日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。
そこに競馬があるから > 名古屋競馬場 > 名古屋競馬場 その49 ~名古屋競馬場グルメをしのぶ 松よし~
名古屋競馬場の松よし
*名古屋競馬場レポートのつづきです。
初めからお読みになる方は名古屋競馬場レポートその1からどうぞ。
どうもどうも。荷桁です。今回もゴキゲンに旧名古屋競馬場、通称どんこ競馬場のグルメについて見ていくことにいたします。繰り返しのアナウンスとなりますが、いきなりこの記事に飛んできて、どんこ競馬場グルメの全体像が理解できていない場合はこちらの記事に先に目を通しておいていただけると話が早いので、よろしくお願いいたします。
前回の平野屋さんから入場門を挟んで西側の食堂棟に移りまして、今回紹介するのは「松よし」さんでございます。松よしさんと言えば、どんこ競馬場で唯一、お好み焼きを扱うお店でした。名古屋風のチープなお好み焼きをメインに外の売り場では焼きそば、串ものなどをさばき、店内では常連さんたちがまったりやっているという人気のお店で、ライト層からディープ層まで幅広く利用がありました。
今回はそんな松よしさんの魅力を振り返っていければと思いますので、お付き合いの程、よろしくお願いいたします...
さて。そんなわけで、松よしである。
松よしの外観を今一度。前回にご紹介した、平野屋などと同じく、食堂棟の中でも間口狭い系の店舗に分類される。
店と左側の外壁が緑色で右側の外壁が白色になっているが、これは右側すぐそこがどんこ競馬場の正門の建屋で、左側に食堂棟が広がっているということである。この店が「松よし」という屋号をしているというのが外観からは分からないので「松よし」と言われてもピンとこない人が多いと思うが、この外観を見たら「ああ、ハイハイここね」となるのではないだろうか。
入場門の近くで、焼きそばやお好み焼きを売ってた店でっせ、と言うのがどんこに行っていた方には一番、分かり良いかもしれませんな。
松よしは店内飲食も可能だが、基本的に大賑わいなのは店頭の方である。
店頭メニューは4種。串カツ・ねぎま・焼きそば・お好み焼きだ。肝焼きとの表記もあるが、これはあまり見られず、自然消滅していった感じであった。
店頭でジュージューと焼き鳥やらねぎまを焼いているので、ライブ感があり、いかにも公営レース場の屋外売店という雰囲気である。値段も安く、老若男女誰もが食べられるポピュラーな商品構成もあって、店頭の賑わいという意味ではどんこの売店の中でも頭一つ抜きんでていたイメージがある。
店頭における看板メニューのお好み焼きはこちら。
オムレツというか、クレープというか、バインセオというか、ちょっとお好み焼きっぽくない見た目なので「これがお好み焼き??」となる人もいるだろうが、これは名古屋人にとってはフツーのお好み焼きなのでご安心くだされ。
名古屋のお好み焼きは、大阪で言うキャベツ焼きとか広島のお好み焼きから焼きそばを抜いたものに近い、薄い生地でキャベツをメインとした具材を挟んで焼くスタイルが主流だ。最近は価格高騰の折、どうなっているか分からないが、荷桁が高校の頃(マクドナルドのハンバーガー1個59円の時代だからちょっと極端かもしれないが)は、だいたい玉子とわずかな豚肉ないしイカが入って250円~350円くらいの値付け、肉などが入らないと100円くらいで提供している店というのもあった感じであった。価格も安く、大きさもライトなので、いわゆる座席に鉄板があるようなお好み焼き屋で食事として食べるというより、テイクアウトでおやつ的に食べると言うのが名古屋スタイルだ。
特に名古屋市内やその近郊のスーパーマーケットにはかなりの割合で出口付近にこうしたお好み焼きがある売店が併設されているほか、スーパーの近くや市場、商店街などの買い物客をターゲットにおばちゃんが一人でやっている小型のテイクアウトお好み焼き店というのが多いのである(こういう店にはだいたい、みたらし団子も置かれていて、その話もすると日が暮れてしまうので、その話は松井屋さんを紹介するときにすることにします)。イメージがつかない場合は「円頓寺 甘太郎」あたりで検索していただくと、だいたいイメージがつくかと思う。
話が長くなったが、つまり松よしのお好み焼きは、やんごとなき名古屋メシであるということ。地元の人間だからわかる、名古屋の下町エリアのカルチャーとしっかり地続きになっているこの感覚がどんこ競馬場の魅力であったなとしみじみ思う次第だ。
さて。店頭の話が長くなったが、松よしの店内も見ていくことにしよう。
先述の通り、松よしはどんこ競馬場の食堂の中では狭い系のお店である。家族経営っぽい雰囲気で、気立てのいいおねえさま方がワイワイ名古屋弁で接客してくれるので、常連さんたちも多いお店だ。
常連さんが多いのと、店内が狭いのもあって、松よしは昼時に店内飲食するのはけっこう難しい感じであった。1レースの馬券を仕込んで、さっと入ったり、閑散期の昼下がりにふらっと入れたら入るというのがいつものパターンであった。
店内には厨房側にカウンター席、壁側には小さ目のテーブル席という構成だった。
カウンターはこんな感じ。厨房にいるおねえさま方とワイワイ話ながら注文を待つことができる、特等席である笑
テーブル席はこんな感じ。一応4人掛けだが、見ての通り、かなり狭目。常連のじいさんたちが、店員のおねえさんらに「ハイ、つめてつめて」と言われながら肩寄せ合って酒を飲んでいるのが松よしの日常風景であった。
調理場の上にはレースを観戦できるモニターがあり、常連さんたちは、外の売り場で馬券を買ってきてここで見るという人も多かった。中央競馬の発売時は言わずもがなである。
厨房の雰囲気も、なんだか、ばあちゃん家の台所って感じがあったな。
カウンターの上にはマークカードが大量にあり、公営レース場の食堂という感じである。
さて。店内もざっと見れたので、松よしのメニューを見ていくことにしよう。
松よしのメニューは非常にシンプル。まずはどてめし、串カツ丼の2種のごはんもの。これは店頭で販売している串カツやどてをご飯にのせたものということになる。さらにお好み焼きと焼きそば。これも店頭で焼いているものをそのまま店内提供ということになる。さらにごはん、豚汁、冷ややっこ。素晴らしい。
さらに、100円均一が素晴らしい、串カツ、ねぎま、おでん、串もの。これが、基本的にはおかずとなり、上記のごはん・豚汁・冷ややっこと組み合わせれてオリジナル定食となっていくわけだ。
飲み物も、酒、ビールなど武骨なアルコールメニューと、瓶のジュース、パックのジュースとがある。
食べ物も飲み物もとにかく割安で、これは常連さんがつくのも良く分かるわという感じであった。
ちなみに、奥の壁にはこうした札のメニューもあり、古い大衆酒場のようで雰囲気も素晴らしい。
ちなみにこちらには、先ほどのメニューになかった「つけもの」200円というのもある。ごはんに組み合わせるなら200円は高い気もするが、これは単品でつまみとして提供するイメージなんだろうな。
それではここからは松よしでいただいたものを順に見ておくとしよう。
まずは生ビールでご乾杯だコノヤロー!
ビール頼んだら、まずはねぎまだ。100円だ。
ただでさえ安いのに、キャベツまでついてきて、ありがたすぎる。このキャベツにソースちょっとふるだけで、立派なつまみになるのだよ。
っつーわけでねぎまとビールで昼間っからキメるのが、松よしの醍醐味だ。
調子になってさらにおかわり。レモンサワーと串3人衆でさらに酩酊に拍車をかけていくことにしよう。
串は上から、味噌串カツ、どて串、味噌おでんだ。全部味噌味で計300円。素晴らしいのう。
ちなみに、味噌おでんはさつま揚げのような練り物なのだが、これ、名古屋では「はんぺん」と呼ぶので、名古屋でおでんを食べる際はご注意されたし。
さらにメシものに移って、焼きそば。
メシでもある一方、焼きそばの出来具合によってはスピードメニューにもなるので、酒のつまみにもバッチリであった。
そして、この店でビールの次に高級などてめしだ。
うむ。これは紛れもない、どてめし。刻みのりがかかって、たくあんも2切れついて、これはもう王道中の王道スタイルである。
松よしのどてめしの味の決め手は味噌だ。この味噌だれ、味の系統はどこでも大差ないのだが、タレを煮詰めて濃厚にしているか、さらっとさせているかというところに店の個性が出るのだ。松よしの場合は前者よりで気持ち濃厚になっているので、どての味でメシを食うというのもあるのだが、むしろ味噌だれが染みたメシを楽しむという趣で、それがまた良かったのである。松よしもそれを分かっていて、
さらに味噌汁。メニューには豚汁があるが、この日は久々に出勤した店員のおねえさんが「豚肉を入れ忘れた」とのことでサービスメニューとなった記憶がある。
こちらも見ての通り、名古屋人が毎日のように飲んでいる、赤だしのスタンダードな味噌汁で、見た目も味もほぼ完ぺきなものであった。いやこうして見ると、ホント、すべてのメニューがこれでもかというくらい名古屋人の琴線に触れるもので、毎回言っているが、しみじみ惜しい店を失ったなという感じである。
さて。そんなわけで、どんこ競馬場の松よしでございました。
残りの店も少なくなってきましたが、もう少しだけ、どんこ競馬場のグルメについてやっていきますので、引き続きよろしくお願いいたします・・・。
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