日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。
そこに競馬があるから > 名古屋競馬場 > 名古屋競馬場 その48 ~名古屋競馬場グルメをしのぶ 平野屋~
名古屋競馬場の平野屋
*名古屋競馬場レポートのつづきです。
初めからお読みになる方は名古屋競馬場レポートその1からどうぞ。
どうも。荷桁です。毎度性懲りもなく、旧名古屋競馬場、通称どんこ競馬場のグルメについて見ていくことにいたします。毎度繰り返しとなりますが、いきなりこの記事に飛んできてどんこ競馬場グルメの全体像が理解できていない場合はこちらの記事に先に目を通しておいていただけると話が早いので、よろしくお願いいたします。
今回ご紹介するのも食堂棟から「平野屋」さんでございます。平野屋は、入場門の近くという比較的恵まれた立地だったにもかかわらず、あまり分かりやすく、店頭で串カツとかどて煮とかをワイワイ売るようなことはしていなかったのと、これまで見てきたお店と違って店内と間口がそこまで広くない狭小型の店舗ということもあり、ここを読んでいる方の中にも、この平野屋さんを利用したことがない、という方も多いかもしれませんな。
とはいえ、平野屋さんもご多聞に漏れず魅力的なお店でございましたので、利用したことがある方も、そうでない方も、まったりと平野屋さんの在りし日の雰囲気を楽しんでいただければと思います。ちなみに、平野屋さんは移転を待たずして閉店してしまったのですが、どんこ競馬場の最後期まで存在していたお店としてカウントさせていただければと思いますので、そこはご了承くださいませ。
それではまいりましょう。どんこ競馬場の平野屋でございます・・・。
さて。そんなわけで、在りし日の平野屋の様子を見ていくことにしよう。
先述のとおり、平野屋は食堂棟にあるものの間口が狭いお店であった。平野屋だけが狭いかというとそういう訳でもなく、これからご紹介する、まつよしや松井屋といったお店も同じような間口で商売をしていたので、食堂棟の物件には2タイプあったのか、広い店は競馬組合と交渉して壁をぶち抜いたりした歴史があるのかもしれないな。
外観はこんな感じ。分かりやすいメニュー、小ぎれいな赤いのれん、あまり派手に物を売っていないフロントの雰囲気など、こざっぱりした見た目がいい感じである(ドヤドヤしている他のお店がダメと言うことでもないが)。
平野屋さんは品のある女将さんが基本的に1人で切り盛りしていたので、女将さんのセンスと言うか、キャラクターもお店に出ていた感じですね。
他のお店が、串カツや唐揚げを販売している中、平野屋が外向けに売っていたのはおでんであった。
かなりおでんのつゆが濃く見えるが、味噌おでんではなく、醬油を効かせたいわゆる関東炊きである。
これは表でテイクアウトもできるが、もちろん店内でも食べられるので、入りしなに、1.2品注文して入店すると酒が出てきた瞬間に飲り始めることができるので、スマートであった。
さて。おでんの話はそこそこに、平野屋さんの内部を見ていくことにしよう。平野屋さんは先述のとおり、どんこの食堂棟の中では狭めのお店に分類され、両サイドにカウンターがあり、写真で言う左側のカウンターの向こう側に厨房があるというシンプルな構造だ。
基本的に入口は開け放たれているので、夏は暑く、冬は寒い、どんこらしい店であった。まあその分、春や秋などの気候のいい季節は空気がこもった他の店より快適であったと言えた。
そんな構造もあって、とりあえず、平野屋さんの店内で飲み食いをしようと思えば、どちらかのカウンターに座ると言うことになる。
まずは壁側のカウンター席を見ていこう。平野屋さんのカウンター席はあまり広くはないが、この絶妙なスペースが、かえって「競馬場で酒を飲んでるぞ」という雰囲気を醸していてよかった。
先ほど、平野屋さんは品のある女将さんが切り盛りしていたと申し上げたが、カウンターの上のテーブルクロス、丸椅子につけられたカバーなどを見ても、そのセンスや気遣いがうかがえた。
酔っぱらって瓶ビールをこぼす客や、味噌だれをポタポタ垂らす客、レースに夢中でタバコの灰を落とす客など、クソ客も多かったであろうことを鑑みると、素晴らしいホスピタリティである。
続いては厨房サイドのカウンターだ。当然のことではあるが、こちらもレースや椅子カバーが設置されている。
厨房側から調理時の油や水滴が飛ぶのを防ぐためか、こちら側のカウンターにはカーテンが設置されていた。厨房の中が見られたくなかったのかもしれないが、これまでのホスピタリティを見るに、客への気遣いのひとつだと捉えておくのが妥当であろう。
卓上には、箸、調味料、マークカードとペグシル、灰皿と、競馬場の食堂にくるオッサンが求めるものがすべてそろっていた。
卓上には名古屋のローカルソースメーカー、コーミの焼きそばソースが鎮座していた。写真では見づらいが、その奥にはウスターソースもある。名古屋でウスターソースと言えばカゴメかなと思いきや、そこはイカリソースであった・・・。
そんなこぢんまりしたカウンターにはこうして常連さんたちが集ってくる。狭いカウンターなので、詰めれば10人くらいは全然入るだろうが、基本的には5人くらい入ると、けっこう混んでるな、と言う雰囲気が出ていた。
カウンターの客の誰からも見やすい位置にはモニターがあり、皆、それをボサーッと眺めながら飲み食いをするのが常であった。このモニターがあるため、基本的に来店客は、体を半分モニターの方に向けて、カウンターに肩肘を置きつつ飲み食いをするという感じだった。
店内が狭めなこともあって、レースも見やすく音もクリアに聞こえるので観戦環境はけっこういい感じであった。
さあ、ではそろそろ平野屋で供されていた食べ物について見ていくことにしよう。
とりあえず、平野屋はカウンターだけのお店なので、個別のメニューと言うのはなく(あったのかもしれないが、荷桁は出してもらえんかった)、壁のメニューを見て注文するというオールドスタイルである。
平野屋はどんこ競馬場の中では珍しく、ちゃんぽんを扱っており、これが看板メニューのようであった。なにゆえ平野屋でちゃんぽんを扱っているのかはよく分からないが、どんこ競馬場には、兒島真二騎手、丸野勝虎騎手、宮下瞳騎手、木之前葵騎手など九州にツールを持つ騎手の方が多いように、関係者に九州関係者が多かったりするのかしら。まったく根拠なく言うてますけど。
ほか、ぎふ屋なきあとのうな丼、中華丼などのメニューが平野屋の独自性と言えた。
ほか、細かいグランドメニューを見ると、ラーメンやカレー、カツ丼、うどんそばなどスタンダードなメニューもあったようである。ほか、いわゆる天とじ丼と思しき「かき玉丼」というのがあったり、豚汁(大)200円、豚汁(中)180円という20円の差分が何なのかなどが気になるところであった。
基本的に、メニューは無地の紙に書かれているのだが、何故か「どて」だけはそこはかとなくチープなくまちゃんがウインクしているかわいいメモ用紙に書かれていて、ほっこりする感じなのがよかった。
続いて酒メニューだが、平野屋の焼酎は、麦・芋のほか、線が引いてあるのでこの時は提供されていなかったようだが、米まであるという充実っぷりで、平野屋=九州ルーツ説を強化している感じであった。名古屋というエリア自体、基本的には焼酎カルチャーは関東と同様に希薄な感じで、市中の居酒屋でも大衆居酒屋では甲類の焼酎がメイン。そんな中で平野屋は気を吐いている感じであった。
ハイボールはキリンの影響かホワイトホースであった。ちょっと余談だが、名古屋エリアではキリンが歴史的に強いということもあってか、どんこ競馬場も基本的にはキリン商品がメインであった。そのへんもふまえて、一連のどんこ競馬場グルメレポートを読んでいただけると、また趣深いところもあるので、お時間あれば是非どうぞ。
さて。そんなんで、メシ・酒とメニューもざっくり見たので、まずはビールで乾杯。平野屋のビールはジョッキもキンキンに冷えとって、ええ感じだったわ。
ホワイトホースもいわゆるメガサイズで600円だで、まあ競馬場内の飲食店にしては良心的と言えたわな。
まずは、クマちゃんもイチオシのどてから行ってみよう。非常にスタンダードな豚の臓物を使用しているどてで素晴らしい。ネギの青いところが乗っとるあたりも、ようわかっとるという感じ。名古屋人はネギは白いところより青いところが好きなんだわ。
そして串カツ。1本しか頼んどらんのに、揚げたてを丁寧に仕上げてくださってて泣ける。実は串カツは表に作り置きしとらんところで注文するのが、実は良かったのかもしれないな。
さらに、表にあったおでん。味濃い目の出汁だで、厚揚げあたりがウマいんよね。こんときは味噌ではなくからしでいただきました。
さあ、つまみでビールやらホワイトホースハイボールやらを楽しんだらメシものも行ってみよう。
まずはちゃんぽん。どんな感じだろうと思っていたが、まあ野菜、豚肉、かまぼこというスタンダードな具材に、あっさりめの白濁スープという内容であった。さすがに佐賀競馬場や佐世保競輪場のちゃんぽんと比べてしまうとあれだが、まあしっかり美味しいちゃんぽんという感じであった。
続いては同じ系統であんかけ焼きそば。これは汁がない分、チャンポン以上に、おつまみに、〆にとハイブリッドなやつであった。
なので、ビールを飲みつつあんかけ焼きそばもいっちゃったりするのだが、これがまた至福。ちょっとソース垂らしたりしたら、もう、酒2~3杯はいけちゃうね、という感じであった。
さて。そんなわけで、どんこ競馬場平野屋さんでございました。今こうしてレポートを書いていると、ここももう少し攻めてみたかったなあと悔やまれるところである。完全に推測で書いてしまっている部分もあるが、何か平野屋さんが九州由来であるなど情報ある方は是非、お寄せいただければ幸いでございます。
次回以降もどんこのグルメをつづけてまいりますので、よろしくお願いいたします・・・。
>>名古屋競馬場レポートその49へ
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