日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。
そこに競馬があるから > 佐賀競馬場 > 佐賀競馬場 その26 ~佐賀競馬場 ロイヤル席~
佐賀競馬場のロイヤルシート
*佐賀競馬場レポートの続編です。
初めからお読みになる方は佐賀競馬場レポートその1からどうぞ。
どうも荷桁です。佐賀競馬場レポートのつづきでございます。
さて、ここまで、ゆるゆると佐賀競馬場のスタンドを見てきておりまして、1階から3階有料席フロアまでを順にまわってまいりました。今回はタイトルにありますとおり、佐賀競馬場のロイヤル席なる席を見てまいりたいと思います。
佐賀競馬場の有料席は大きく分けると、いわゆる「一般指定席」と「ロイヤル席」の2種類が存在しております。一般席の利用料金が通常500円なのに対してロイヤル席はなんと2000円と、かなりの差のつけられた料金設定になっており、正直、ロイヤル席の心理的な敷居は高いと言えるでしょう。
荷桁も以前の訪問時は「うーわ、高っ!」と尻込みしてしまい、結局フツーの指定席で観戦をした訳でございますが、その後、ロイヤル席を見ておかねば佐賀競馬場をきちんと紹介したことにはならんのぢゃ!と村の長老に喝を入れられてしまったので、2014年の訪問時はスルーしてしまったロイヤル席を、今回の訪問時は利用してみることにしたのでございます。
っつー訳で、このレポートでは佐賀競馬場のロイヤル席の様子を余すところなくお伝えしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします...
さて、まずロイヤル席ってどこにあんねん?という疑問が出るかもしれないので、こちらの写真で確認だけしておこう。
これはロイヤル席を走路側から見上げた写真である。ちょうど真ん中の上のほうにガラス張りのハコのような席があるが、これがロイヤル席である。左右には一般指定席もあるのだが、ちょっと独立したような形で存在している席だということがお分かりいただけるであろう。気持ち、高さも一般指定席よりは高い位置にあり、佐賀競馬場で一番ゴージャスな席と言うコンセプトはご理解いただけることと思う。
ロイヤル席の入場券は一般の指定席と同じ、1階にある券売機で購入することが可能だ。三機あるうち、真ん中にある2号機で一般指定席と混じって売られている。ほかの券売機では買えないのでそこだけ気をつけていただければOKだ。
こちらがロイヤル席の座席表だ。走路に近い前列がA席、後ろがB席となっており、それぞれが16席づつあり、計32席がロイヤル席の席数である。
一般指定席が1280席もある中で、ロイヤル席はわずか32席。このあたりからもそこはかとないロイヤル感が漂ってくるぜ。ロイヤル席に座ることができるのは選ばれし者たち、ないし余程の物好きたちだと言えるだろう。
32席しかないので、ひょっとしたら朝イチで早々に売り切れーなんてこともあるのかしら?と思っていたら、案外あっさり指定席券を購入することができた。
正直、南関東でもない地方競馬場の指定席に2000円を払うことに対して一瞬躊躇がなかったわけでもないが、こういうブログをやっている以上、もうこれは宿命だと思って受け入れるしかない。馬券で勝てばいいんだよコノヤロー。
っつーわけで指定席券を購入したら、前回のレポートでご紹介した有料指定席の入口から3階に行けばOKだ。入口から階段を上がって3階に着いたらすぐ近くにロイヤル席の入口が存在しているので、迷うこともないだろう。
ロイヤル席の入口には一応入場者をチェックするおばちゃんがいるので、出入りの際には都度先ほどの指定席券を提示する必要がある。ただ、このチェックのおばちゃんは馬券売りも兼ねていたりするので、タイミングによっては誰も座っていなかったりしてかなりグダグダな感じである。2000円払っているんだから、そのへんはもう少しきちんと見てほしいところだ。まあ気分の問題ではあるんだけど。
さて、そんな流れでロイヤル席にご到着だ。おお。さすがに眺望は素晴らしいな。
椅子の形状や雰囲気などは、確かにいわゆるそのへんの競馬場の特観席とは明らかに異なっている感じである。
ただ座席ごとに画面があったり、コンセントがあったりするわけではないので、そのへんを重視するという方はご注意くだされ。
席の背後にはモニターが設置されており、その前には検討がしやすいテーブルも置かれている。写真では確認しづらいが、JRAの中継や民放画面もあり、佐賀競馬や広域場外だけでなく、中央競馬もネット投票ができる方はある程度楽しむことができそうだ(中央競馬の馬券は売っていないのでご注意くだされ)。
あまり広くはないもののフカフカのいすがたくさん備えられていてロイヤルな気分を醸し出そうという努力は見受けられる。ちょっとした気分転換や居眠りなんかをするにはいい環境であると言えよう。
馬券売り場は写真奥にある有人窓口で対応している。100円単位で窓口は2つである。ロイヤル席を出たらすぐそこにも機械式の券売機もあるので、混んでいたりするのならそちらに走るのもアリだ。まあ、余程締め切りギリギリに前に並んでいる人がマークミスでドツボったりしていない限りは混んでいて締め切られたりなんつーこともないだろうが。
ちなみに払い戻しは機械式である。人数が少ない部屋なのでレース後にこの機械の前にいない=外れた、と周りの人に悟られてしまいがちだが、まあそこは我慢しよう。
さて、ロイヤル席の座席の方を詳しく見て行こう。前にも申し上げた通り前列がA席で後列がB席となるのだが、B席が比較的普通の椅子になっているのに対してA席はこのような畳に座椅子という斬新な形の席になっている。
ちょうど畳一畳ぶんのスペースに2席づつとなっている。見ようによってはペアシートのような形になるので、2人組組で利用される方は分断されないよう注意して指定席券を買った方がよいだろう。先ほどの座席表をよく見ておいてくれたまへ。
しかし何といってもロイヤル席前列の最大の特徴と言えばこちら。初めて見る方はびっくりするかもしれないが何やら取っ手の着いた扉が目の前に存在しているのだ。
てってれー。この取ってを引っ張るとあら不思議。畳三分の一程度のスペースが椅子にドッキングされて広々としたスペースが完成するのである。
これによって指定席にもかかわらず堂々と靴を脱いで足を伸ばしたり胡坐をかいたりすることができるので、そういうのが好きだと言う方には非常に快適な「和風」指定席ということになる。荷桁のような自宅に椅子やベッドがないという床生活オッサンには非常に快適ではあるが、きちんとしたスーツを着ていたり、こういうのが苦手だという方もいるだろう。そういう方はB席を選んでいただいた方が無難である。
ロイヤル席からの眺望はこんな感じだ。さすがに物理的にも高いところにある指定席だっけあって実にレースの状態も見やすい。下からは見づらい、向こう上面やコーナーの様子も肉眼でとらえることができる。双眼鏡なんかでレースを追うのがお好きな方はこの席はおススメである。
ただ、いくつか柱もあるので、B席の方はいくぶん視界が遮られることがある点、あらかじめご了承くだされ。
ロイヤル席にはフリードリンクも設置されている。コーヒーを飲んだりジュースを飲んだりというのがお好きな方にとってはナイスなサービスと言えるだろう。好きな方は是非ご利用くだされ。
また、ロイヤル席にはこんな鉛筆立ても。ちょっといかついが、ロイヤルな雰囲気の出る鉛筆立てを追求した結果、こうなっているんだろうな。
さて、そのような快適なロイヤル席。快適な座椅子席あり、フリードリンクサービスありとなかなか魅力的な施設ではあるのだが、ちょっと知っておいていただきた点として、この席は比較的常連さんが多いという点がある。
もちろん、指定席に限らず、公営ギャンブル場には常連客が多いものだが、佐賀競馬場のロイヤル席の場合、全部で32席と言う規模感と部屋の小ささもあり、否が応でも常連さん中心の空気によそものが土足で踏み込んでいくという図式になってしまいがちだ。荷桁みたいにそういうのがまったく気にならないタイプはいいが、そういう図式にストレスが溜まってしまいそうなタイプの人は少しその点を頭に入れていただいた方がいいだろう。
そのあたりもあってか、荷桁は2度ロイヤル席を利用したのだが、2度とも女性客はゼロ。荷桁より若いと思われる男性もゼロであった。確かに、女性のグループや若者グループがキャッキャと行くとちょっと浮いてしまうような雰囲気がないと言えばウソになってしまうかもしれないなあ。
また常連さんが多いせいか指定席券のチェックもグダグダになっており、あまりこういうことを言うとよくないのだが、一部の客は指定席券を持っていない友人をロイヤル席に招き入れていたりしていた(なぜ分かったかと言うと、荷桁の買った席に座っていたからだ)。
滅多に佐賀競馬場に行かない荷桁がこうしたことに文句を言うことで常連さんたちの快適空間をぶっ壊すのもそれはそれでどうなのかという話なので、別に「ただちに改善せよ!」などという気は毛頭ないのだが、逆に旅打ちなどで初めて利用する方は「そういう感じの席だ」ということを知っておいた上で利用していただいたほうがよいだろう。なにせ冒頭で申し上げた通り、2000円もする指定席なのだから。
荷桁も行くまで知らなかったのだが、ロイヤル席には事前予約という制度があり、ロイヤル席を利用すると、次の開催のロイヤル席が予約できるというシステムもあるようである。
一応3名までとなっているのだが・・・どのような運用になっているかはご想像にお任せいたします。
このシステムに加えて、ロイヤル席には「年間会員」という制度も存在している。
1席2000円×その年度の開催予定日数×90%という料金システムで、ロイヤル席を年間でおさえることもできるのだ。年間会員になると専用のロッカーも付与されるという豪華っぷりである。何人が購入しているのかは分からないが、そういう方も中にはいらっしゃるということですな。
まあそうした常連の皆さまのおかげなのかは分からないが、ロイヤル席にはスリッパ、老眼鏡、調味料(持ち込み用?)、灰皿などの備品が備えられている。まあ一見と言えどもきちんと2000円払っている客なので、こうしたものも堂々と使ってしまってよいだろう。
灰皿の話が出たところで、ロイヤル席のタバコ事情をお話ししておこう。一応座席にはA・B席ともに、すべて禁煙との札がつけられており、一応席自体は禁煙のようである。
はて。では先ほど灰皿が置いてあったのは一体どういう訳なのだろうか。
なんと、席ではNGだが、すぐ後ろのテーブルでは吸ってもいいという超ゆるゆるの分煙が行われているのである。仮にも受動喫煙を減らしていかなくてはならない立場にあるお役所がやっている施設にもかかわらず、これが「分煙」だという認識なのである。どうせ最初は禁煙にしようと思っていたが、グダグダになってこうなっているのだろう。ここでも常連に対して異様に気を遣うあまり、タバコが苦手な方がロイヤル席に来たら「二度と来るかこんなところ」と思うような環境づくりになってしまっているのである。実に佐賀競馬場らしい光景である。
まあ当然の帰結として、後ろのテーブル以外の席でも皆さんタバコをふかすということになる。もちろんこれに対しても係の人が注意するわけでもない。A列、B列とわず、皆さん好き放題にタバコを吸っておられた。
先ほども言ったが、荷桁は佐賀競馬場には滅多にいかない立場だし、オッサンもたばこも特段苦手ではないので、正直、佐賀競馬場のロイヤル席がどうあろうが、知ったこっちゃないのだが、妊婦さんやお子様連れなんかがもし「今日はゆっくり観戦したいからちょっと奮発してロイヤル席にしてみようか」と考えて、2000円を払っていざ行ってみてこんなことになっていたら悲劇ではないか。
さすがにこのあたりについては、佐賀競馬場の側もさすがによくないなと思ったのか知らないが、2017年秋に行われているスタンド改修工事では3階の分煙化工事が行われているとのこと。まさにこのレポートを書いているさなかのことなので、今後どうなるかは分からないが、すべての人が気持ちよく使えるロイヤル席になることを願っているぞ。
ちなみに、ロイヤル席でおススメなのがA列の一番左にあるA-1、A-2の席である。柱があるおかげで、すこし独立した感じがあり、予想に集中したい方にはいいと思います。ロイヤル席初心者の方はひとまずこちらから始めてみてはいかがでしょうか?
さて、いかがでしたでしょうか?佐賀競馬場のロイヤル席。いいところもビミョーなところも、私が感じたところは大体吐き出してしまいましたので、2000円の価値があるかどうかについては、皆様で判断いただきたいところでございます。とは言え、先ほど申し上げた通り、今まさに改修工事の真っ最中ですので、またそのうち行ってみた際には様子を見てみたいと思います。
けっこう時間がかかってしまいましたが、一応これでスタンド1階から3階ロイヤル席にかけましておおよそのスタンドの様子を見ることができましたな。もうしばらく佐賀競馬場のレポートを続けてまいりますので、お付き合いの程、よろしくお願いいたします。
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