日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。
そこに競馬があるから > 大井競馬場 > 大井競馬場 その23 ~大井競馬場ナイター~
大井競馬場、カクテル光線の中のパドック。
*大井競馬場レポートの続編です。
初めからお読みになる方は大井競馬場レポートその1からどうぞ。
また、大井競馬場は2014年以降大規模な改修が行われたため、レポートが現在の様子と大きく異なる点があることをご承知おきください。
有馬記念は惨敗でした。出遅れ2頭がしっかりからむってなんだかなあ。
さて、こうなったらますます大井競馬場レポートに向けて力を入れなくてはなりませんな。
大井競馬場に関してはこれまでいろいろと書いてまいりましたが、まだナイターについて、触れていませんでしたね。大井競馬と言えば、やっぱり元祖ナイター競馬。ナイターについて触れない大井競馬場レポートなんて大井競馬場レポートじゃない!ということで、今回は大井競馬のナイターの様子をご紹介してまいります...
大井競馬場といえばナイター、などと軽々しく言っているが、実際どういう経緯で大井でナイターをやることになったのかというと、荷桁もそんなに詳しいわけではない。なので、ここいらでちと大井競馬場のナイターについて歴史をざっと振り返ってみることにしよう。
そもそも大井競馬場がこの勝島の地にオープンしたのは1950年のこと。それから東京都・東京都特別区(いわゆる東京23区のこと)によって競馬が開催されていた。1973年に東京都が手を引いてからは、特別区競馬組合による開催となって現在に至っている。
そんな大井にナイター構想が持ち上がったのは、1979年ごろの第二次オイルショックによる不景気が原因である。それまで平日昼間のオヤジ向け鉄火場として着実に売り上げを伸ばしていた大井競馬場だったが、それが頭打ちになり、ついには売り上げが下がり始めたのである。
状況を打開するため、大井競馬場管理者の諮問機関「特別区公営競技振興対策協議会」が発足。協議会はこの状況をなんとかするには仕事帰りの人々という新しい客層を取り込むことができる「ナイター競馬」を実施すべきだと提言。
特別区競馬組合内でもプロジェクトチーム「ナイター競馬検討委員会」が作られ、何とか大井競馬場でナイターを開催できるように活動を始めた。
ところが当時の競馬法施行令では「競馬は日の出から日没まで」とする、という規定があった。ようするに、法律上ナイター競馬が禁止されていたのである。ナイターをするにはこいつを改正しなければならない。
というわけで、主催者、特別区長会、全国公営競馬主催者協議会などが政府に働きかけ。それを受けて政府は85年7月2日付で政令を改正し、開催時刻の拘束を撤廃するに至った。ここまで6年。
そして総工費約50億円を投入して照明を配置し競馬場を一新。
さらに近隣への影響やファンの帰宅時間の配慮、競馬関係者への説明などさまざまな問題をなんとかクリアし、翌1986年の7月31日、国内公営競技初のナイター開催として記念すべき「トゥインクルレース」が実施された。ちなみに7月31日は「トゥインクルレースの日」として、日本記念日協会に認定されている。
当時、すでに諸外国ではナイター競馬が多く行われていたが、モデルにしたのは香港のハッピーヴァレー競馬場ということで、確かに都市型という点ではこれ以上ないモデルだ。ハッピーヴァレーの場合は大井よりもう少し都心にあるけれども。
ナイター導入後はバブル経済および好景気の影響もあり、売り上げは増加。若者や女性など新たなファン層も獲得することとなったのである。
歴史ここまで。
そしてその結果、確かに大井競馬場は日本のどの競馬場とも明らかに雰囲気が違う。
それは単にナイターということだけでなく、きらびやかなイルミネーション、ムーディーな高級レストラン、スタンディングバー、エンタメ感溢れる演出など、JRAの競馬場にもほかの地方競馬場にもそんなものはない。どちらかというと、オーストラリアやアメリカの競馬場に近い雰囲気だ。
それらはすべて大井のナイター化によってもたらされたものである。しっかりとハッピーヴァレーを参考にしているだけある。川崎のほか、門別や高知、園田なんかも最近ナイターを始めたが、大井の場合は25年以上前の体力のあるうちからナイターをやっているので、こうした設備がしっかりしており、イメージも定着しているのだ。
ほかの競馬場はナイターという形式は取り入れているが、それに合わせて雰囲気を変えているわけではないのだ。
やっぱり、大井競馬場のナイターに行くとテンションが上がる。それは初めて行ったナイターも、いまも変わらない。
大井といえば東京大賞典が有名だが、やはり荷桁は帝王賞が一番好きなレースである。6月のむしむしした暑さの日にナイターの大井に行って、きれいなカクテル光線に照らされる馬を見ながら、煮込みでホッピーをあおる。
これは日本では絶対に大井でなければできない贅沢だし、日本の地方競馬のいいところと、都市型ナイター競馬のおいしいとこどりができる、独自進化したエンターテイメントだと言えよう。
こんなん、ほかではできんし、やりたいとも思わんだろう。
大井だからみんな楽しいんだよ。
はっきり言って彼女連れてくなら中央よりも大井のナイターのほうが連れて行きたいと思うね。俺は。2号スタンドの汚さも含めてw
高知や門別はどちらかと言うと蒲郡競艇型の成功を狙った場外発売・ネット発売を増やすためのナイター化だが、都市圏の近い園田、そしてナイター化が検討される名古屋は是非とも高知や門別のように、ただ単に「夜に競馬やってるとこ」にするのではなく、こうした演出にも是非力を入れていただき、ナイター競馬の夜を楽しめて「ああ、また来たいなあ」と思えるような消費空間を作っていただきたいところである。
現代人は競馬だけじゃ金使わないぜ。競馬に付随してくるそういう「非日常空間」にこそ金を使う動機があると思うんだよな、個人的に。
とまあ、そんな話を酔っぱらいながら、帰りの立会川の赤ちょうちんでするようになったら、あなたも立派な大井フェチでございます。
こんな締めで申し訳ございませんが、大井競馬場レポート一旦終わります。
また、メシ食いに行ったら追加レポート書きますね。
みなさん、東京大賞典、がんばってください。荷桁も頑張ります。
大井競馬場 アクセス:
・◎本命モノレールとどちらが便利な地域から来るかにもよるのだが、京急立会川駅の方が汎用性があるのではないだろうか。品川・新宿方面なら京急利用、新橋以北であればモノレールをすすめます。東海道新幹線なら品川で降りて京急が絶対いいです。
・○対抗
そうなれば対抗はモノレール大井競馬場前駅利用。会社帰りのビジネスマンはこちらのほうがいいかもしれませんね。
・▲穴
ご紹介したとおり、直行バスもあり。大井町駅・大森駅が本数も多く便利。帰りは蒸し暑い上に混むが乗車時間は10分ほどで済むのでじっと我慢。
大井競馬場 宿泊:
・◎本命おもに地方から大井に来る方が多いと思う。飛行機を前提としないのであれば、価格的にも品川あたりが無難か。特に東海道新幹線利用者にはいいと思います。
京急EXイン品川駅前(シナガワ グース内)
アワーズイン阪急
東横イン品川駅港南口天王洲
このあたりが無難でしょう。都心ほどとはないとは言え、繁忙期はけっこうな料金につり上ります。早めの予約をおすすめします。一番下の東横インは天王洲アイル徒歩5分かつ品川駅から送迎ありなので、大井競馬場を見るという見地からはすごくいいホテルです。立地の分安いのも魅力。
・○対抗
都心ならモノレールの起点浜松町が無難。ただ、ここも都心なので、混んでる日は値段がつり上ります。直前の予約だとビジネスのシングルで10000円取られる日もある覚悟でいたほうがいいでしょう。かつ駅からすぐというホテルは少なく、5~10分歩くところもあるので、お気に召すホテルがない場合、ほかの駅を使う手も視野に入れた方がいいでしょう。
ホテルマイステイズ浜松町
アートホテルズ浜松町
ヴィラフォンテーヌ浜松町
・▲穴
とにかく確実に宿代を安く上げたい、という場合は大森・大森海岸駅周辺のカプセルホテルがいいと思います。ビジネスホテルが安く取れなかった場合なんかは使う一手もあり。荷桁もちょいちょい利用してます。男性向けが多いので注意。
シーサイド イン 大森
カプセルホテル リード・イン 大森
カプセルホテル&サウナ みづほ
主なレース:
やはりGⅠである帝王賞と東京大賞典、ジャパンダートダービーはやはり見ごたえがあるがけっこう混雑する。平日にビール飲みながら見るなら東京ダービーあたりがちょうどいい込み具合で楽しいです。南関東のエース馬ばかりなので、見てメンツを覚えておけばのちのちまで楽しめるはずですよ。
昔の帝王賞のファンファーレが好きだったんだよなあ。
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