高知競馬場 その30 ~勝手に高知競馬騎手名鑑 番外編~ そこに競馬があるから 忍者ブログ
日本国内、海外の競馬場の訪問記です。こんなことしてていいのかなあ。でもやめられない。

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高知競馬場
一昔前の高知競馬場の騎手整列


*高知競馬場レポートの続編です。
初めからお読みになる方は高知競馬場レポートその1からどうぞ。




 どうも荷桁です。



 前々回前回と「勝手に高知競馬騎手名鑑」と題しまして、高知競馬場の騎手の皆さんをご紹介してまいりましたが、今回はその番外編でございます。高知競馬はもとより、地方の競馬場に長いこと通っておりますと、その時は意識していなくとも「ああ、そういえばこの騎手の写真も撮っていたんだなあ」と思うこともままあります。今回はそんな写真を掘り起こして、高知競馬場を引退してしまった騎手やかつて高知競馬場で騎乗していた騎手の皆さんをご紹介していければと思いますので何卒よろしくお願い申し上げます。



 今回のレポートでのご紹介順は特にリーディング順などではなく独断と偏見ですので、あしからずご容赦ください。それではまいりましょう。勝手に高知競馬騎手名鑑、番外編でございます...


高知競馬場の中西達也騎手



 さて。そんなわけで始まりました番外編ですがまずは引退された騎手の皆さんということで、この方、中西達也さんをご紹介いたしましょう。



 中西さんは炭田健二厩舎に所属していた元騎手である。1969年福岡県出身で1987年に今はなき中津競馬場でデビュー。1997年に高知競馬に移籍(中津の廃止は2001年)。高知では高知優駿を通算6勝、高知県知事賞を3勝などトップジョッキーとして活躍。通算2597勝を挙げて、2017年に調教師に転身した。



 その騎手としての手腕だけでなく、俳優の黒田アーサーに似ていることからアーサーと呼ばれファンや関係者の間でも人気者であった。調教師としては自身も騎乗していたフリビオンで早くも高知県知事賞を制するなどよいスタートを切った。出走数は少ないが率がよく、今後も高知競馬場を盛り上げてくれる存在なのは間違いのないところであろう。




高知競馬場の西山裕貴騎手



 次に紹介するのも元騎手、西山裕貴さんだ。



 1985年愛媛県出身で2003年に船橋競馬場で騎手デビュー。1年目は未勝利に終わり、2年目の2004年には高知競馬場に移籍。その後は高知で騎乗を続けて通算244勝を重ねた。2016年に調教師試験に合格し、その後は高知で調教師となっている。




高知競馬場の宮川浩一騎手



 お次も元騎手の宮川浩一さん。弟は同じ高知競馬場に所属する宮川実騎手である。名前は「こういち」ではなく「ひろかず」である。



 1980年高知県出身。1999年に高知で騎手デビュー。2002年には益田競馬場で期間限定騎乗を経験。騎手としては年間10勝未満の年も多く、リーディング上位をうかがうことはできなかったが2015年に調教師に転身している。通算成績は134勝。




高知競馬場の目迫大輔騎手



 お次も元騎手、目迫大輔さんだ。これで苗字は「めさく」と読ませるので注意。



 1981年千葉県出身。2003年に笠松競馬場でデビュー。その後年間10勝前後の時期を経て2007年に高知競馬場で期間限定騎乗を経験、翌2008年に高知競馬場に移籍。その後は高知の騎手として騎乗し、2009年にはマリスブラッシュで黒潮スプリンターズカップを制している。2014年に調教師に転身した。通算成績は138勝。



 私生活では2009年に同じ高知競馬場所属の騎手、森井美香さんと入籍。夫婦で騎手をしていたことでも知られている。




高知競馬の目迫大輔騎手



 ちなみに、目迫騎手は高知で勝負服を変更している。古い写真を整理していたら、古い勝負服の写真も出てきたので一応掲出しておこう。今後とも調教師として高知競馬を盛り上げていただきたいところだ。




高知競馬場の森井美香騎手



 さて。そんな目迫騎手の流れで、ご紹介するのは元騎手の森井美香さん。先述のとおり現在は目迫美香さんとなっている。



 1984年香川県出身。2005年に高知で騎手デビュー。前回のレポートでご紹介した別府真衣騎手とは同期デビューの女性騎手として話題になった。2006年に全日本新人王争覇戦を優勝、女性騎手で初の新人王に輝いた。その後も年間コンスタントに20~30勝をしていたが結婚後の2012年、怪我から復帰のタイミングで妊娠を発表。休業の後、引退することとなった。通算125勝。



 別府騎手と共に、高知競馬場の女性騎手二枚看板として活躍し、苦しかった時期の高知競馬をいろいろな面で支えた騎手であったことは間違いのないところ。今後は目迫調教師のサポート役として高知競馬場を支えてくれることだろう。

 


高知競馬場の明神繁正騎手



 さて。お次も元騎手の明神繁正さん。



 1972年高知県出身で1990年に高知で騎手デビュー。長く高知の中堅騎手として活躍し、通算686勝を挙げている。シャルマンダンサー(1992年金の鞍賞)、ブルーグロリア(1997年マンペイ記念)、スパイナルコード(2007年黒潮皐月賞)などで重賞でも活躍した。1996年南国王冠高知市長賞、当時競馬の連勝日本記録更新がかかっていたハッコウマーチを、明神騎手がバイタルサインで破ってしまったことでも話題になった。2010年に怪我により引退。




高知競馬場の山頭信義騎手



 お次も元騎手、山頭信義さんだ。名前は「やまがしらのぶよし」と読ませる。元中央競馬騎手の伊藤直人氏は叔父にあたる。



 1993年千葉県出身。2011年に船橋で騎手デビュー。2012年に高知競馬場で期間限定騎乗を経験。翌2013年も高知で期間限定騎乗をし、2014年に高知競馬に移籍した。元高知競馬騎手の下村瑠衣騎手は同期で、共にデビューの地は高知ではなかったが、高知で同時期に騎乗することになった。その後は年間10勝前後の成績が続き、2019年に引退。厩務員に転身した。



 内目のコースが不利と言われる高知競馬場において、最内コースを伸びて突っ込んできて波乱を演出する「ヤマガシラスペシャル」と呼ばれる騎乗で夜さ恋ナイターを盛り上げたことでも知られる。現在は田中守厩舎の厩務員さんということでパドックで姿を見ることもあるかもしれない。本場に訪問した際には要注目だ。




高知競馬場から移籍した松木大地騎手



 さて。ここまでは引退した高知の騎手をご紹介してまいりましたが、ここからは高知競馬場に所属していて他地区に移籍した騎手も見ていくことにいたしましょう。まずは松木大地騎手。



 1995年大阪府出身。2015年に高知で騎手デビュー。2016年に金沢競馬場で期間限定騎乗、2018年に園田競馬場で期間限定騎乗と他地区での騎乗を積極的に行い、2019年に高知競馬場、雑賀正光厩舎から園田競馬場、雑賀伸一郎厩舎に移籍することとなった。2019年は年間57勝を挙げて兵庫でもリーディング10位と奮闘。今後も高知で学んだことを糧に活躍してくれることと思う。




高知競馬場から移籍した北野真弘騎手



 その松木騎手から遡ること数年。高知から兵庫への移籍のパターンはいくつか前例があった。当時の移籍の文脈は当然のことながら高知競馬の経営悪化や賞金低下に伴うネガティブな要素が大きかったが、まあ、それはそれでプロの選択肢としては責められるものではなかったということは言うまでもないだろう。



 そんな流れでご紹介するのは元騎手の北野真弘さん。大井競馬場に所属していた北野壱哉元騎手は息子である。



 1969年高知県出身。1988年に高知で騎手デビュー。1992年に高知リーディングジョッキーに輝きその後7回リーディングを獲得。2003年1月の騎乗を最後に一旦騎手免許を返上し兵庫で一年間の厩務員を経て、2004年に園田競馬場で再デビュー(騎手免許返上かつ厩務員を経るのは兵庫の制度によるもの)。2015年に調教師に転身するまで騎乗を続け、通算2119勝を挙げた。




高知競馬場から移籍した中越豊光騎手



 それからこの方も忘れてはならない。元騎手の中越豊光さんだ。



 1974年高知県出身。1992年に高知で騎手デビュー。95年に高知リーディングを獲得。通算6度のリーディングに輝き、先述の北野騎手と中越騎手の二枚看板時代が長く高知では続いていた。2006年に北野騎手同様に騎手免許を返上し、園田競馬場、山本和之厩舎に厩務員として移籍。2007年に兵庫で再デビューした。2012年に騎手を引退。引退後は川崎競馬場、武井和実厩舎の厩務員に転身した。川崎競馬場に所属する中越琉世騎手は息子である。



 歴史的に、他地区の若手を受け入れることが多い高知だが、過去はトップ騎手の相次ぐ流出があったのもまた事実。近年は賞金が増えつつあるが、それもこれらの経験からの危機感の現れなのかもしれない。




高知競馬場での期間限定騎乗に来た伊藤千尋騎手と笹木美典騎手



 さて。それでは最後に高知競馬を経験して各地で活躍している騎手・元騎手のご紹介をしてこのコーナーを締めくくろう。



 写真の伊藤千尋騎手、笹木美典騎手のように、雪国の競馬場所属の騎手の期間限定騎乗の場として、さらには騎乗機会に恵まれない他地区の若手騎手の武者修行の場として高知競馬場は機能している一面がある。そのまま高知に移籍する騎手も多いのはこれまでのレポートを読んでいただいたとおりだ。



 特に南関東の騎手の中には本田正重騎手など高知競馬での経験を糧にその後も活動している騎手もままいる。ここからは荷桁が高知競馬場に訪問した際に高知競馬場で期間限定騎乗をしていた他地区の若手(当時)をご紹介していくことにしよう。




高知競馬場で騎乗していた高橋利幸騎手



 まずは高橋利幸騎手。2009年から10年に高知競馬場で期間限定騎乗。現在は千葉県騎手会所属(フリー)として南関東で騎乗している。




高知競馬で騎乗していた濱田達也騎手



 続いて濱田達也騎手。2008年から09年に高知競馬場で期間限定騎乗。彼も現在は千葉県騎手会(フリー)の騎手として活動している。高知時代は08年の黒潮皐月賞にタケショウクィーンに騎乗して優勝。地方競馬初勝利が重賞初勝利という珍しい記録を持っている。




高知競馬で騎乗していた高野毅騎手



 最後に元騎手の高野毅さん。2009年から10年に高知競馬場で期間限定騎乗。その後は南関東の大井所属として騎手を続けて、2016年に調教師に転身した。ちなみに同じ大井競馬場に所属する高野誠毅騎手は弟である。




 さて。そんな訳で、高知競馬を引退した騎手、高知競馬を去って他地区に活路を見出した騎手、高知で経験を積んで所属地域に戻っていった騎手などを手持ちの写真でもってゆるゆるとご紹介してまいりましたがいかがでしたでしょうか。



 こうして見ると、騎手の部分でも馬の部分でも、高知競馬の懐の深さが日本の競馬界を支えているということがすごく感じられますね。こうした競馬場が苦しい時期でも経営を投げ出さなかったということを、日本の競馬界はもっと感謝しなくてはならんのではないかと思う今日この頃でございます・・・。



 という流れで、いったん「勝手に高知競馬騎手名鑑」のコーナーは一区切りといたしますが、まだお目にかかっていない騎手の皆さんは次回訪問した際に写真を撮って、またいつかのタイミングでレポートしたいと思いますので、引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。



 だいぶ高知競馬場レポートも本数が増えてまいりましたが、もうしばらくお付き合いをよろしくお願いいたします・・・。




 



>>高知競馬場レポートその31へ






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