日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。
そこに競馬があるから > 場外発売所その他 > J-PLACE名古屋 その1 ~一昔前のJ-PLACE名古屋~
旧J-PLACE名古屋
どうも。荷桁です。
え?「てめえ、前回のレポートで、どんこ競馬場レポートはこれで最後、とか言っておきながら、またどんこじゃねえか!!」とお怒りだったりしますか?
いや、ちょっとお待ちください。よくタイトルを見ていただきたいのですが、今回のレポートは旧J-PLACE名古屋のレポートとなります。え?「こんなもん、どんこ競馬場のレポと何が違うんだ?」ですって?
まあ確かに旧J-PLACE名古屋はどんこ競馬場の建屋や設備をそのまま利用してJRAの馬券を売っている施設と言うことでお気持ちは分かるのですが、たとえ建物が同じだとしても、やはり地方競馬場の本場を開催している日の競馬場と、本場非開催日にJRAの馬券を売っているJ-PLACEとでは場内の使われ方や雰囲気が全然違うので、競馬場オタクであると同時に場外馬券売場オタクでもある荷桁としては、やはりそれぞれ分けて語りたい訳です。
というわけで今回は、旧名古屋競馬場、通称どんこ競馬場の施設を使って運営されていた旧J-PLACE名古屋のレポートです。もちろん、どんこ競馬場の解体に伴って、J-PLACE名古屋もリニューアルされて新しい建屋での営業が始まっているので、今回はあくまで「旧」J-PLACE名古屋の様子をまったり振り返っているという部分にご留意いただければ幸いです。
っつーわけで前置きが長くなりましたが、まいりましょう。在りし日の旧J-PLACE名古屋をまったり振り返ってまいります...
さて。そんなことで、かつてのJ-PLACE名古屋である。
繰り返しになるが、今からレポートするのは現在のJ-PLACE名古屋ではなく、まだどんこのスタンドでJ-PLACEの営業をしていた頃の様子で、今はもうまったく違う建屋で営業をしているので、J-PLACE名古屋に行きたい方にとってはまったく参考にならない、過去を懐かしむためのレポートなので、そこんところは勘違いなさらぬよう、くれぐれもご留意&ご了承くださいませ。
新しいJ-PLACE名古屋には、まあそのうち行きますわ(適当)
J-PLACE名古屋とさっきから言っているが、まずはJ-PLACEとはなんぞやという部分からおさらいしておこう。地方競馬全国協会のウェブサイトを引用すると、以下の通りだ。
『J-PLACE(ジェイプレイス)』とは、地方競馬共同トータリゼータシステム(以下「地方競馬共同TZS」という。)を利用し、JRAの勝馬投票券の発売・払戻を行う地方競馬施設の呼称です。
中央競馬と地方競馬とが相互の勝馬投票券の発売を拡大することで、お客様の利便性向上や我が国の競馬全体の発展を図ることを目的としております。
なお、J-PLACEで発売した勝馬投票券と、JRAの競馬場、WINS等で発売した勝馬投票券は、払戻・返還の互換性がないため、お客様の混乱を招かないよう、地方競馬施設であってもJRAのシステムを利用してJRAの勝馬投票券を発売する施設は「WINS」、地方競馬共同TZSを利用して発売する施設は「J-PLACE」とに分けて整理しています。
参考:「地方競馬全国協会」 https://www.keiba.go.jp/about/j-place.html
まあ要するに、地方競馬の場で地方競馬のシステムを使ってJRAの馬券を売っている場所がJ-PLACEだと思っていただければOKだ。どんこ競馬場は平日は基本的に本場開催と笠松競馬場の場外発売が交互にあり、それに合わせて地方競馬の他場の発売をしていたので、その間の名古屋も笠松もない土日にJRAの馬券を売っているようなイメージとなる。
どんこで中央競馬の発売が始まったのが2013年4月。それまで、どんこの土日は基本的に閉まっていたので、そう考えると、まだ執筆時点で10年そこそこということになる。土日に本場開催もある高知や金沢のようなところと違って、どんこはJRA発売時に本場開催が基本的に行われないので、J-PLACE名古屋に来るお客さんというのは、土日に中央競馬を買いたいが、中京競馬場でもウインズ名古屋でもなく、ネット投票でもない層が利用しているということになる。
どんこ競馬にとっては、競馬のない日に競馬場を稼働させて、馬券販売の手数料、有料席代、場内の食堂などの売り上げにつなげるようなイメージになるが、正直、警備員さんや馬券売りの人たちの給料やその他経費を考えると、正直儲かってるのかはビミョーな感じだとは思う。まあ、JRAのネット投票システムで地方競馬の馬券を売っていたりするので、ある程度やらないといけないってのはあるんだろうな。上の写真の通り相互の払い戻しについては対応していないことがほとんどで、J-PLACE名古屋で買った馬券は基本その場で払い戻すということになる。
ちなみにJ-PLACEは施設によって、発売日程・発売レースは異なるのだが、J-PLACE名古屋は基本的に中央全レースを1レースから最終まで販売していたので、まあ、実質WINSのように機能していたイメージである。
さあ、では実際に旧J-PLACE名古屋の様子を振り返っていくことにしよう。
中央の競馬新聞はこちらの入口脇の売店で購入可能だ。が、エイトとか優馬といったポピュラーな専門紙はなく、置いているのは競馬ブックくらいであった。これはこの売店が普段付き合いがある仕入れルートなどの問題だと思われるが、まあお目当ての競馬新聞がない場合は競馬場の目の前にあったローソンで買えばよかったので、そこまで大きな問題はなかった。
J-PLACE名古屋は入場無料。まあこのへんはWINSと同じだと思っていただければOKである。
どんこ競馬場の有料席についても販売され、これを購入して、冷暖房完備の快適な空間で馬券を買うこともできた。基本グリーンホールは開けていて、特観席はよほど混む場合のみだったと記憶している。
金シャチプレミアムラウンジにおいても、開いていることが多かった。まあ、こういう設備を使ってもらわないとなかなか実入りのある収入にはなりませんからなあ。
中央競馬の発売日は予想屋はお休み。無断で入られないようにか、ベニヤ板のようなものが張られていた。
予想屋はいないが、ほかは基本的に、普段、地方競馬で使っているものを転用しているようなイメージになる。モニターなんかはフツーに普段地方競馬のオッズやレース映像が流れているモニターがそのまま利用されている。
面白いのは、オッズ表示のフォーマットは地方競馬のものが使われている部分。基本的に中央のシステムと地方のシステムで払い戻し金額が違うということはないのだが(オーストラリアとかだとトータリゼーターシステムが違うと払い戻しが変わったりする)、中央競馬のオッズモニターの映像をそのまま流すのではなく、地方競馬のフォーマットに落とし込んで放映しなくてはならないあたりがなかなかシステム的な趣深さがあるぞ。
一方レース映像はグリーンチャンネルをそのまま流しているのがギャップがあって面白い。まあ、BSがつながるのなら下手にシステム的なつなぎこみをするよりこっちの方が早いんかもな。
馬券を買うときのマークカードは基本的に中央競馬のそれと同じだ。
これはJRAのシステムと、名古屋競馬のシステムが同じ富士通フロンテックなので、わりと共通化しやすかった部分があるんだろうな。ちなみに、同じJ-PLACEでも日本トーターのシステムを採用している高知や金沢は、マークカードの趣もやや異なってくるので、ご興味がございましたら。
馬券販売機も、それ用の売り場があるのではなく、普段地方競馬の馬券を売っているのと同じものが使われていた。
画面の雰囲気も、まあ中央競馬のそれとあまり変わらない感じである。
馬券は中央競馬のものとはビミョーに異なり、どんこの馬券寄りのビジュアルになっている。とは言いながら、中央ではおなじみの「がんばれ」馬券も買えるなど、見た目以外は中央でできることがこっちでできない、みたいなこともなく、まあフツーに買うことができた。
当時のJ-PLACE名古屋では馬券が買えるだけではなく、売店や食堂も営業していたので、本場開催と同じように食堂でメシを食ったり酒を飲んだりしながら中央競馬のレースを楽しむことができた。
大半のお店にはこうしてモニターが備え付けられているので観戦も快適だ。
お店に置いてあるマークカードもJ-PLACEの日にはJRA仕様となる。
旧J-PLACE名古屋でレースが観戦できたのは場内モニターや食堂のモニターだけではない。スタンドから見えるビジョンからもレースが見られたのだ。これは競馬場を使った場外発売施設だからこそできる粋な演出(?)である。
ビジョンでは基本的にレースのほか、グリーンチャンネルを垂れ流していてくれたので、馬券を買う時以外はスタンドでぼさーっと画面を見ながら馬券を検討できたのが良かった。場外馬券売場というのは座るところの確保が難しいのが相場だが、ここならスタンドを3席くらい独占して、飲み食いしたり寝っ転がったりしていても無問題。
春や秋など季節がいい日は実に快適に中央競馬を楽しむことができた。
もちろん、屋外スタンドで見るだけが能ではないのも旧J-PLACE名古屋の特徴である。先述の通り、暑い寒いを何とかするのであればグリーンホールを活用するのも手であった。
入口ではハンドスタンプの確認が行われる。このへんの運用はどんこの本場開催時とさほど変わらない感じであった。
グリーンホールは一応定員があって、自由席ではあるが、どこかしらには座ることができたので、まあ快適な感じで見ることができた。
ウインズの有料席は、フカフカの椅子でモニターがついていて、2000円、3000円というケースも多いが、いや、まあそこまでじゃなくても、冷暖房効いてて座れて300円とか500円くらいがありがたいんだけど・・・という競馬ファンの理想的なところを突いていてくれたと思う。
ちなみに、地方競馬のシステムの応用が効くのか、J-PLACE名古屋でもキャッシュレス投票に対応していたぞ。
ほか、地方開催と変わらないという点で言うと、グリーンホール内のラッキーの前の謎の新聞は中央競馬開催時でもきちんと張られていた(むしろ中央開催時の方が張るものが多く気合が入っていた笑)。
さて。そんなわけで、つらつらと在りし日の旧J-PLACE名古屋の様子を見てまいりました。まあ行った日が気候のいいタイミングだったこともあって、変に中京に行ったりウインズ名古屋に行くよりいい場外だったのかもなあ、としみじみ思えてきますなあ。
現在のJ-PLACE名古屋は、いわゆるフツーの場外馬券売場っぽい感じになってしまっているようなので、あまりすぐに足を運ぼうという気になりませんが、まあ、気が向いたらそのうち行ってみたいと思います。
というわけで、旧J-PLACE名古屋も含め、どんこ競馬場に関するレポートはいったんガチでおしまい。次回からはまた違う競馬場の話題に移れればと思います。
そこに競馬はなくなれど、また違うところに競馬があれば、馳せ参じての「飲む・打つ・書く」で今後もやってまいりますので、引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。
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