金沢競馬場 その5 ~金沢競馬をあらためて~ そこに競馬があるから 忍者ブログ
日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。

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金沢競馬場のレース風景
金沢競馬場のレース風景



*金沢競馬場レポートの続編です。
初めからお読みになる方は金沢競馬場レポートその1からどうぞ。




 どうも。荷桁です。



 さて、今回からしばらくは北陸地方唯一の競馬場である金沢競馬場をレポートしてまいりたいと思います。



 金沢競馬場については、当ブログを開設して間もない2009年の11月頃に、同年1月の開催時の金沢競馬場の様子を4本のレポートでご紹介をしております。早いもので、その後8年以上の月日が流れまして、その後何度か金沢競馬場に行くことがありましたので、ひとまず最新の金沢競馬場の様子をご紹介しようと思い、こうしてシコシコとパソコンに向かっておる次第でございます。



 考えてもみれば、今でこそひとつの競馬場について、たくさんの写真を使って20本、30本とレポートを書いてご紹介している訳ですが、2009年の時点ではこのブログがそんな大層なことになるとは全く思っておりませんでした。むしろ金沢競馬場そのものよりも、このブログの様式の方が大きく変わってしまったが故の再レポートと言ったほうがよいかもしれませんな。



 っつーわけで今回からのレポートは他の競馬場同様、長く・しつこく・オタッキーなレポートにしていく予定ですので、そう嫌な顔をなさらず、何卒お付き合いの程、よろしくお願いいたします...



 
 
 
 さて、それでは早速だが、金沢競馬場の基礎知識についてざっとおさらいをしておこう。



 金沢競馬場は名前のとおり、石川県は金沢市にある地方競馬場である。厳密に言うと、 石川県金沢市八田町西1番地というところにある。上にマップを用意したが、金沢市とは言いながらもかなり郊外の方にあるのがお分かりいただけることと思う。これは盛岡競馬場なんかと同じく、かつては街中にあった競馬場が移転して辺鄙なところに行ってしまったというパターンである。



 競馬場が当地に移転してきたのは1973年のことだ。現在競馬場がある一帯は1962年までは金沢市ですらなく、河北郡森本町という町であった。森本町の編入でまとまった土地が金沢市に属することになったので、しばらくしてそこに競馬場を移転をしてしまおうという話になったのだろう。
 
 
 

 
 
 
 ちなみに、もともと金沢競馬場があったのは現在の金沢市中心部から少し西へ行ったところで、現在は金沢市立高岡中学校(1976年に市内高岡町から当地に移転)、新神田小学校(1979年創立)、石川県営新神田団地(1970年代後半に建築)などがあるところだ。



 今となっては後の祭り甚だしいが、今の位置にあればアクセスも楽ちんだったろうになあと思うが、さすがに仕方のないことだ。



 ちなみに、もともとの場所に競馬場ができたのは1931年のこと。終戦後に競馬法が変わって石川県や金沢市、さらには能登地方の自治体なども主催していたが、のちに石川県と金沢市の主催となり現在もその枠組みで競馬が開催されている。



 ちなみに、今でこそ北陸地方は競馬場が金沢競馬場しかないがために、競馬不毛の地のような扱いを受けてしまうこともしばしばだが、戦後しばらくは福井競馬場、大野競馬場、小松競馬場、高岡競馬場と福井・石川・富山にもしっかりと競馬場があったこともあり、決してこの地方の方が競馬・ギャンブルが嫌いという訳ではないのでそのあたりはしっかりと意識しておいたほうがよいだろう。



福井競輪場


三国競艇場


富山競輪場



 ちなみに、現在は競馬場こそないものの、福井市に福井競輪場が、福井県坂井市に三国競艇場が、富山市に富山競輪場がそれぞれあるので旅打ちの際のハシゴにはもってこいだ。詳しくは金沢競馬場のアクセスの話の際にやろうと思うが、加賀温泉や高岡から金沢競馬場へのバスも出ているのでそういうのと組み合わせてみてもよいだろう。



 北陸は温泉地も多数あるし、魚が美味い料理屋も多い。そういうところも楽しみつつ金沢競馬を訪問するとまた旅打ちも一段と面白くなること間違いなしだ。




金沢競馬場の09年の風景



 先述のとおり、荷桁が初めて金沢競馬場を訪問したのは2009年の1月のことである。今でこそ、金沢競馬のシーズンは12月末で終わってしまうが、2011年までは1月も正月休みを中心に少しだけ開催があったのだ。



 どういう経緯でなくなってしまったのかはよく分からないが、2012年以降は1月の金沢競馬開催はなくなっている。正月の帰省のときにだけ競馬に行くという人もいただろうになあとは思うが。一度やめちゃうとなかなか元に戻すのも難儀なもんなのですかね?まあ、ともかく、そんな折に訪問をしてその様子をこれまで4本のレポートにまとめてきた訳でございます。





金沢競馬場の09年の風景



 荷桁が最初に金沢競馬場に訪れた2009年というのは地方競馬界にとっては、まさに”踏ん張りどころ”の時代であった。



 地方競馬は2000年代に入り、上山、三条、高崎、足利、宇都宮、益田、中津が相次いで廃止となり、ほかの競馬場も赤字が膨らみ大変なことになっていた。荷桁が大学生になって競馬を始めた2005年頃には南関東4場以外の地方競馬場は10年もすればひとつも無くなるであろうと言われていた時代である。荷桁はそんな時代状況の下、2006年からコツコツ旅打ちを始めたのである。



 その頃はインターネットでの馬券発売が徐々に浸透してきたあたりではあったが、蒲郡競艇場が2006年から全レースをナイターにして、2008年度に住之江競艇を抜いて全競艇場で売上一位になったことでようやくその方向性に光が見えてきたという感じであったので、地方競馬界にはまだまだその恩恵は限定的であった。あの手この手で注目を集めようと地方競馬関係者が必死にやっていた頃である。笠松戦隊マックルV、売店の平田さん、馬ふゅーむ、なんてワードもこの頃の懐かしい思い出ですな。



 2009年にはついに高知競馬場が夜さ恋ナイターを導入。その後、そろそろネットの恩恵が出てくるか?という段になって、とうとう耐えきれなくなった荒尾競馬場福山競馬場が廃止。もうダメか?と思われたが、その後遅れていたネット投票網の普及(たぶん一般人へのスマホの普及も大きかったことと思う)で売り上げが増加傾向になり、何とかそこまで生き延びた各地方競馬場は、現在では比較的安定的な売得金を確保できているような状態である。




金沢競馬場の自虐ポスター



 話をもどして金沢競馬場だが、荷桁の最初の訪問時はそういう時代であったので、いたく苦しい雰囲気が場内から漂っていた。今から思うと信じられないかもしれないが、上の写真のような自虐的な広報物が場内いたるところにぶら下がっていたのである。当時は、もう関係者もあと数年で廃止になるだろうというのは薄々分かりつつも競馬をおこない、客の多くもそういう前提でニヒルに競馬を楽しんでいたふしはある。当時のレポートを読み返していただければ、何となくそういう雰囲気で書かれているのがお分かりいただけるであろう。




金沢競馬場のパドック



 しかし金沢競馬は廃止にならなかった。日曜日と火曜日の週2日開催をベースとしている金沢競馬は、開催日数が少ない分、一日あたりの売上をきちんとキープする作戦に出たのである。ほかの競馬場が、経費削減で賞金を下げる→馬が減る→1レースあたりの出走頭数が減る→売り上げも減るという見事な負のスパイラルに陥る中、金沢競馬場は賞金体系を維持(年によっては上げたこともあった)して馬主の支持を得て馬の頭数を確保。多頭数が出るレースをやり続けることで売り上げをキープしたのだ。結局はそれが奏功し、何とか廃止の危機的な状況は免れたのである。




金沢駅前の風景



 そしてこの10年弱で、金沢競馬場をとりまく環境ばかりではなく、金沢の街も大きく変わった。
 


 2015年に北陸新幹線が開業。東京=金沢間は2時間30分で結ばれて、東京から日帰りで行けてしまう街になったのだ。それと同時に金沢周辺は観光スポットとして急に注目度がアップし、人気が急上昇。金沢はただでさえこれまでもいけ好かない感じだったのに、これまで以上に輪をかけて調子ぶっこいているという状況がつづいているのである。




金沢競馬場の場内の様子



 金沢が観光地として盛り上がるのは悪い話ではないのだが、荷桁としてはせっかく金沢くんだりまで行って、しょうもない観光客相手の店でアホみたいにぼったくられている暇があるのであれば(他意はありません)、是非そのお金を握りしめて金沢競馬場で散財していただきたい。ここには庭園も美術館もないが、古きよき地方競馬場の雰囲気が確かに残っているぞ。



 荷桁は最初の訪問からしばらく金沢競馬場には足を運べていなかったのだが、2016年、そして2017年に2年続けて訪問し、それなりに現在の様子を見てくることができたので、こうして追加レポートを書こうと思っている次第でごぜえます。




 さて、という訳で金沢競馬場の基礎知識をおさらいしようと言いながらも途中からは地方競馬界のこの10年の動向と、荷桁が金沢があまり好きではないということを晒しただけになってしまいましたな。



 流れがよく分からない感じになってしまいましたが、ひとまず、次回からは久しぶりの金沢競馬場レポートをゆるゆると書いてまいりますのでよろしくお付き合いの程、お願いいたします・・・。





 



>>金沢競馬場レポートその6へ





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 金沢競馬場 その1 ~金沢けいば冬景色~
 金沢競馬場 その2 ~見てるわしらも寂しいんよ~
 金沢競馬場 その3 ~北の競馬人たち~
 金沢競馬場 その4 ~アイル・ビー・バック~
 金沢競馬場 その5 ~金沢競馬をあらためて~
 金沢競馬場 その6 ~金沢競馬場 アクセス~
 金沢競馬場 その7 ~金沢競馬場 駐車場~
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