日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。
そこに競馬があるから > 名古屋競馬場 > 名古屋競馬場 その53 ~どんこのレースや騎手の思い出~
名古屋競馬場のゴール前
*名古屋競馬場レポートのつづきです。
初めからお読みになる方は名古屋競馬場レポートその1からどうぞ。
どうもどうも。荷桁です。だいぶしつこいようですが、今回も旧名古屋競馬場、通称どんこ競馬場のレポートをしていきたいと思います。
ここまで、どんこ競馬場の思い出として、食堂などのグルメの話や、予想屋さんの話などをしてきた訳ですが、冷静に考えるとフツーの競馬ファンにとってはどんこ競馬場の思い出と言えばそういう話ではなく、思い出のレースやかつての名馬、騎手の話になるのが普通かなと思います。さすがに私がレース場変態オタクの荷桁ということを加味しても、このままいくと「お前、競馬場の話ばかりしとるけど、肝心のレースは見とらんかったのか」と突っ込みを受けること待ったなしなので、一応ここらで個人的に思い出に残っているどんこ競馬場のレースや騎手などの話もしておこうと思います。
普段からあまり「このレースを見に行こう」「この馬や騎手を見に行こう」というモチベーションでもって競馬場に行かないタイプなので、ややとりとめのない内容になりそうな感じがしますが、まあ個人的な備忘録と割り切っていただき、ゆるゆるとご覧いただければ幸いです...
さて。っつーわけで、どんこ競馬場の思い出のレースということだが、まず生で見た中でもっとも客入りが良かったのは、09年のJBCの日だったと思う。荷桁は当時大阪に住んでいたので、アーバンライナーでしれーっと行ったような記憶がある。
どんこ競馬場でのJBCは04年と09年の2回、JBCが行われているので、執筆時点においてどんこで行われた最後のJBCということになる。新しい弥冨競馬場はスタンドのキャパシティ的にJBC開催は無理だろうから、名古屋競馬場でのJBC開催は基本的にはもうないのかもしれないな。直線が長いのでスプリントとか2歳のやつだけ持ってくることはあるかもしれないけど。まあ、愛知県内でJBCやるとしたら中京競馬場でやるくらいのウルトラCがないと無理かもね。笠松も到底無理だろうし。
このときの1番人気はヴァーミリアン。武豊を背に登場。
さらに、メイショウトウコン藤田伸二なんてのもいた。うわあ懐かしい。この日は4番人気。
加えて、その後いろいろあった尾島徹騎手を背に、当時の東海公営のボス格、マルヨフェニックスも参戦していた。
結果はヴァーミリアン→マコトスパルビエロ(安藤勝)→ワンダースピード(小牧太)という結果に。配当は安かったが、最後の直線はなかなかの接戦であった。
そういえばこの年のJBCのプレゼンターはプリンセス天功だったけど、どういう人選だったのだろう・・・。
JBCのほか、どんこの名物的なレースと言えば東海ダービーも見に行った。どんこの重賞はド平日にやっているので基本はスルーなのだが、この日はたまたま暇だったので、やはり大阪からアーバンライナーでしれーっと見に行ったような記憶がある。これも2012年とかだから、執筆時点でもう12年前か。うえ~すぐ年とっちゃうなあ。
この年の1番人気は笠松のアウヤンテプイ。駿蹄賞を勝っての1番人気はまあ妥当な感じであった。ちなみに東海で活躍したのち、スプリント路線で道営→佐賀と渡り歩いて通算28勝を挙げた、活躍馬でもある。鞍上はこれまた尾島徹騎手。
さらにこの年は福山競馬場から、福山ダービーを勝ったアグリノキセキという馬も遠征してきていた。鞍上は三村展久騎手。この翌年に福山競馬場は廃止になっているのだが、なんつーか、この時代には普通に福山の馬とか来てたんだなあとしみじみ。
この年の東海ダービーの1着は4番人気のマイネルセグメント。当時まだ23歳の今井貴大騎手が制覇する形となった。
2着3着には9番人気・10番人気が入って払い戻しはとんでもない金額に。普段の名古屋競馬からしたらありえない配当になってしまった。
今井騎手は今でこそ名古屋の上位騎手の一人として活躍しているベテランだが、日本初の平成生まれの騎手ということで、このダービーの勝利で、平成生まれで初のダービージョッキーとなったという記録にもなった。
まあ個人的にはこのレースがトラウマになって、その後東海ダービーは二度と見に行っていないのだが・・・。
あと、よく見ていたレースは、正月開催のシリーズに当たることが多かった名古屋記念。交流重賞ではないが、当時のどんこの一線級が見られるレースで、なかなか楽しかった記憶がある。
写真の2013年は戸部尚実騎手が制覇していた。この前年の2012年のどんこ競馬リーディングで岡部誠騎手を下してその勢いのまま、ベテラン戸部騎手が新年の名古屋記念を制したということで印象に残っている。
なぜか記念撮影には、かつての名古屋競馬リーディングで無双していた吉田稔氏も登場(馬主さんの代わり?)。よく分からんが、このへんのゆるさがどんこっぽかった。
2020年の名古屋記念も現地に。勝ったのは2010年マイネルアラバンサ以来、10年ぶりの名古屋記念勝利となった岡部誠騎手とアドマイヤムテキ(翌年の名古屋記念も勝利し連覇)であった。
まさに執筆時(2024年8月)にいろいろ起こっていて、やや触れづらい岡部騎手だが、なんだかんだ、2000年代半ば以降のどんこ競馬の主といえばやはりこの人であった。馬券を買う時も、岡部騎手が来るか来ないか、乗っているか乗っていないか、というのは常に気にする存在であった。
しれっとレースの話から騎手の話に移っていくと、宮下騎手、木之前騎手の女性騎手2人も、どんこ競馬の盛り上がりにはなくてはならない存在であった。
ただ、個人的には上記の2人よりもどんこの女性騎手で印象に残っているのは山本茜騎手。セクハラ騒動などいろいろあることはあったが、荷桁の3歳上、名門・横浜翠嵐高校から騎手へ、さらには韓国やニュージーランドでの騎乗など、いろいろ荷桁の琴線に触れるところがあり「どんこなんかにおらんと、いろんなところで活躍してほしいなあ」と影ながら応援していたのだが、怪我で引退となってしまって非常に残念であった。
女性騎手だけでなく、どんこには外国人騎手も来たりしていた。
写真はレオナルド・サレス騎手。ブラジル出身で、日本に短期騎乗しに来るにあたって、美濃加茂市にいる親類に騎乗姿を見せたいということでどんこ所属を選んだというよく分からない騎手である。
どんこを離れてからはカナダで騎乗しているようで、今年もウッドバインやフォートエリーなどの競馬場で騎乗しているところが見受けられている。
ほか、思い出に残っているどんこの騎手たちと言えば、筆頭格はこちらの吉田稔騎手である。90年代後半から2000年代半ばに岡部騎手が台頭してくるまで10年連続リーディング。さらには中央重賞5勝、G1桜花賞をシーザリオで2着など、腕前はどんこ歴代の中でも最上位クラスであるのは間違いがない。
その吉田稔騎手と二枚看板的な存在だったのが、こちらの安部幸夫騎手。安部騎手も中央重賞を2勝している名手であった。古くはブラウンシャトレー、その後はキングスゾーンなど、中央重賞や交流重賞で活躍するお手馬と共に全国を回っていたのも印象的であった。調教師転身後も、毎度パドックの騎乗馬のところに出てくる熱心な姿が好印象である。
さらに、兒島真二騎手、倉地学騎手など、現役を引退したかつての名手たちの思い出もいろいろある。どんこの2010年代は大畑・柿原・今井などの若手(当時ね)と彼らのようなベテランがしのぎを削っていて、なかなか面白かった。
舞台は弥富に移り、コースの癖もなくなり、癖のあるベテランもだいぶ減ってしまったけれども、騎手の皆さんにおかれましてはアツいレースを今後も見せてほしいものである。
そして最後に、坂本敏美騎手。悲運の事故で引退した、かつての名古屋の名騎手である。荷桁が生まれる前年に事故で引退を余儀なくされているので、荷桁はもちろんリアルタイムでは見ていないが、予想屋のサブイチはじめ、食堂のおばあちゃん、常連のじいさん、どんこを昔から知る人の誰に質問しても「どんこで一番うまかったのは坂本敏美ちゃん」と声を揃えて言うので、これはもう間違いないところなのだろう。
最後は主催者とも揉めるような形になってしまったので、あまり愛知県競馬組合が坂本騎手の功績を積極的に取り上げることはないのかもしれないが、それでも競馬場の移転前に設置されていたどんこの歴史を振り返るパネルなどには坂本敏美騎手の写真もいろいろ使われていたりしていた。事故から随分経って当時の関係者が減ってきて、徐々に主催者サイドも坂本騎手のことを表立って評価できる流れが来ているのかもしれない。
願わくば弥富のどこかに坂本敏美騎手のメモリアルコーナーでも作っていただき、もっとこの騎手の偉大さを後世に伝えてほしいものである・・・。
さて。そんなわけで、私的などんこ競馬場の騎手やレースの思い出を語らせていただきました。
次回のレポートでどんこ競馬場レポートは最後になる予定ですので、もうしばらくお付き合いの程、よろしくお願いいたします・・・。
>>名古屋競馬場レポートその54へ
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