そこに競馬があるから

日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。

園田競馬場　その２３　～園田競馬場グルメその７　ミュンヘン、阪急食堂の思い出～

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園田競馬場　いい感じの看板

＊園田競馬場レポートの続編です。
初めからお読みになる方は園田競馬場レポートその１からどうぞ。

　今回も園田競馬場レポートでございます。

　長々と園田競馬場グルメレポートをしてきましたが、今回が最後でございます。

　今回のレポートではここまでご紹介しきれていなかったスタンド内の食堂をご紹介させていただきましょう。

　現在園田競馬場のメインスタンド内にある食堂と言えば２階のミュンヘンと４階指定席エリアのさかえの２か所である。

　荷桁は園田の４階指定席は利用をしたことがないので、必然的に今回のレポートではミュンヘンを中心に紹介していくこととなる...

　っつーわけでミュンヘン到着。スタンド自体が古いというのもあるが、なかなか趣深い雰囲気を醸している食堂である。

　関西には「ニューミュンヘン」という屋号のビアレストランチェーンがあって、けっこう人気なのでそこの系列かと思われる方もいるかもしれないが、園田競馬場にあるミュンヘンは「阪神ローレルフーズ」という競馬場名と競走馬名を足したような名前の会社が運営しているビアレストランである。
　

　ちなみに、この阪神ローレルフーズでは阪神競馬場でもミュンヘンの屋号でレストランをしていることを付け加えておこう。競馬場内にお店を出している会社って調べてみるとけっこう奥深いわよね。

　さて、このお店の特徴だが、さすがはミュンヘンというだけあって、ここはビールが美味いのである。

　競馬場には珍しく、黒生ビールも置いているので、ハーフ＆ハーフなんかも注文できてしまうぞ。荷桁はハーフ＆ハーフに目がないクチなので、春から秋の暖かいシーズンには一度はここに立ち寄ってビールをチャージしてしまうからよくないのう。

　ミュンヘンはビールだけでなく、メシ系メニューもむやみに充実している傾向にある。

　個人商店ではなく、企業が運営している分、仕入れ面でのメリットが出せるのであろう。品数がすごく豊富である。

　特に揚げ物を中心とした定食やカレー、丼もののラインナップは他の食堂の追随を許していない感じだ。冷たい言い方をするとやや無個性とも言えるが、分かりやすい味のものをガッツリと食べたいんじゃというタイプにはいいお店だ。加えて、鳥の照り焼き丼やカキフライ丼など微妙な個性を放つ食べ物もあることはあるので、変わり種が好きな方はチャレンジしてみるのもよかろう。

　ミュンヘンは麺類も置いている。そば、ラーメンうどんのほか、サイドメニューとしてお稲荷さんやバラ寿司なんかも置いてあるところもポイントだ。ガッツリメニューだけでなく渋めのメニューも押さえているところが老人客の多い園田で生き残る知恵と言えよう。

　この年になると、お稲荷さんとかバラ寿司とかたまに食べるとしみじみ美味いのよね。学生の頃はこんなたるいもん食えるかよって感じだったのに。

　当然のことながら、ビールにあうおつまみメニューも充実。

　枝豆やすじ煮込みなどの定番から、関西のそれっぽい洋食店にありがちな、チーズクラッカーやハムサラダあたりがきちんと押さえられているのがミュンヘンらしいところだ。観察してみれば分かるが、我々若者が思っている以上に園田競馬場の老人たちは一見凡庸なこれらのつまみに対して愛着を持っているのである。

　荷桁がこの店でおススメするのは、こちらのチキンカツ定食である。

　やんごとなきはやはり、このカツのボリュームだ。この店の揚げ物にはかようなデミグラスソースがかかることが多いのだが、これもまたよし。

　これだけ大きければ半分をビールのアテとして食して、半分で飯を食ってもいけてしまうのもうれしいことである。

　エビフライもなかなか豪華でいい感じ。白いドレッシングのようなソースをかけるのも、大阪洋食あるあるである。

　比較的店内も広々として落ち着いているので、ゆっくりガッツリ飯を食いたいと言う方には一番いい食事処やもしれぬ。是非ご利用あれ。

　さて、ここからは昔話になってしまうが、過去、園田競馬場内には”阪急食堂”なる食堂も存在していてこちらもなかなか思い出深かった。現在は閉店しており、誠に寂しいことである。

　メニューは豚骨ラーメンや天津飯などを除くと、わりと先述のミュンヘンに通じるものがある。客が減って来ると同系統の食堂というのは淘汰されていってしまうものなのだろうか。天津飯食べたことなかったから食べときゃよかったな。

　個人的にこの店でツボだったのが、こちらの看板。「コーラー」という表記は「コーヒー」からの勢いでつい行ってしまったんだろうか。それとも当時関西では「コーラー」という呼び方が一般的だったのだろうか。謎は深まるばかりだ。

　かつての店内は、休憩所として再利用されている。中央の競馬場であっても、お店が閉まるとそのまま未使用空間になることが多いのでこういう使われ方はよいと思う。

　この椅子もまたレトロ臭がハンパなくてステキだ。これまで出会ってきた数多くのパイプ椅子の中でも何故か愛着を覚えるデザインである。またこれが床の色合いと見事にコラボしており、さらなる郷愁を誘う。この部屋に入るだけでタイムスリップ感満点である。

　さて、ダラダラと園田競馬場のグルメに関して述べてまいりましたが、いかがでしたでしょうか。

　ナイター開催を機にお店の数が増えたとは言え、まだまだ入れ替わりや閉店も続いており、なかなか厳しい状況には変わりない。

　園田と言えば「たこ天」というのも否定はしませんが、ひとつ探検するつもりでいろいろなお店の知られていない食べ物をちょいちょいとつまんでみてください。関西の食堂カルチャーを感じることができると思います。荷桁も新たなものを食べましたら、どんどん加筆してまいりますゆえ。

　さて、グルメの話題は終わりましたが、次回以降も園田の話になるかと思います。

　園田競馬場レポート、もう少しだけ。