している割合の高い名古屋人、愛知県民にとっては釣りやゴルフも盛んで、そういうものに比べると、競馬というのはそこまでポピュラーな娯楽ではないのだ。




Nagoya Racecourse 名古屋競馬場



 よって名古屋競馬場という施設自体も、名古屋市民に広く親しみが持たれているどうかと言われると微妙である。



 今でこそ、あおなみ線が開通し「名古屋競馬場前」という駅ができたから、なんとなく位置とか存在自体は昔よりは知られるようになったかもしれないが、かつてはバスでしかアクセスできなかったこともあり、競馬好きか名古屋市西部の住民以外は、ほとんどその存在を意識していなかったと言っても過言ではないだろう。



 荷桁がガキの頃(1990年代)、東海地区の公営ギャンブルはわりと宣伝に力を入れていて、朝にやっている競艇の「ボートレースガイド」やとこたんの常滑競艇、トトまるの蒲郡競艇、マンボNo.5のリズムで「ぎっふけいりん、ぎっふけいりん」と連呼する岐阜競輪のCMテレビは当時ギャンブルに興味がなかった荷桁でさえも、けっこう覚えているのだが名古屋競馬場はそんなに宣伝活動をしているイメージが残っていない。



 現在も宣伝はそんなにしていないし、オグリキャップ的な話題もないので、一般の人が名古屋競馬場を意識する瞬間というのは、そんなにない状態というのは変わっていないだろう。注目を集めているのは弥冨への移転の話くらいである。



 とは言いながら個人的には名古屋競馬場は地元と言うこともあり、大阪に転居してしまった現在も、たまに顔を出す競馬場である。行ってみると、なかなか味がある競馬場で、地方競馬ファンであれば、その魅力を存分に感じていただけるはずだ。



 今回は前置きというか、ヨタ話ばかりになってしまったが、次回以降はしっかりとそんな名古屋競馬場、基い、「どんこ」競馬場をしっかりとご紹介していくことにしよう。





  


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 笠松競馬場 その1 ~名馬・名手の里~
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*名古屋競馬場に関する記事は以下にもあります。

 名古屋競馬場 その1 ~あくまで土古~
 名古屋競馬場 その2 ~名古屋競馬場 パドック~
 名古屋競馬場 その3 ~名古屋競馬場グルメ~
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